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“姫路愛”あふれるプロフェッショナルのチームをまとめ、地域の課題解決を目指す

地域資源を活用し各分野の仲間とともに姫路の未来をつくるプロ

松尾礼

松尾礼 まつおあや
松尾礼 まつおあや

#chapter1

SDGsの理念のもとプロフェッショナルが力を合わせて地域を盛り上げる

 「ヒト、モノ、コトをつなぎ、豊かなまちを創造したいですね」と話すのは、「Social Eight」の代表理事・松尾礼さん。青少年教育、IT活用、ジェンダー平等、スポーツ・観光振興など、SDGs(持続可能な開発目標)と地域課題を結びつけた“8”の目的を掲げます。

 姫路・播磨エリアの企業・団体・個人を中心に構成され、会員の多くが本業と並行しています。松尾さんも大手生命保険会社に勤務。子どもの金融教育の一環として「ライフシミュレーションゲーム Frontier World」の開発を担当し、文部科学省から表彰された実績も持ちます。

 「代表的な事業の一つが、地域に根差しながら世界に羽ばたく“グローカル人材”を育てるプログラム『SDGs Himeji 城育(しろいく)』です。小・中学生と家族を対象に、SDGsの学び、ロボット農業・水光栽培、金融教育、情操教育、プログラミング、英語、テニス、生け花、新聞づくりなど13の講座と市長座談会などを用意しています」

 各分野のプロフェッショナルである会員が講師を担当。松尾さんのほか、大学院でロボット工学を研究した農園経営者、英語講師、生け花師範などがそろいます。

 「誰一人取り残さないというSDGsの理念のもと、自ら考え行動できる力を育む未来教育を目指しています。リアルとオンラインのハイブリッド授業で、コロナ禍などの影響で家庭学習が中心になっているお子さまにもご参加いただいています。保護者の方から『幅広い体験をさせてもらえて子どもが喜んでいました』『これからもぜひ続けて』といったお言葉をいただくと、やって良かったと思いますね」

#chapter2

専業主婦から大手生保会社のマネージャーに。離れて感じた故郷への感謝と愛情

 龍野・出石城主に連なる家系の小出家に生まれ、姫路ふるさと大使を担うなど、生まれ育った姫路を愛してやまない松尾さん。しかし、現在のような形で地域に携わるとは想像していなかったとか。

 というのも松尾さんは20代で結婚後、約10年間家事・子育て・介護に奮闘する専業主婦でした。夫の転勤にともなう上京が転機となります。
 「東京では主婦も当然のように働いている。私も再挑戦してみたくなりました」
 
 姫路在住時にパート勤めをしていた生命保険会社の支社で仕事を再開。パートタイマー、契約社員を経て4年後に内勤の正社員に。事務構造改革担当時に全社内コンペで受賞後、メガバンクへ出向し銀行窓販の行員指導を担当。グループ会社に戻ると営業部門で活躍する一方、女性活躍推進や地域社会貢献プロジェクトのリーダーなどキャリアを積み、入社から最短でマネージャーに昇格します。

 故郷への思いが輪郭を表し始めたのは、会社が副業制度を導入する方針を聞いた時です。多くの人と協働・共創しながら地域貢献できる道を模索した結果、地元の仲間に声をかけ一般社団法人を設立。2021年4月、副業解禁と同時に会社に申請書を提出し、姫路を拠点に会社員と法人理事を両立する日々が始まりました。

 「38歳で正社員になり年齢の壁を感じたこともありますが、経験値でカバーできた場面もたくさんあります。独身時代の学習塾勤務やPTA役員、子育て、介護。姫路での経験が、今の私を支える基礎になっているので、少しでも恩返しできたらと願っています」

松尾礼 まつおあや

#chapter3

姫路からSDGsの取り組みを発信中。今後は女性活躍推進に向け組織づくりにも尽力

 2021年に内閣府から「SDGs未来都市」に選定された姫路市。取り組みを発信するため、松尾さんらは「Life is journey ~共に育むいのちのハーモニー~」を毎年開催。30以上の事業者が参画し、基調講演、市長対談、スタンプラリー、ワークショップとイベントが盛りだくさんです。官民学連携で運営しスタッフには高校生や大学生もいます。

 「学生時代のチャレンジが、新たな自分を発見するきっかけになればうれしいです。また会員の中には90歳の方もいらっしゃり、若々しくてとても元気。企画を通じ、生き方のヒントややりがいを見つけたり、仲間作りができればいいですね。主役は参加してくれるみなさんですので、一人一人が活躍できる機会を作るよう心掛けています」

 今後は、子育て支援・IT・観光・スポーツなど8分野それぞれにリーダーを育成し、組織づくりに注力したいとか。
 「一度、離れて気づいたことですが、城を中心に長い歴史を持つ土地柄もあるのか、姫路は控えめな女性が多い印象。伝統には良い面も多いのでそこは大事にしつつ、新たに女性が前に出る機会も増やしたいです」と松尾さん。女性活躍には特に期待を寄せます。

 「私自身、本業でも代表理事としても固定された上下関係は苦手で、仲間とみんなで作り上げることを意識してきました。“姫の路(みち)”と書いて姫路ですから、女性ならではの視点や気配りを生かした“お母さん”的なリーダー像もいいんじゃないでしょうか」

(取材年月:2023年7月)

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専門家プロフィール

松尾礼

地域資源を活用し各分野の仲間とともに姫路の未来をつくるプロ

松尾礼プロ

一般社団法人代表理事

一般社団法人 Social Eight

多世代、異業種が交流するイベントや教育プログラム等を実施。IT活用、青少年への教育、スポーツ・観光振興など各分野の“姫路愛”あふれるプロフェッショナルがチームを組み、地域の課題解決を目指します。

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