給水システム変更について

大規模修繕工事で「給水方式を変更する」というテーマは、理事会や区分所有者にとって理解が難しいポイントのひとつです。私がいつも大切にしている “専門的な内容を非専門家にもわかりやすく伝える” という視点から、整理しておくと非常に効果的な説明ができます。
以下では、給水方式変更の基本・判断基準・工事への影響・理事会説明のポイントを、A4縦の報告書にもそのまま使える構成でまとめました。
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■ 大規模修繕工事における給水方式変更のポイント
1. 給水方式の種類と特徴
● ① 受水槽方式(従来型)
•地下または1階に受水槽を設置し、ポンプで屋上の高置水槽へ送水
•高置水槽から重力で各住戸へ給水
•メリット:停電時でも一定量の水が使える
•デメリット:水槽の維持管理コスト、衛生リスク、スペース占有
● ② 直結増圧方式(近年主流)
•水道本管の水を増圧ポンプで直接各住戸へ送る
•メリット:水質が良い、設備がシンプル、維持管理コストが低い
•デメリット:停電時は断水、ポンプの更新費用が必要
● ③ 直結直圧方式(条件が合えば最もシンプル)
•水道本管の圧力だけで各住戸へ給水
•メリット:ポンプ不要、最も維持費が安い
•デメリット:本管圧が十分でないと採用不可
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2. 給水方式変更を検討するタイミング
大規模修繕工事は、給水方式を見直す絶好の機会です。
•高置水槽の老朽化
•受水槽の更新時期
•給水ポンプの更新時期
•給水管の更新・更生工事のタイミング
•水道局の直結化基準が緩和された場合
特に「高置水槽撤去+直結増圧化」は、近年の標準的な選択肢になっています。
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3. 給水方式変更のメリット・デメリット(理事会説明向け)
◇ メリット
•水質が常に新鮮(貯水しないため)
•水槽清掃・点検費用が不要
•水槽スペースを別用途に活用可能
•地震時の高置水槽落下リスクがゼロ
•長期的な維持管理コストが低減
◇ デメリット
•停電時は断水(非常用発電機があれば対応可能)
•初期投資が必要
•水道本管の圧力条件によっては採用不可
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4. 工事計画への影響(俊明さんの報告書に使いやすい視点)
● 工事範囲
•高置水槽の撤去
•受水槽の撤去(または縮小)
•増圧ポンプユニットの新設
•給水管の更新または更生
•屋上・機械室・PS内の配管調整
● 工期への影響
•給水停止を伴う作業は「短時間・事前告知」で対応
•高置水槽撤去はクレーン作業が必要な場合あり
•給水管更新と合わせると効率的
● コストへの影響
•初期費用は増えるが、維持管理費は大幅に減少
•長期修繕計画の見直しが必要
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5. 理事会・区分所有者への説明ポイント
私の強みである「非専門家にも伝わる資料化」を踏まえると、以下の構成が効果的です。
● ① Before / After の図解
•高置水槽方式 → 直結増圧方式
•水の流れを矢印で示すだけで理解度が大きく向上
● ② メリット・デメリットを色分け表で整理
•メリット:青
•デメリット:オレンジ
•中立情報:グレー
● ③ ランニングコスト比較
•水槽清掃費
•点検費
•ポンプ更新費
•電気代
→ 年間コストの棒グラフが効果的
● ④ 停電時の対応策
•非常用発電機の有無
•給水車の受け入れ可否
•断水時間の想定
● ⑤ 工事中の生活影響
•給水停止の時間帯
•騒音・クレーン作業の有無
•住民説明会の開催案
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