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排水用鋳鉄管の腐食について

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テーマ:排水用鋳鉄管の腐食

排水用鋳鉄管の腐食

排水用鋳鉄管の腐食は、近年マンションで特に問題化しており、結露・排水ガス・外面環境など複数の要因が重なることで、 上部側の腐食や縦割れ破損が発生しやすいことが最新の調査で明らかになっています。
大規模修繕・理事会向け資料にも直結するテーマなので、技術的背景から実務的な注意点まで、整理してまとめます。
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■ 排水用鋳鉄管の腐食メカニズム(内部・外部)
1. 内部腐食(管内側)
主な要因
•排水ガス(硫化水素など)による腐食
排水ガスが管上部に滞留し、結露水と反応して酸性環境を作り、上部側が選択的に腐食しやすい。
•結露水の付着
特に通気管は水が流れないため、ガス+結露の影響が強く、腐食が進行しやすい。
•堆積物による腐食
横主管では堆積物が腐食を促進するが、立て管では堆積物がないのに腐食が起きるケースが増加。
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2. 外部腐食(管外側)
•多湿環境(パイプスペース内)
結露・湿気が継続すると外面腐食が進行。
•塩害・薬品・漏水環境
特に屋外・地下・機械室周りで進行しやすい。
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■ 近年増えている重大トラブル:縦割れ破損
全国管洗浄協会の調査では、
排水立て管の鋳鉄管が400〜500mmの縦割れを起こす事例が多数報告。
調査結果のポイント
•破損事例の 91% が鋳鉄管
•築20年未満でも破損例あり(7件)
•破損箇所は 直管部が最多(34件)
•清掃治具の影響では説明できないケースが多い
•管上部・側面の腐食が多く、ガス腐食・結露腐食が主因と推定
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■ 腐食の原因まとめ(実務向け)
腐食要因内容典型的な症状
排水ガス腐食H₂Sなどが結露水と反応し酸性化上部の腐食、ピンホール、縦割れ
結露通気管・PS内で多発外面腐食、上部腐食
堆積物腐食横主管で顕著管底の腐食、穴あき
外部環境多湿・塩害・薬品外面腐食、肉厚減少
維持管理洗浄ホースの傷など局部腐食、穴あき
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■ マンション実務での注意点(俊明さん向け)
1. 築30〜40年は鋳鉄管の寿命域
•鋳鉄管の耐用年数は 35〜40年
•1990年以前の建物は要注意
2. 通気管の腐食を軽視しない
•水が流れないため腐食しないという従来の認識は誤り
•ガス+結露で腐食が進行し、破断例が増加
3. 縦割れ破損は早期発見が難しい
•PS内で隠蔽されているため、漏水発見が遅れがち
•破損時は大量漏水につながる
4. 調査時のポイント
•立て管上部の腐食有無
•通気管の結露跡
•外面の錆汁・膨れ
•管種(鋳鉄管かどうか)
•清掃履歴と洗浄方法
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■ 改修の方向性(概要)
方法           特徴                適用
更新(鋳鉄→樹脂管)   最も確実。長寿命。        築30年以上、腐食進行時
ライニング(内面補修)立て管で有効だが、腐食が深いと不可腐食軽度
部分更新        破損部のみ交換           応急処置
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■ 理事会向け資料に使えるポイント
•「鋳鉄管は上部腐食が進行しやすい」
•「通気管の腐食は近年の新しい問題」
•「築30年以上は破損リスクが急増」
•「縦割れ破損は清掃では防げない」
•「早期調査が漏水事故の防止につながる」

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