防水工事の監理業務について

長期修繕計画の収支とは、将来の修繕工事に必要な費用と、それに充てる修繕積立金などの収入を見通して、資金不足が起きないように管理するための計画です。
以下に、収支計画の基本構成とポイントを詳しく解説します。
■ 長期修繕計画の収支構成
■ 支出(修繕費用)
•修繕工事の内容と時期:外壁、屋上防水、給排水管、エレベーターなどの共用部の修繕
•工事費の算出方法:数量×単価で算出し、年度ごとに整理
•改良工事費:性能向上を目的とした工事(例:LED照明導入など)も含める場合あり
■ 収入(修繕積立金など)
•修繕積立金:住戸ごとの月額積立金が主な収入源
•運用益:積立金の利息収入
•その他:専用庭・駐車場使用料の繰入れ、一時金徴収、借入金など
■ 積立方式の種類と特徴
積立金等方式:月額を一定に保つ。安定性が高く、標準様式でも推奨されている。
段階増額方式:数年ごとに積立額を増やす。初期負担が軽く、柔軟な対応が可能。
一時金徴収方式:積立額を抑え、工事時に不足分を徴収。計画が不安定になりやすい。
■ 収支計画の作成と活用ポイント
•収支表・グラフ化:年度別の収支を表やグラフで可視化し、理事会や総会での説明に活用
•定期見直し:物価変動や工事費高騰に対応するため、5年ごとの見直しが推奨される
•資金不足対策:早期に赤字が見込まれる場合は、積立金改定や工事内容の精査が必要
■ 実務者向けアドバイス
•Excel収支テンプレートは、修繕項目別・年度別の費用と積立金推移をグラフで示すと、非専門の理事にも理解されやすくなります。
•段階増額方式を採用する場合は、増額タイミングと金額を明示し、合意形成を丁寧に進めることが重要です。
•改良工事費を含める場合は、区分所有者の要望と資金計画のバランスを慎重に検討しましょう。



