家まわりの困りごとに広く対応する小規模工事のプロ山本奈美子

家まわりの困りごとに広く対応する小規模工事のプロ

山本奈美子

公共事業で培った技術力と、フットワークの軽さで家まわりの困り事に幅広く対応

　「お客さまの喜ぶ顔が私どもの原動力。『こんなことも、あんなこともしてくれた』と感激してもらえるよう、常に誠心誠意で取り組みます。案件の大小は関係ありません」

　そう話すのは、金沢市で土木・解体・舗装・外構工事を手掛ける「ジャンティ」の山本奈美子さん。当初は、道路や堤防の整備など公共事業の下請けを主軸にしていましたが、近年は地域のニーズを受け細分化。個人宅におけるエクステリアの施工や庭木の手入れ、さらには家の片づけや生前・遺品整理も行っています。

　「ある日、近隣の方から『道路に出るとき危ないから、自宅前にカーブミラーをつけてもらえないか』とご連絡をいただきました。現地は見通しが悪く、とても不安げな様子だったので快く引き受けたところ『どこに頼めばいいか分からず本当に困っていた。ありがとう』と大変感謝されたんです」

　個人が大きな会社に問い合わせるのは、「ハードルが高いのでは」と気づいた山本さん。暮らしの中でさまざまな課題を抱えながらも相談する場所につながれず、ただ耐える人々の現状を知ったと振り返ります。

　「何とか力になりたい」と、家まわりの補修など生活に密着した用事に幅広く応えるように。責任あるインフラ事業を数多く請け負ってきた技術力と、小回りの利く軽やかなフットワークで身近な町の助っ人を目指します。

　「公共事業などの大規模な現場は達成感がありますが、お客さまの顔が見える仕事はまた違ったやりがいがあります。『こんな小さなこと、悪いかな』なんて思わず、ぜひお声掛けください」

質の高い工事を実現するため従業員の労働環境などを整備し、チーム力をアップ

　山本さんは、要望を細やかにくみ取るため、できる限り対面で顧客と会うことを大事にしています。時には自ら客先に赴き、軽作業をこなすことも。隅々まで配慮した対応を心掛けることで信頼関係を築き、リピーターも多いそうです。

　心遣いは従業員にも向けられています。独身・家族用社宅を完備し、業務に集中できる環境作りに注力しています。
　「健康のために体力を養うだけでなく、従業員同士のコミュニケーションの場になればと、事務所にはトレーニングルームを備えました。バーベキューや餅つきなど季節ごとに社内イベントを実施し、従業員の家族とも交流を深めています」

　現場では、チームワークが何より大切と考える山本さん。その背景には、土木作業には不向きな北陸地方の気候も関係しています。多雨多湿の風土ゆえ、天候の影響を受けやすいコンクリート舗装などは時間との戦いです。空模様を見ながら呼吸を合わせ、みんなで一気に塗り上げると言います。

　「互いに補い合う心が工事の仕上がりに直結しますから、従業員はただの同僚でなく仲間でなければならないんです」

　自分が現場に同行できない時は、従業員がけがなく帰ってくるまで心配だと語る山本さん。その姿は子どもを案ずる母親のようでもあります。
　「一番の願いは従業員に『ジャンティで働けてよかった』と思ってもらうことで、労働環境の向上には全力投球です。独立開業も応援しているので、一生もののスキルを身に付けたい方はどんどん来てください」

家の外・中の要望に応える「あなたのまちの土建屋さん」「あなたのまちの便利屋さん」をスタート

　山本さんたちのがんばりはクチコミで広がり「フェンスを建てたい」「ブロック塀を撤去したい」といった声が次々に舞い込むように。そこで正式に「あなたのまちの土建屋さん」という個人宅向けの事業を立ち上げました。

　「多いのはカーポートの新設や、グレーチングという排水溝のふたの設置ですね。ご希望のサイズでオーダーメードするので、『収まりがよい』と好評をいただいております。また、DIYで作った畑の土の入れ替えと処分をたまわったこともあります。ご依頼の幅を狭めたくないので、あえてメニューのようなものは提示せず、まずはお話を聞いて判断します」

　近年は、県外に引っ越した人から、空き家になっている実家の手入れや、お墓の草刈りといった用命が増えているそうです。
　「遠方で立ち会えないお客さまには、ビフォーアフターの写真を送って作業をご確認いただきます。今後も枠にはまらず、かゆいところに手が届くサービスを提供したいと思い、新たに『家の中』のこともお任せいただける事業を始めました」

　新規事業である「あなたのまちの便利屋さん」では、大型家具・家電の移動や不用品の回収などに応じるほか、故人の住まいでは、遺品整理士の資格を持つ山本さんが、残された品を丁寧に整理しています。

　「お悩みなどを寄せていただく度、私どもが持てる力で、お客さまのお役に立ちたいと身が引き締まります。これからも限界を決めず、みなさまの手となり足となり不便を解消するために腕を振るいたいですね」

（取材年月：2023年5月）

地域のニーズに応える身近な助っ人を目指し、事業を展開

公共事業で培った技術力と、フットワークの軽さで家まわりの困り事に幅広く対応

質の高い工事を実現するため従業員の労働環境などを整備し、チーム力をアップ

家の外・中の要望に応える「あなたのまちの土建屋さん」「あなたのまちの便利屋さん」をスタート

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