漢方で女性の元気を支えるプロ山野千恵

漢方で女性の元気を支えるプロ

山野千恵

創業60余年の漢方薬局で体の悩みを相談

　阪神今津駅北側を出てすぐのところにある、「相談薬局アール堂」。創業から60年あまり、伝統的な中国医学の影響を受け日本で独自に発展してきた漢方医学の観点から、数多くの体の悩みに応えてきました。
　「漢方薬を処方するほか、食事や運動についてアドバイスをいたします。漢方医学は、人間に本来備わっている自然治癒力を高め、病気を未然に防ぐ予防医学として親しまれています。『病院に行ってもスッキリしない』『年齢とともに身体機能が低下して、体調がすぐれない』など、どんなことでも結構です。不調に感じることがあれば、気軽にご相談ください」と、保険薬剤師の山野千恵さん。

　「古い時代の中国では、食べ物で病を治す医者を『食医』と呼んでいました。ほかに薬を施す『疾医』、これは今で言うところの内科医、メスを扱い外科医のような役割を担っていた『傷医』、動物を診る『獣医』がいて、食医はこれらの中で最も位が高かったそうです。それほど食は大切だということ。『薬食同源』、食材や食事から得られる効果などを知って、日々の食卓に活用していただきたいと思います」

　山野さんは、「肝、心、脾、肺、腎」から成る五臓と、「酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味（かんみ）」に分類される五味の相互関係について話をしてくれました。
　「肝臓に働きかけるのは酸っぱさ、心臓は苦さ、脾の言葉に含まれる脾臓や膵臓（すいぞう）は甘味、肺は辛味、腎臓は塩味と、それぞれの味覚が臓器を養うと考えられています。魚や肉、野菜といった素材を、味噌や醤油などの調味料で上手に味付けし、五味をバランス良く取り入れてほしいですね」

一人一人の症状や体質に合わせて漢方薬を処方

　山野さんは、一人一人の体質やコンディションに合わせて、治療薬や養生薬を提案してくれます。
　「一口に高血圧と言ってもやせ型、肥満など体形や体質により症状は異なります。血液を送りだす力が弱い方には、血流を促すための補剤が必要です。血の巡りに問題のない方、肥満症の方には体内の余分なものを外に出すような処方が有効な場合があります。家系的な背景のほか、どのようにして病気になったのか、そして現在はどのような状態なのか。原因と結果をじっくりとお伺いする過程で、とるべき手だてが見えてきます。特に高血圧や糖尿病といった生活習慣病においては、運動不足や不摂生など、日常の中に改善すべき点があるはずです」

　また冷え症や便秘、生理不順など女性特有のトラブルにも丁寧に応えてくれます。「入浴をシャワーだけで済ませたり、おしゃれのために足元は素足だったり。朝シャンで髪を十分に乾かさず、外出していませんか？　冷えは女性にとって大敵なので、ライフスタイルにも気をつけてください。思春期、妊娠、分娩、そして更年期、さらに毎月の月経と、体の機能が男性よりはるかに複雑な女性にこそ漢方自然薬をおすすめしたいですね。昔から『血の道症』と名づけて、得意な分野としてきました」と山野さん。

　野菜には食べ方があって、生のままだと体を冷やすので温野菜に、代謝や免疫力を上げてくれる酵素を豊富に含む果物は、その効能を存分に生かせるように、夜ではなく朝に食べるのがいいそうです。
　「朝食をきちんと取ることが、健康な未来へとつながります。エネルギーの源となる良質な炭水化物を摂取するために、ご飯をしっかりいただいて一日をスタートさせましょう」

女性が一家の太陽として輝けるように、心身の充実を目指して

　「『男は血管、女は筋骨』。これは寝たきりになる要因を示していて、男性は脳卒中などの血管障害、女性は筋肉や骨格の衰えから体の自由が利かなくなる恐れがあります。いつまでも、自分らしく暮らしていくために生活習慣を整え『元気で長生き』を目指しましょう」

　「女性は一家の太陽になってほしい」と願う山野さん。明るく輝くためには、心身の健康を保つことが何よりも重要だと話します。
　「私自身、これまでの人生では子育てに迷い、親の介護ではとまどいばかりといろんな壁にぶつかってきました。そんな私も孫ができて、今ではおばあちゃんです。母、妻、祖母、職業人としての役割を果たしてきた経験を通じて、女性のみなさんの力になりたい」と笑顔を見せます。
　プライベートでは、アマチュア競技選手として社交ダンスに夫婦で取り組み、毎日が充実している様子の山野さん。姿勢が美しく、生き生きとした表情が印象的です。
　「アトピーやぜんそくを患う子どもを心配するお母さん、子宝に恵まれないミセス、家事や仕事から大きなストレスを受けて疲れ切っている方が大勢いらっしゃいます。しんどいときも、つらいときも鏡の前でにっこり笑って、周りを照らし続ける女性になれるようにお手伝いをいたします」と温かいメッセージを送ってくれました。

（2013年4月　現在）

漢方医学の知識を生かして心身の健康をサポート

創業60余年の漢方薬局で体の悩みを相談

一人一人の症状や体質に合わせて漢方薬を処方

女性が一家の太陽として輝けるように、心身の充実を目指して

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