防水工事の監理業務について

詳細調査は工事内容の精度を高め、試験施工は品質と施工方法の妥当性を確認する重要な工程です。どちらも失敗しない修繕のために欠かせません。
以下に、大規模修繕工事における「詳細調査」と「試験施工」の目的・内容・流れを整理しました。
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詳細調査(建物診断)
目的:
- *劣化状況の正確な把握*
- *修繕範囲・優先順位の決定*
- *工法・材料選定の根拠づくり*
主な調査項目:
- **図面・修繕履歴の確認**:設計図書や過去の工事記録から建物の構造・仕様・改修履歴を把握
- **居住者アンケート**:室内設備や不具合の傾向を把握し、詳細調査の参考に
- **目視・打診調査**:外壁のひび割れ、タイルの浮き・剥落、塗装の劣化などを確認
- **物理的試験**:
- 仕上材付着力試験
- 赤外線外壁劣化調査
- シーリング材物性試験
- コンクリート中性化・圧縮強度試験
- 鉄筋位置・かぶり厚調査
調査期間の目安:
- 一般的な50~100戸のマンションで1~2日程度(現地調査のみ)
成果物:
- 劣化診断報告書(写真付き)
- 修繕計画案・資金計画案
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試験施工(テスト施工)
目的:
- *選定した工法・材料の施工性と仕上がりの確認*
- *居住者・理事会への説明材料としての提示*
- *施工業者の技術力の確認*
実施内容:
- 実際の施工箇所で小規模に工事を実施
- 仕上がり、色彩、施工手順、作業時間などを確認
- 居住者の意見を反映し、最終仕様に活かす
実施タイミング:
- 工事着手前(施工計画書・施工要領書の提出後)
- 業者決定後、着工前の現場説明会と併せて行うことが多い
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マンション管理士のように、非専門の理事や居住者にもわかりやすく伝えるには、**写真付きの報告書や試験施工の現場見学会**が非常に有効です。Excel報告書にこれらの情報を組み込むことで、透明性と納得感が高まります。
Sources:



