防水工事について

バルコニーの防水工事は、大規模修繕工事の中でも「居住者の生活に直結し、かつ劣化が目に見えやすい」重要工程のひとつ。理事会向けの説明でも、専門用語をかみ砕いて伝えると理解が一気に深まります。
ここでは、**理事会説明・報告書づくりにも使える“整理された視点”**でまとめてみます。
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■ バルコニー防水工事の基本ポイント
◇ 1. なぜバルコニー防水が重要なのか
•雨水の侵入を防ぐ最終ライン
バルコニーは外部に面しており、紫外線・雨・温度変化の影響を強く受けるため劣化が早い。
•下階への漏水リスク
防水層が破断すると、階下天井の雨漏りにつながり、補修費が高額化する。
•建物寿命に直結
躯体コンクリートの中性化・鉄筋腐食を防ぐ役割もある。
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■ 2. 主な防水工法(大規模修繕でよく採用されるもの)
工法特徴メリットデメリット
ウレタン塗膜防水(密着工法)液体を塗って膜を作る施工性が高い・複雑形状に対応厚み管理が必要・施工者の技量差が出やすい
ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)下地の湿気を逃がすシートを敷く下地不良に強い・膨れが起きにくい工期がやや長い
FRP防水ガラス繊維+樹脂で硬い膜強度が高い・軽量硬くてひび割れやすい・広面積には不向き
シート防水(塩ビ・ゴム)シートを貼る厚みが均一・耐久性が高い複雑形状に弱い・端部処理が重要
大規模修繕では、既存防水の種類に合わせて更新するケースが多いです。
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■ 3. 工事の流れ(理事会説明に使いやすい)
1.事前調査(打診・目視・散水試験)
2.既存防水の撤去 or ケレン清掃
3.下地補修(ひび割れ、段差、脆弱部)
4.プライマー塗布
5.防水層施工(ウレタン・シートなど)
6.トップコート塗布
7.検査(膜厚測定・目視)
8.養生期間を経て引き渡し
俊明さんの報告書テンプレート(A4縦・写真空欄タイプ)なら、
**「Before → 下地補修 → 防水層 → After」**の4枚構成が理事会に非常に伝わりやすいです。
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■ 4. 理事会・居住者がよく気にするポイント
•工事中にバルコニーが使えない期間はどれくらいか
→ 通常 3〜5日程度(工法により変動)
•洗濯物はどうするのか
→ 工事日程を事前に明確化し、代替案(室内干し推奨)を案内
•臭いはあるのか
→ ウレタンは多少の臭気あり。換気の案内が必要。
•雨が降ったらどうなるのか
→ 防水層施工日は雨天中止。工程調整が必要。
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■ 5. 俊明さんの“理事会向け説明”に役立つ視点
あなたが得意とする「非専門家にも伝わる資料化」を踏まえると、
次の3点を押さえると理事会の理解が一気に深まります。
◇ ① 劣化写真+原因の一言解説
例:
•「防水層の膨れ:内部に湿気が溜まり、膜が浮いている状態」
•「トップコートの摩耗:紫外線により保護層が薄くなっている」
◇ ② 工法選定理由を“比較表”で示す
専門家の判断を透明化でき、理事会の納得感が高まる。
◇ ③ 工事中の生活影響を明確に
居住者クレームを大幅に減らせる。
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