子どもの幸せを最優先する保育のプロ
小泉雅子
Mybestpro Interview
子どもの幸せを最優先する保育のプロ
小泉雅子
#chapter1
「保育士と親が横並びの関係で子どもを育てるスタンスを重視し、手間ひまかけた子育て支援を実践しています」と話す小泉雅子さんは、三田市を拠点とする認定NPO法人「保育ネットワーク・ミルク(以下、ミルク)」の理事長です。「母乳にはなれないけれど、頼りになる粉ミルク」をコンセプトとして、預かり保育、放課後児童健全育成事業、子育て支援事業などを展開しています。
公立保育園の保育士として活躍した後に退職。人の役に立ちたいとの思いが高まり子育ての傍ら自宅で預かり保育を開始しました。たちまち口コミで評判が広がり、志を共にする保育士と連携して1992年に「保育ネットワーク・ミルク」を設立。1998年には三田町に拠点を構え、預かり保育を継続しながら、地域の子育て支援ニーズに対応するために事業の幅を広げました。「人間関係が希薄な時代に子育てを始めたお母さんたちの『子どもへの接し方や遊び方がわからない』という声に応えて、サークル活動や親子遊びの会も始めました」
その後、保護者の要望に応えるかたちでNPOの認証を取得。2003年、阪神間における子育て支援の先駆者として「よこやま保育園」園長に就任しました。2016年には「ミルクたんぽぽ園」園長に就任し、ミルクの保育理念に基づいた支援に取り組んでいます。
保護者との信頼関係の構築を重視。「子育て支援は親育て。保護者の不安や緊張は全て子どもに伝わります。子どもが幸せになるには、まず保護者に幸せになっていただく必要があります」
「『心に寄り添う支援』という言葉を耳にすることが増えましたが、嫌われ役を引き受ける覚悟がなければ、子どもと保護者の心に本当に寄り添うことはできません」と話す小泉さんからは使命感のようなものが漂っていました。
#chapter2
何事においても「決め付け」ないことを心がけているという小泉さん。「さまざまな角度から柔軟に考え、子どもと保護者の可能性を探るようにしています。事業展開についても『できないだろう』ではなく『どうすればできるのか』を考えます。無いことを悔やむのではなく、無いのであれば代替えになるものを探します」
利用者の不安や悩みを解消するため心理カウンセラーの資格を取得し、20年にわたり研鑽を蓄積してきました。今も勉強会やセミナーなどに参加して能力の向上に務め、他業種の専門家との交流を通じて視野を広げ続けています。
支援を受けた利用者が運営に参加していることも特徴の一つ。子育て経験を生かし地域に貢献するためスタッフ一同が一丸となり対応しています。
宝塚市の委託を受けて放課後児童健全育成事業にも取り組んでいる小泉さん。「最初は、就学前の子どもと保護者の支援に限定していたのですが、ニーズの広がりを受け、学童期の親子まで支援の対象を広げました」
さらに、母親目線の子育て情報紙「みるくっ子通信」を毎月刊行。地域の情報や専門知識の他、小泉さんの思いを綴ったコラムなどを、手描きイラストを交えてわかりやすくまとめています。「バッグからスッと取り出せるサイズなので、持ち歩きやすいですよ」。親子で参加できるイベントや各種講座も開催。プロの演奏者を招いての音楽イベントの他、離乳食講座や、ベビーマッサージ講座など、子育てに役立つ情報を発信しています。
#chapter3
妊娠期から子育てのイメージを持つための情報交換と学びの場「プレママプレパパ講座」を随時開催しています。「親になる前の方々が交流できる講座です。また、この講座を通じてミルクと出会っていただき、赤ちゃんを生んだ後も安心して相談できる場所があることを知っていただきたいです」
また、父親の交流の場として「イクメン向上委員会」も隔月の日曜日に開催。「子どもを理解し、子育てへの自信を持っていただきたいという思いを込めて、お父さんたちが集まって自由に話せる場をつくりました。同じお部屋で見守り保育をするので、ぜひお母さんと一緒に来てください。短い時間ですが、子どもと離れることができるので心のゆとりにつながると思います」
最後に小泉さんは、ご自身が目指す子育て支援のあり方について話してくれました。「私達の子育てを理解してくださる方が増え、地域の方々の助け合いによる子育てや見守り体制が構築されることを最終的な目標としています。そして、子育て支援を提供する総合的な拠点が形成され、支援の輪がさらに大きく広がることを願っています」
(取材年月:2020年10月)
リンクをコピーしました
Profile
子どもの幸せを最優先する保育のプロ
小泉雅子プロ
保育カウンセラー
特定非営利活動法人 保育ネットワーク・ミルク
子育て支援一筋29年。乳幼児と児童の預かり保育の他、セミナー開催、交流の場の提供など多角的な視点から子育て支援を展開する。保護者との信頼関係を構築し、子ども一人一人を粘り強くきめ細やかにサポートする。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ神戸に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または神戸新聞社が取材しています。[→審査基準]