封建的社会に新自由主義を持ち込んだところで…

辻村豊

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テーマ:研究開発のヒント

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

非正規雇用のはしり?

既に申し上げておりますように、大学院を修了して最初に就いた職が大学内にある研究施設の非常勤研究員でした。いわゆる非正規雇用で、そのはしりだったようです。
その後、至る所でアカデミックポジションが非正規になりました。
『こんな不安定な身分で研究なんぞやっていられない!』と悲鳴が上がるのはもっともなことで、ずっと何とかならないものか?とは思っております。

現代の秘境?

ただ、研究者を苦しめているのはそれだけではないように思います。
この国のアカデミックな世界が未だに封建的な社会という点です。
わかりやすいところでは、学会誌に若手の自己紹介文が載っていることがあります。
その多くが、かつての指導教官か現在の上司の教授サマとかの『ヨイショ記事』で埋め尽くされているので良くわかります。正直、真面目に読む気にはならないものばかりです。
また、アカデミックの世界では指導教官や上司のことを、やたら『ボス』と呼ぶ習慣があります。ちなみに私はこの『ボス』という言葉が大嫌いです。動物園の猿山でもあるまいし…

あるいは、学会の懇親会でもよくわかります。准教授サマあたりが同じように『ヨイショ話』をして、教授サマが自慢話を延々としているうちにビールの泡がすっかりなくなってしまう…よくあることです。
こんなことを申し上げると『今は大講座制というものがあって…』と呑気なことを言う教授サマもいたりしますが、ちょいと小細工したところで根本は何も変わっていないと思います。
てなことで、アカデミックな世界は昭和の香りどころか、未だに明治維新前の状態、極めてて小さな小さな封建社会であり、正に現代の秘境と言えましょう。

同居できるのでしょうか?

てなころで、アカデミックといふ封建的、前近代的な社会に新自由主義を持ち込もうとしたころで、大混乱になるのは当然のことです。とても同居できるとは思えません。
封建的社会を継続して伝統を重んじるのか?時代の最先端?を行き、グローバル化とかを進めるのか?はたまたどちらもやめて新たな方向で行くのか?真剣に考える必要があるのではなかろうか?と思います。

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辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

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