「創立60周年記念 大阪府建設業労働災害防止大会」への参加

松井正義

松井正義

テーマ:イベントレポート


はじめに


2024年6月17日(月)午後に、大阪国際交流センターで、建設業労働災害防止協会大阪府支部が主催する「創立60周年記念 大阪府建設業労働災害防止大会」が開催され、同大会にお招きいただきました。今回は、その時の様子を簡単ですが、ご紹介したいと思います。

建設業労働災害防止協会大阪府支部とは?

建設業労働災害防止協会大阪府支部(以下、建災防おおさか)は、同支部のHP情報では、以下のように紹介されております。

昭和39年9月、建設業労働災害防止協会(本部)が設立され、同年11月に大阪建設業協会を母体とし、大阪府下における建設業の労働災害を防止することを目的として『建設業労働災害防止協会大阪府支部』が発足しました。支部の下部組織として、大阪労働局所管の各労働基準監督署管内に分会を設置しています。

名称建設業労働災害防止協会大阪府支部(略称:建災防・大阪)
分会数13分会
会員数事業主会員 1,247社  
   団体会員 11団体  (令和5年6月)
設置根拠労働災害防止団体法に基づく厚生労働大臣の認可団体 

建災防(けんさいぼう)は、事業主の自主的な労働災害防止活動を通じて、建設業の安全衛生の向上を図り、労働災害の絶滅を目指すことを目的に、昭和39年9月に労働災害防止団体法に基づいて設立された厚生労働大臣の認可団体です。

当協会は、建設業の労働災害をなくすため、建設業を営む事業主及びその事業主の団体が会員となり、自主的な安全衛生活動を推進しています。


このように建災防おおさか様は、大阪府下の建設業の労働災害防止を目的とした組織であることが分かります。なお、建災防おおさか様と弊社とは、弊社の会社設立以降、とても良好な関係を築けていると認識しております。

「創立60周年記念 大阪府建設業労働災害防止大会」について


開催場所の大阪国際交流センターは、過去に行ったことがあるように思っていましたが、実は今回初めて訪問する場所でした。最寄り駅はOsakaMetro谷町線の谷町九丁目駅です。この周辺は、東西にかなりの高低差がある地形となっています。時間のある時にこの辺りをゆっくりブラブラ歩いてみたいな~なんてことを思いながら、会場に向かいました。

会場は1千名以上を収容できる同センターの大ホールでした。ほぼ満席だったので、建災防おおさか様の会員企業(1,200社超)の多くの企業様がご参加されていたと思われます。

大会は四部構成となっておりました。

  • 第一部:大会セレモニー関係(黙祷、大会式辞、祝辞、表彰式、大会安全宣言)
  • 第二部:講演
  • 第三部:特別講演
  • 第四部:ラッキーカード抽選会


第二部は、大阪労働局労働基準部長による「建設業における労働安全衛生行政について」(30分)のご講演がありました。過去からの労働災害件数の推移を振り返りながら、安衛法導入後に労働災害が激減した要因の解説は非常に興味深かったです。

特に印象深かったのは、「リスクアセスメントをしっかり理解していない人が多いのではないか」という言葉でした。「リスクゼロ」「危険ゼロ」というあり得ない言葉が職場で使われる傾向へ警鐘を鳴らす姿勢には強い共感を覚えました。心の中で「よく分かりますっ!!」と思わず賛同した自分がそこに居て、思わず前のめりで聴講していました!

リスクアセスメントと言う言葉は、この2024年4月から完全施行された改正労働安全法令における「化学物質の自律管理」でのキーワードです。私は化学物質管理の専門家として、リスクアセスメントを職場に根付かせるためには今回の法令改正は絶好のチャンスだと感じています。専門家として、しっかり、対応してまいりたいと思います。

特別講演「英雄脳のつくり方 ~人生を切り開くための脳科学~」


そして、第三部では人工知能科学者の黒川伊保子先生による「英雄脳のつくり方 ~人生を切り開くための脳科学~」と題した特別講演(80分)がありました。対話の奥義を心理的安全性の観点から深掘りした話題や、英雄とは何ぞや、英雄脳はこうやって作る、などなど、多角的且つ多面的な内容で大変興味深かったです。

心理的安全性は昨今のトレンドワードになっています。ただ、言葉が独り歩きしている感があるな~と個人的には感じています。その点、黒川先生の講演では、多様化する職場の中で、如何に心理的安全性を確保するかがこれからの企業に求められることであり、また、上司・部下との関係性の中でも重要なキーワードであることが示されていました。特に新入社員への声掛けの仕方はとても分かりやすかったです。

講演の中で最も心惹かれたのは、“対話の奥義”についてでした。脳を縦に使う人と横に使う人の視点を基軸に、人の話の受け方、自分からの話し方などについて、実例を交えたユーモアたっぷりの話は聞きごたえ満点でした。「人の話は共感で聞く」「自分の話は結論から」は実践していきたいと思いました。

黒川先生は多数の書籍を出されており、その中には「妻のトリセツ」シリーズなるものがあるとのこと。恥ずかしながら、その本のことは存じていませんでしたが、さっそく読んでみなければっ、と思った次第です・・・。

大会に初参加した感想


今回初めて建災防おおさか様の安全大会に参加させていただきました。2題の講演は内容が濃く、興味深いものであったことに加え、全体を通じて感じたことは、進行がとてもスムーズでほぼストレスフリーで聴講できたことです。

一千名規模の参加者が集う大きな大会にありがちな進行の遅延など一切感じることがありませんでした。これは裏方の皆様が相当に頑張らないと実現できません。私は、所属や立場は異なるものの、過去、こういう運営を幾度もこなしてきた立場なので、裏方の皆様のご苦労が手に取るように分かります。企画運営から当日の対応、はたまた、事後対応も含め、裏方として関わった皆様に感謝、感謝です!!

なお、最後の第四部のラッキーカード抽選会では物凄いニアミスを経験しましたっ!。参加券に印字されていたユニークな4桁の数字で抽選が行われ、残念ながら当選しませんでしたが、何と、1等と1番違いで、2等と2番違いという結果でした・・・。4桁の数字でここまで肉薄した経験は初めてでしたっ!

最後に一つだけ宣伝です!


この度、建災防おおさか様からのご委嘱を受け、同支部の「専門工事業者等の安全衛生活動支援事業推進員」を拝命しました。とても光栄なことです。まずは今年度、同支部の会員企業様の事業場をご訪問させていただき、パトロールや講演活動を通じて労働災害防止を図る他、安全衛生管理水準の向上に寄与したいと考えております。特に私の専門分野である化学物質管理や、その他、労働衛生に関わる各種ハザード対策へしっかり価値を提供できるように頑張りたいと思います!

以上、今回は「創立60周年記念 大阪府建設業労働災害防止大会」への参加について簡単ですが、ご紹介いたしました。ご安全に、ご健康に!!

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松井正義
専門家

松井正義(労働衛生コンサルタント)

株式会社トトロエコンサルティング

労働安全衛生を専門に、現場の実情に即した環境改善をサポート。労働災害対策だけでなく、企業のイメージアップにも貢献します。大手化学メーカーでの有害性評価の研究などの経験から化学物質管理にも精通。

松井正義プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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