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「4スタンス理論」で骨格タイプを診断し“走る”を楽しく・効率よく指導

骨格からアプローチする陸上競技指導のプロ

山田裕貴

山田裕貴 やまだゆうき
山田裕貴 やまだゆうき

#chapter1

姫路・加古川で、小学生から高校生に向けて短距離型の陸上教室を開講

 「『大きな大会で結果を出したい』と陸上競技に情熱を燃やす中高校生はもちろん、野球・サッカー・ラグビーの地域クラブに所属するジュニアアスリート、運動に苦手意識を持っていたり、『つまずいたり、転んだりしやすいので筋力を養いたい』といった小学生もたくさん通っています。走ることを通じて、心と体が前向きになる感覚を味わっていただけたらうれしいですね」

 そう語るのは、姫路・加古川の両市で、小学生から高校生に向けて短距離型の「陸上教室ビニャラ」を主宰する山田裕貴さん。「“走る”を“楽しい”へ」をコンセプトに、実弟とともにコーチを務め、兄弟はそろって現役の短距離選手でもあります。

 「走ることは全てのスポーツの原点。当方では、幼児から大人まで幅広い層を対象にパーソナルトレーニングも行っています。違う競技をしている方でも、伸び悩んでいることがあればぜひお話を聞かせてください」

 山田さんのもとでは、パフォーマンスの向上を目的に、プロ野球選手などにも活用されている「4スタンス理論骨格診断」を取り入れています。
 「人間の体は基本的に同じ作りですが、自然で無理のない使い方は人によって異なるという考えに基づき、4種類に分類するものです。骨格は人それぞれ異なり生涯変わらないので、自分のタイプを知ることで、楽な重心の位置や体の使い方が分かるようになります。効率よくトレーニングができ、ケガの予防にもつながります」

 いずれの受講生にも、マスター級トレーナーの有資格者が初回に診断を実施。体幹トレーニングでは、タイプ別にアプローチ法を変えることで体の軸を安定させ、運動能力を高めていきます。

#chapter2

体の使い方、指導者の大切さを実感し、子どもたちの力になりたいと教室をスタート

 山田さんが「4スタンス理論」を知ったのは、小学生から社会人まで続けた陸上を離れ、競輪選手をしていた頃。練習中に事故に遭い、意識が戻ると病院のベッドの上。その後のリハビリで苦戦する中、姫路市に骨格の専門家がいると耳にします。
 「わらにもすがる思いで相談に行きました。骨格を見てもらいリハビリを一緒に頑張っていったら、回復が早い。事故の影響で体のバランスが崩れ、左膝に残っていた痛みが改善し、体の動きもすぐ戻った感覚がありました」

 小学生で県大会、中学では国体に出場。高校時代は、近畿ユース大会200メートルで大会新記録を塗り替え優勝した山田さん。進学先の立命館大学でも、日本選手権出場をはじめ全国大会で躍動しました。
 「教室を開いた理由は、『4スタンス理論』のプロのもとで、体の使い方は大事だと気づいたこと。リハビリで自らの心身と向き合い、『大好きな陸上の楽しさを伝えたい』と思ったからです」

 加えて、選手にとって指導者の大切さを実感していたから。中学入学時は学校に専門の先生がおらず、ほぼ独学による練習に行き詰まりを感じていたと言います。
 「でも2年生の時、競技経験が豊富な先生が顧問になり状況が一変したんです。体の発達に合わせて、実績と知識に裏付けられたメニューを組んでくれたので納得感があったし、記録にもつながりました。先生がいなければ、僕は陸上を続けられなかった。今度は、僕が子どもたちの力になれたらと考えました」

山田裕貴 やまだゆうき

#chapter3

フリーの陸上選手も受け入れ、ビニャラの所属選手として大会出場をサポート

 日本陸上競技連盟公認の指導者資格も取得し、数多くの子どもを迎え入れる山田さん。
 「最初は走ることにいいイメージがなかった子が、今は最前列で説明を聞いて、みんなの前で動きのお手本をし、仲間に積極的に話しかけている。陸上を通して世界が広がっていく過程に携われるのが幸せです」と、小学生らの成長ぶりに目を細めます。

 中高生に対しては、アスリートとして個々を尊重し、サポートしているそうです。
 「自分で目標を立ててもらい、自宅でできる自主練メニューや日々の体のケア、食事内容まで余すところなく伝えています」

 パーソナルトレーニングでは、全国トップレベルの中学生や競輪選手を目指す社会人などを指導しています。
 「大学生以上のフリーの陸上選手も受け入れています。ご本人の都合が合う時に練習に参加してもらい、ビニャラの所属選手として大会に出場する形を取っています。僕と弟も現役ですから、仲間が増えるのは大歓迎です」
 
 今後は、県内の他の地域でも教室を開催したり、子どもたちの長期休暇中に自然体験を含めた合宿も企画したいと夢を膨らませます。
 「僕自身が、多くの方と出会ったことで人生を変えてもらったと思っています。子どもたちをはじめ教室に関わってくださる方には、走ることを起点にいろいろな経験をし、達成感や充実感などさまざまな感情を味わって、人生を豊かにしてほしいですね」

 陸上と二人三脚で生きてきたと話す山田さんは、これからも一人一人の可能性を広げるべく走り続けます。

(取材年月:2023年9月)

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山田裕貴

骨格からアプローチする陸上競技指導のプロ

山田裕貴プロ

陸上競技指導者

陸上教室ビニャラ

一人一人が持って生まれた骨格のタイプを見極める「4スタンス理論骨格診断」を採用。子どもから大人まで、骨格タイプに沿った自然で無理のない体の使い方を指導し、走ることに関するお悩みに寄り添います。

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