尿の悩みに取り組む泌尿器科のプロ
蓮沼行人
Mybestpro Interview
尿の悩みに取り組む泌尿器科のプロ
蓮沼行人
#chapter1
尿に関する悩みは、多くの人が抱えているにもかかわらず「恥ずかしくて相談できない」「隠したい、病院にも行けない」というケースが少なくありません。そうした人々に「あきらめないで。一緒に治していきましょう。きっといい結果が出ますよ」と語りかけるのが、蓮沼泌尿器科クリニック院長、蓮沼行人さん。クリニックには、加齢などによる尿の悩みを抱えた人が数多く訪れています。
女性の場合は特に尿モレなどの不快感があっても我慢しているケースが多く、また男女ともに「おしっこが近い」と感じる場合でも「年齢のせい。仕方がない」と考えがち。ところがどちらも泌尿器科で治療することができるのです。
「たとえばこんな症状があったら、来院してみてください」と蓮沼さん。昼間起きている間に8回以上、夜寝ている間に2回以上トイレに行く。くしゃみ、せき、大笑い、重い荷物を持つ、階段を上がる、ゴルフやテニスのショットなどで、おしっこがもれる。尿意を感じてからトイレに着くまでに、もらす。 もれる以外にも、おしっこをする時に出にくい、痛みがある、残尿感がある、尿に血が混じるなどです。
「内科で相談しても、結局は当院を紹介されて来られるケースもよくあります。それは尿に関しては泌尿器科が専門だから。原因がひとつとは限らないので、検査で明らかにしていきます。泌尿器科ではどんな検査や治療をするのだろうと不安に思う人も少なくないようですね。まずは症状を聞き、尿を調べ、超音波でおなかの表面から腎臓などの様子を探る検査から始めることが多いですね。不快な尿の悩みは投薬によってコントロールすることが可能です。手術が必要な場合は提携している病院に紹介しますが、治療のほとんどが投薬。なじみのある内科などと、あまり変わらないでしょう?」
泌尿器科は、ごく気軽に来院するところ。蓮沼さんはそう強調します。
#chapter2
尿の悩みや苦痛といえば、在宅で介護を受ける高齢者にもつきもの。そこで蓮沼さんは往診にも力を入れています。寝たきりで排尿コントロールが困難な場合、カテーテルという医療用の軟らかい管を使うことが多く、その管を定期的に替えるための往診が多くを占めます。蓮沼さんはその際、健康状態の変化を丁寧に観察するよう心がけています。
「膀胱機能が年齢とともに衰えてくるために、高齢者は尿関連の病気が多いのですが、一見普段通りに見え、さらに本人が意思表示できない場合も多いため、見過ごされがち。たとえば実は尿が普段どおり出せていない、さらには膀胱炎を併発している可能性もあります」
専門医なら、ちょっとした異常にも気が付くもの。そこに病気が隠れているかもしれません。在宅ケアにおいて泌尿器科専門医の果たす役割は大きいといえるでしょう。
#chapter3
蓮沼さんのモットーは「患者さんの話をよく聞くこと」。親しみやすく話しやすい雰囲気づくりを、常に心掛けています。医者のイメージを強調しないように白衣を着ない方がいいのではと考えることがあるほど、距離の近さを心掛けているのです。
「泌尿器とは関係ないことでも言ってみてほしいし、できる限りお役に立ちたいと考えています。そうした雰囲気で接していれば、患者さんはきっと、薬や治療について言いたい、教えてほしいという本音が出せると思うからです。逆にもし話しづらいと、病気についての重要なことがきっと言いにくくなってしまう。ましてや医者から『この薬がその症状に効かないわけはありません』なんて言われたら、患者さんは黙るしかないでしょう。私はそんな風に、型にはめるべきではないと思っています。人間の体は、たとえ医者であっても全て解明できるものではありません。医者の常識で『ありえない』であっても、よく聞いて対策を考えなければ。医者は自分自身を過信せず、またこれまでの経験に基づいた判断だけではなく、この患者さんにはこれでベストかと、常に模索すべきです。私は薬ひとつとっても、ひとりひとり反応が違うと思って取り組むようにしています」。
泌尿器を専門にしながらも、患者の心と体全体を見つめ、さらには医療全体を真摯に見つめる。そこに蓮沼さんのプロとしての姿があるのです。
(2010年6月 現在)
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