ラジオ放送開始100年なのに
皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。
前回は過疎地のボロ家の納屋を改造して実験室を作ったお話でしたが、その続きです。
パネルディスカッションを聞いて
先月、様々な講演などを行う、ちょっとしたイベントに行きました。中身はテクノロジー関係のみならず、金融関係など、様々でした。その中で『地方創生』と称するパネルディスカッションがありました。
『今や地方創生を牽引する!?4人のトップランナーが語る』が触れ込みでした。
中身は…かなりありふれたものでした。業種は第1次産業がほとんどで、それ以外となると、せいぜい宿泊業ぐらいでした。
想定外は興味なし
ただ、私は講演を聞くと講演者には敬意も込めて、必ずご挨拶をして名刺交換もすることにしております。
司会者も含めて4人全員と話をしました。現在過疎地で事業をしていることや、前回のコラムで申し上げたように、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のエメット・ブラウンのようなこともできる、そんな話もしました。
ところが、全員、『興味なし!』で全く耳を傾けることはありませんでした。中には明らかに生返事をしている人もいました。
確かに、やっている自営業、資金難の結果、過疎地で起業した結果です。故に地方をどうにかしたいとか、そんな意図はありませんでした。なので、完全なる門外漢と映ったのかもしれません。それより、おそらくトップランナーと称する人たちには弊社は全くの想定外の業種だったのでしょう。それにしても『創生』を謳っている割には、好奇心の無さには驚かされました。
地獄の沙汰も…
なぜでしょうか?
良く考えました、これまでも『地方創生』を唱える人はいましたが、圧倒的にマネー系の人が多かったように思います。よくよく考えれば、名刺交換で並んでいた時に、前の方でマネー系の専門用語が次から次へと飛び出し、やたら話が長く、盛り上がっていた場面がありました。講演者もマネー系だということが良くわかりました。
更に、あの座談会の冒頭でした。司会者は聴衆に向かって、『大企業の人はいるか?』と尋ねていました。そして大企業人が多数いることに司会者は安堵した様子でした。この様子を見た瞬間、私には地方創生と大企業が結び付きませんでした。
しかしながら、結局、その『大企業云々』が、あの座談会の唯一の目的だったのです。
『大企業さん。地方創生といふビジネスに投資をして一緒に儲けませんか!?』が趣旨で、それ以外の聴取は対象外だったのです。
しかも、私が弱小超零細企業だったことが、思わぬところで、トップランナーと称する人たちは本性を露にさせたようです。実は同じようなこと、しがない自営業をやっていると、時々遭遇することで、面白いほどです。そして、これこそが要注意なのです。意外かもしれませんが、実は大企業の方々、『相手によって態度を変える』ことが大嫌いな人たちが、かなりの割合でいて、時には致命的なことになったりします。
(忙しい!って本当なの?そんなにアピールすべきことなの?)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5169930/
創生ではない?
結局のところ、トップランナーと称する人たちがやろうとしていることは、『創生』ではなく、単に古の日本の風景を『再現』しようとしているだけではないか?日本語の使い方を間違っていたのではないか?と思います。
しからば、その『地方再現』に参加するということは、どういうことが待ち受けているのでしょうか?実は大変な覚悟が要るのです。それは既存住民からの物凄い干渉と先輩風に耐えねばならないからです。農作物を作るにも、いろいろイチャモンの嵐で、秋には昔ながらの獅子舞駆り出されたり、褌姿で神輿を担がされる地域すらあります。そうやって、古を再現することに多大なエネルギーを必要とされるのです。そしてどんどんエスカレートして行きます。
弊社の周辺地域にも、過去には都会から移住して来たものの、先輩風に吹き飛ばされて消えて行った人たちが何人もいるそうです。そして、消えてから既に10年以上も経っているのに、今なお、その人たちを『よそ者』として蔑む声も聞こえて来ます。パネルディスカッションはそんな世界へのお誘いでもありました。
そして、上記のように、座談会の目的は大企業から投資を呼び込み、大企業を儲けさせるためだけのものでした。とすれば、実際に参加する移住者や既存住民などは所詮駒に過ぎす、摩擦が起こって人間関係がどうなろうと、どうでも良いのでしょう。講演者たちは表向き『過疎地を元気にして日本全体を幸せにする』とか、『人と人とのふれあい』『思いやりの精神』などを連想させる言葉を次々と発していましたが、今思えば全て虚しいものに過ぎなかったということでしょう。
これが創生なのかも?
そんな中、幸か不幸か、営んでいる自営業は既存住民も理解できない業種です。別世界と言えましょう。それ故、既存住民は干渉もできないし、先輩風も吹かすことができません。その結果、静かな環境で映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のエメット・ブラウンのようなことができるようになるのです。言い換えれば、先輩風さえ吹かなければ、意外とやりやすいのです。



