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データバックアップとセキュリティ対策:中小企業ができる基本的なサイバーセキュリティの取り組み

近藤生志

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テーマ:サイバーセキュリティ

中小企業が成長を目指してビジネスを展開していく中で、データの保護とセキュリティ対策は欠かせない重要な要素です。特に、近年ではサイバー攻撃が増加しており、企業の情報が狙われるリスクが高まっています。しかし、大企業と異なり、予算やリソースが限られている中小企業にとって、セキュリティ対策は簡単に取り組めるものではないと感じるかもしれません。しかし、基本的なセキュリティ対策を講じることで、非常に高い効果を得ることができます。

この記事では、中小企業でも実践できる基本的なサイバーセキュリティ対策について、具体的な取り組みを紹介します。


1. データバックアップ:万が一に備えての第一歩

まず、最も基本的で重要なセキュリティ対策は、データバックアップです。万が一、サイバー攻撃やシステム障害が発生した場合に備えて、重要なデータを定期的にバックアップしておくことが不可欠です。

バックアップの基本的な方法

クラウドバックアップ

クラウドサービスを使ったバックアップは、特に便利です。Google DriveやDropbox、OneDriveなどのクラウドストレージを利用することで、データはインターネット経由で保存され、物理的な損害から守られます。さらに、クラウドサービスは自動で同期されるため、手動でバックアップを取る手間も省けます。

外付けハードディスク

物理的なバックアップ方法としては、外付けハードディスクを利用するのも一般的です。定期的にバックアップを行い、データをオフラインで保存することで、ネットワーク障害が起きてもデータが保護されます。


バックアップの頻度

バックアップの頻度は、業務の重要性やデータ量に応じて設定する必要があります。たとえば、毎日業務に使う重要なファイルや顧客情報は毎日バックアップすることを推奨します。一方、週に一度で十分なデータもあるでしょう。バックアップの自動化を設定できるツールも多いため、手間なく確実にバックアップを取ることができます。

2. 攻撃から守るための基本的なステップ

次に、サイバー攻撃から企業を守るために必要なセキュリティ対策について説明します。中小企業が取り組むべき基本的な対策は次の通りです。

強力なパスワードの設定

パスワード管理は、セキュリティ対策の最も基本的な部分です。簡単に推測されるようなパスワード(例:123456やpassword)は絶対に避けるべきです。

  • 長く複雑なパスワードを設定しましょう。英字、数字、記号を組み合わせた12文字以上のパスワードが理想的です。
  • 二段階認証(2FA)を有効にすることで、パスワードだけでなく、もう一段階のセキュリティを追加できます。例えば、Googleアカウントや銀行のオンラインサービスでは、パスワードに加えて、スマホに送信される認証コードを入力する方式です。



ウイルス対策ソフトの導入と定期的な更新

ウイルスやマルウェア、ランサムウェアなどの攻撃から企業のシステムを守るためには、ウイルス対策ソフトの導入が不可欠です。無料のウイルス対策ソフトもありますが、有料のものはより強力な保護を提供します。
定期的にソフトウェアをアップデートし、最新のウイルス定義ファイルを取り込むことが大切です。これにより、新たに発見された脅威にも対応できるようになります。

ファイアウォールの設定

ファイアウォールは、外部からの不正なアクセスを防ぐための仕組みです。これを使うことで、ネットワーク内のデータを不正に盗まれたり、攻撃を受けたりするリスクを減らすことができます。
ハードウェアファイアウォールやソフトウェアファイアウォールの両方を適切に設定し、インターネットからの攻撃を防ぐことが必要です。

従業員へのセキュリティ教育

従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高めることも非常に重要です。フィッシング詐欺やランサムウェアなど、攻撃の手段は日々進化しています。従業員がこれらのリスクを認識し、適切に対応できるように教育することが求められます。
怪しいメールのリンクをクリックしない、不審な添付ファイルを開かない、定期的にパスワードを変更するなど、基本的なセキュリティ対策を徹底しましょう。

ソフトウェアの定期的な更新

使用しているソフトウェアやシステムが古いままだと、セキュリティホールが放置されることになり、攻撃者に狙われやすくなります。常にソフトウェアやOSの最新のパッチを適用し、システムを最新の状態に保つことが必要です。

3. 万が一に備える:復旧計画の策定

サイバー攻撃や災害、システム障害などが発生した場合に備え、復旧計画(BCP: Business Continuity Plan)を作成しておくことが重要です。

  • 重要なデータやシステムが破損した場合の復旧手順を文書化しておき、従業員全員がどのように対応すべきかを把握できるようにしましょう。
  • 事業継続に必要な最小限のシステムやツールをどこで、どのように保護・管理するかを決めておくことが、万が一の事態に備えるための第一歩です。



まとめ

中小企業がサイバーセキュリティ対策を実施することは、リスクを最小限に抑え、ビジネスの信頼性を保つために非常に重要です。データバックアップの実施や、基本的なセキュリティ対策の導入により、企業の情報を守り、万が一のトラブルにも素早く対応できる体制を整えることができます。まずは手軽に始められる方法から取り組み、段階的に強化していきましょう。セキュリティは一度きりの取り組みではなく、継続的な管理が求められるプロセスです。

IT専門家の立場から御社のサイバーセキュリティのアドバイスや従業員様へのセキュリティ教育もご支援いたします。
お気軽にご相談ください。

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専門家

近藤生志(システムエンジニア)

Octet合同会社

全国各地の在籍スタッフが自分の得意な知識を生かして業務に対応。全国600社以上のIT企業などで構成されるアライアンスに加盟しており、社外との協業によるシステム開発も可能です。

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