暮らしの困り事に応える便利屋業のプロ芳賀建支

暮らしの困り事に応える便利屋業のプロ

芳賀建支

部屋の片づけや不用品の処分代行、生前整理・遺品整理などさまざまなサービスを展開

　北海道札幌市にある便利屋「ゆみ屋オールサポート」では、ハウスクリーニングや不用品の処分代行、生前整理・遺品整理など、さまざまな事業を展開しています。「暮らしの中で困ったことがあれば、ちょっとしたことでも遠慮なくお任せください」と話すのは、代表の芳賀建支さん。日々寄せられる声に応えるべく、市内外を駆け回ります。

　特に多いのが、荷物であふれかえった部屋や空き家、賃貸物件などの片付けです。「いずれも、手際の良さが求められます。10年以上にわたり、数々の案件を請け負ってきた経験から、『効率的で無駄のない動き』を意識しています」

　例えばゴミ屋敷化している状態であれば、どんな手順が適しているのか、綿密にシミュレーションしてから取り掛かります。「事前に対策を練ることが重要です。水あかや油ジミなど、汚れの種類や程度に合わせて洗剤を使い分けることで、素早く、きれいに落とすことができます」

　1人だと難しい時は、スタッフと一緒に客先へ。現場では、内装や家財を傷つけないように細心の注意を払いながら業務を進めます。再利用できるものはリサイクルし、いらないものは連携する専門業者が自治体のルールにのっとって回収。必要に応じて、害虫駆除や壁紙の張り替えなども行います。

　「『自分ではどうしようもない。なんとかしてほしい』というお客さまの中には、毎日の暮らしに精いっぱいで、心身ともに弱ってしまっている方もいらっしゃいます。最初は悲痛な面持ちだった方がきれいになった部屋を見て、明るい笑顔を見せてくれた時はほっとしますね」

思い出の遺品を小物にリメイクするなど、真心のこもったサービスが好評

　最近は、遠方にいる子ども世代から「親が残した実家を整理してほしい」といったニーズが増えているそうです。芳賀さんは故人や遺族の心情に寄り添うため、あらかじめ「残しておいてほしいもの」「探したいもの」などを聞き、一つ一つ丁寧に仕分けます。

　また、遺品の着物やネクタイなどを使って、ぬいぐるみや小物入れ、巾着などを制作するサービスも手掛けています。

　「思い入れがあって捨てられないけど、保管するには場所をとる。そんな課題があることから、希望するお客さまには別途料金をいただき、リメイクしています。仕立ては縫製業を営む妻が担当しているので、細かなリクエストも受け付けています」

　どんなことでも、できる限り力になりたいと考えている芳賀さん。つい先日、「天井の方から物音がするから見てもらいたい」と一報があり駆けつけたところ、屋根裏の柱の間に子猫が挟まり、動けなくなっていたそうです。そこで、家主の許可を得て柱を切り、無事に子猫を救出。ほかにも、庭の草刈りや家具の組み立て、冬場には除雪や屋根の雪下ろしなどを手がけ、7年間で1000件以上を請け負ってきました。

　近年は、一人暮らしの高齢者からの問い合わせも珍しくないと言います。「コロナ禍で外に出掛けたり、子や孫に会ったりする機会が減り、何かあっても、周りに相談できない方も少なくありません。2回、3回と繰り返しご用命いただくと、頼りにしていただいていることをありがたく感じるとともに、身が引き締まります」

たくさんの人に信頼され、必要とされる会社にしていきたい

　何事にも誠実に取り組み、信頼を得てきた芳賀さん。多種多様な要望を受けるにあたって、時には対応に悩むケースもあるそうです。しかし、そうした場合も入念に下調べして準備し、間違いのない作業を心がけています。

　「剪定ひとつをとっても、木の種類や季節によって、対処の方法が変わってきます。樹木の健康を損なわないよう、切った後には切り口に薬を塗るなどのケアも欠かせません。幸いなことに、私の周りにはいろんな分野の専門家がいるので、わからないことがあれば詳しい人に聞き、アドバイスをもらっています」

　依頼主の不安をやわらげるため、料金は必ず事前に提示し、納得してもらうことを第一に考えるほか、自宅に訪問する際には、身だしなみや言葉遣いに十分に配慮。気持ちのいい接客を大切にしています。

　「私が現職のキャリアをスタートさせたのは、2011年ごろ。業界大手に入社したことがきっかけです。便利屋の仕事は幅が広く、常に新しい経験ができるところが自分に合っていました」

　ノウハウを身に付け、2014年に独立。自身の会社を立ち上げ、コツコツと実績を重ねる中で、単身世帯や高齢者の増加によって、便利屋を利用する人が年々増えていることを実感しているそうです。

　「今後は従業員を雇用し、より多くの依頼に応えられるよう、会社を成長させていくことが目標です。たくさんの人に必要とされる存在になるため、これからも努力していきます」

（取材年月：2022年5月）

まちと人に寄り添う便利屋として、暮らしの中の困り事に対応

部屋の片づけや不用品の処分代行、生前整理・遺品整理などさまざまなサービスを展開

思い出の遺品を小物にリメイクするなど、真心のこもったサービスが好評

たくさんの人に信頼され、必要とされる会社にしていきたい

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