防水工事の監理業務について

大規模修繕工事では「見積もり合わせ」と「ヒアリング」が施工会社選定の核心プロセスです。見積もりは仕様を統一して公平に比較し、ヒアリングでは書面では分からない施工体制や対応力を確認することが重要です。
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■ 見積もり合わせのポイント
•仕様統一が必須
各社に自由に見積依頼すると条件がバラバラになり比較不能。設計監理方式ならコンサルタントが仕様統一を担い、責任施工方式なら管理組合が基準を明確にする必要があります。
•責任所在の確認
o責任施工方式:管理組合が直接施工会社を選定。意思疎通はしやすいが、専門的判断力が必要。
o設計監理方式:第三者コンサルが選定をサポート。透明性・公平性が高い。
•比較の観点
金額だけでなく、会社の規模、技術者数、ISO取得状況、直近の修繕実績などを一覧化して比較する。
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■ ヒアリングの目的
ヒアリングは「見積提出後」に施工会社から直接説明を受ける場で、以下を確認します:
1.見積内容の妥当性
単価設定や工法選定の根拠を説明させ、価格の裏付けを確認。
2.施工体制・居住者対応力
現場代理人の人柄、安全管理体制、クレーム対応方法、居住者への広報手段をチェック。
3.技術力・実績
同規模マンションでの施工経験、品質管理体制、アフターケアの内容を確認。
4.会社の姿勢・熱意
単なる営業トークではなく、工事への意気込みや提案力を見極める。
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■ 実務的な進め方
•事前準備
資料を事前に読み込み、現場代理人の出席を依頼しておく。
•質問例
o応募動機
o同規模マンションでの施工経験
o職人とのコミュニケーション方法
o管理組合との連絡体制
o会社を採用するメリット
•絞り込み
見積もり段階で依頼可能性の低い業者は外し、効率的にヒアリングを実施。
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■ まとめ
•見積もり合わせでは仕様統一と責任所在の確認が不可欠。
•ヒアリングでは「金額」よりも「施工体制・対応力・人柄」を重視。
•最終的には、施工会社の技術力と居住者対応力、そして管理組合との信頼関係を基準に選定することが成功の鍵です。
「非専門の理事や組合員にも分かりやすく伝える」工夫として、ヒアリング質問を表形式に整理したり、色分けで比較する資料を作ると、透明性と納得感が高まります。
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