お墓のプロ
能島孝志
Mybestpro Interview
お墓のプロ
能島孝志
#chapter1
神戸で伝統的な和型墓石からデザイン墓石の製作・販売を行なっている第一石材の能島孝志社長。もともとは、企業の販促や企画プロデュース、営業指導を行なっておられたそうです。
「仕事で、石材店の営業指導に週1回行き始めたのがきっかけでした。当時の業界は、一般の職種では考えられないようなことばかり。まず、お客様は、知識がないまま石材店におまかせ、ということが多い。墓石の形態もほとんど同じで選べない、見積り書、設計書も詳細が明記されていない、など、商品を購入するお客様側にほとんど情報が入らないんです。そういう点に疑問を持ち、変えていきたい、と会社を立ち上げたんです」と語る能島さん。お客様によりよいサービスを、と常に創意工夫をしています。
お客様が自由に情報を得られるよう設置したショールームも、2008年10月にリニューアル。接客がプレッシャーにならないよう、POPやパネルなどで、石のプロフィールや施工の特徴などを紹介しています。
#chapter2
現在、国産墓石の中には、日本の石を中国で加工し、逆輸入したものも多く出回っています。そんな中、純国産にこだわり、厳選された原石を約400年の歴史と高い技術を誇る、香川県、庵治・牟礼の石職人によって製作。近年の安価なものに対するニーズにも応えるため、中国産も取り扱っていますが、そのこだわりに妥協はしません。社長自ら現地へ出掛け、中国語で交渉し、信頼できる工場と提携して、細かく指導、品質管理を行っています。
「中国産を取り扱うにあたって、自分自身で直接交渉しないと、わかってもらえないこともあるだろうと思ったので、中国語を勉強しました。現地の石材のマーケットにも直接行き、同種の石の中でもより良い品質のものを買付けています。同じ品番でも含有物によってかなり色合いや風合いが違うので、納得できる石材で製造をするためです。年に10回は現地に行きますよ」と語る能島さん。
サービスにもこだわり、霊園案内に向かうワゴン車では、乗り降りしやすいよう踏み台を置いたり、夏はクーラーボックスにお茶と冷たいおしぼりを入れ、お客様に提供するようにしているとか。
「さまざまなところで得たヒントをいかすようにしています。墓石のデザインには、車や家電製品を参考にし、工事には建築の要素を取り入れたり、ホテルやレストラン、サービス企業のよい部分を積極的に取り入れたり。異業種の一流と呼ばれる企業には、見習うべきところがたくさんあります」。
#chapter3
お墓ディレクター1級の資格を持つ能島さん。その知識は、仏教や神道など、宗教的な知識からお墓の歴史や石に関すること、工事に関することなど、多岐にわたります。
「異業種から業界に入り、文字通り猛勉強しましたが、主に人間の内面的な部分について勉強できたことが大きかったように思います。時代の変化によって、形が変わってきているとはいえ、墓参の本来の意味、先祖への感謝と近況報告といったことは今後も大切にしていきたいし、先祖や家族を大切に思うお客様の気持ちに寄り添えるような仕事ができるのは、本当にありがたいことです。今、生活スタイルが非定住化してきて、祀り方の形態も変わってきていますが、結局は気持ちが大事なんだと思いますね」。
核家族化・少子化が進み、一人っ子同士の結婚や長男長女での結婚などで、誰がお墓を継ぐか、建てるか、という問題にも変化がみられるそうです。
「ご主人が、分家であるご両親のお墓を建て、一人っ子の奥様もまたそのご両親のお墓を立てなければならないので、どうすればいいですか、というご相談もあります。そういう場合、ご両家納得の上であれば、双方のご両親とご主人、奥様が一緒に入れるようなお墓でもいいのでは、とご提案しています。○○家と刻まず、『和』『愛』と刻んでいるお墓はそういったお墓が多いですね」。逆に、子どもたちに迷惑をかけたくない、と生前に自分たちでお墓を建てる方も増えているとか。
「形はさまざまですが、墓参して掃除をすると気持ちがスッキリしますよね。家族や親族揃って墓参できるのは、絆が深い証拠ともいえます。そういう方々に信頼され、選ばれるようなお店づくりをしていければ、というのが私の目標です」と穏やかに語る能島さん。お話からうかがえる猛烈な仕事ぶりとはうらはらな、優しい表情が印象的でした。
(取材年月:2009年6月)
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Profile
お墓のプロ
能島孝志プロ
1級お墓ディレクター
株式会社第一石材
「お墓はどこで建てても同じ!値段もたいして変わらないだろう?」なんて思っていませんか?建ててからでは手遅れです。一般消費者には分かりにくい、お墓の悩みを「1級お墓ディレクター」の能島孝志がズバリ解決!
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