耐震補強対策・技術について
皆様方、お世話になっております。播羊化学研究所の辻村でございます。
日々雑感を綴っております。
播羊化学研究所はSPring-8の麓に…
弊社、播羊化学研究所は巨大な研究施設、SPring-8の麓にあります。
この施設を利用しようと、全国から多くの先生方が泊りがけで来られると聞いております。
私も、かつては工業試験場や大学に行って、装置を借りて測定したことが何度もございました。ただ、何かといつもとは勝手が違うため、四苦八苦することはよくありました。
工業試験場ですら、そんなことですから、SPring-8となると、おそらく随分前から予約をして「ここ一番の勝負!」といった具合なのだろうと思います。
SPring-8にはサンプルを準備する施設があるそうです。しかしながら、関係者の方に聞くと、いわゆる箱があるだけで、サポートしてくれるスタッフはいないそうです。そうなりますと、何もかもを自力でやることになり、「時間との闘い」なのだろうと想像しておりました。たとい弊社の、実にしがない実験室であっても、何かできるのではないか?サンプルの準備ができれば、そのまま先生を現地へお送りして、後片付けはこちらでやる、そんな仕事はできないか?と思うようになりました。
「やってみないとわからない」は後回し
ところが、現実はそう簡単な話ではないことがわかって来ました。
まず、あの施設を利用するには、審査に通らなければならないそうです。
どうやら、既にわかっていること、シナリオ通りに事が進む内容の方が審査に通り易いみたいです。
言い換えれば、「やってみないとわからない」といった類のテーマはことごとく落選するようです。例えば、あの施設に出入りしている人から、首都圏のとある大学に仮説が証明されれば、世界的発見につながる研究をしている助教の先生がおられるそうですが、「結果がどうなるか?わからない」ということで、なかなかSPring-8を利用できない、そんな話も聞いております。
そんなこともあってでしょうか?どうしても常連さんのセンセイ方の利用が多く、研究施設というより、確認施設、あるいは検査施設といった役割の方が多いみたいです。
令和の大名行列!
更に、SPring-8を利用するには高いハードルがあるそうです。
上記のように、サンプルを準備する箱はあっても、人はいないので、人を連れて行くことになります。ただ、施設内は放射線管理区域内なので、特別な講習と特別な健康診断を受けなければならないそうです。
もし学生さんを連れて行くとすれば、全員にその特別な講習と健康診断を受けさせた上に、旅費と宿泊費も準備することになります。もし、必要なマンパワーが準備できない場合は、隣にある大学の学生さんをレンタルするそうです。いずれにしても、経済的に余裕があって、名前も売れているセンセイ方に都合が良くできている、との声も聞こえて来ます。
そして、それは一つのステータスでもあるようです。
学会とかでSPring-8を利用しているセンセイ方の講演を聞いていると、「毎年行っている」、「今回で〇〇回目」とか「学生を〇〇人連れて行った」という発言がよく出て来ます。それはそれで、それなりの理由があったということです。
そう、学生さんを引き連れて、ゾロゾロ練り歩く、正に『令和の大名行列』といったところでしょうか?
一つ思い出す話があります。
子供のころ、非常に良く診てくれる内科の先生にかかっておりました。
その先生は開業する前にとある大学病院で研究員をやっていたそうです。
何もかもを一人でやっていたそうで、病院内を歩いていると、時々同級生が数十人の弟子や看護師を引き連れて練り歩いているところに遭遇することがあったそうです。そんな時、「おう、元気か?」とか言われたりしたそうですが、それはそれは「非常に惨めなものだった」そうです。
たとい少数派であっても、必ずや…
てなことで、弊社がお手伝いできそうな先生方はどうしても少数派となりそうです。
しかしながら、そういう先生方に対してこそ、お手伝いしたいところです。
ポイントとしては、
(1) 曲がりなりにも研究の仕事に携わって来たので、「研究者のお気持ちを、ほんの僅かでも汲み取り、少しでも寄り添うことができれば」と思います。
(2) 時間を気にせず、思う存分準備をしていただければと思います。あるいは、こちらでできることであれば、代行も検討します。
(3) 弊社は放射線管理区域外なので、特別な講習も健康診断も必要ありません。とある先生は「あのような放射線が飛び交うような施設に学生さん、特に女子学生さんを送り込むことには躊躇してしまう」語っていました。
(4) とにかく、柔軟に「その場その時で、最高の絵を描く」ことを目指します。
そんなこんなですが、もし「SPring-8を利用したいけど、サポートが欲しい」という方がおられれば、いつでもお声かけしていただければ幸いに存じます。