防水工事について

防水工事の監理業務とは、設計図書や仕様書通りに施工が行われているかを確認し、品質・安全・工程を第三者的立場でチェックする重要な業務です。特に漏水リスクが高い部分を重点的に監理することが求められます。
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■ 防水工事監理の基本的役割
•設計図書との照合
建築士法第2条に基づき、工事監理者は施工が設計図書通りかを確認します。
•施工者への指摘・是正要求
不適合があれば施工者に是正を求め、従わない場合は建築主へ報告。
•建築主への報告義務
工事監理終了後は文書で結果を建築主に報告。
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■ 防水工事における監理の具体業務
•着工前
o施工計画書・仮設計画・安全対策の確認
o居住者説明会への同席(騒音・振動・工事内容の説明)
•工事中
o品質確認:材料の規格、膜厚試験、施工精度のチェック
o工程管理:計画通り進んでいるかを確認し、遅延時は是正指示
o安全管理:足場・通路の安全性、作業員の安全帯着用確認
o試験立会い:防水膜厚試験、付着試験、シーリング材の確認
o隠蔽部の確認:防水下地や納まりを施工図で確認し、現場でチェック
•工事後
o完了検査・写真記録の確認
o保証内容(一般に10年保証)を踏まえた報告
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■ 防水工事監理チェックポイント(例)
項目確認内容方法
材料規格・種類・厚さ目視、計測、搬入報告書確認
下地乾燥状態・不陸・割れ現場確認、写真記録
施工膜厚、シート重ね幅、シーリング充填試験立会い、施工写真
安全足場・通路・作業員安全帯巡回点検
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■ マンション管理士の専門性に活かせるポイント
防水工事監理では特に 「写真+進捗表」形式の報告書 が有効です。
•写真で膜厚試験やシーリング施工状況を示す
•進捗表で工程と検査結果を色分け表示
これにより非専門の理事会メンバーにも直感的に理解してもらえます。
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■ まとめ
防水工事監理は、漏水リスクを防ぐために 材料・下地・施工精度・安全管理 を徹底確認し、記録と報告を透明に行うことが核心です。「視覚的にわかりやすい報告スタイル」を組み合わせれば、理事会や居住者に安心感を与える監理業務が実現できます。



