生産設備を「止めない」。電気・制御エンジニアリングのプロ
柴野渉
Mybestpro Interview
生産設備を「止めない」。電気・制御エンジニアリングのプロ
柴野渉
#chapter1
「私たちが提供したいのは、単に電気工事を完成させることではありません。お客さまの設備が安定して動き続ける状態をつくることです」
そう話すのは、北海道帯広市に本社を置く「柴野エンジニアリング」の代表取締役・柴野渉さん。同社は、高圧で受電した電気を変圧・保護・配電するキュービクルなどの受変電設備をはじめ、工場内の動力設備、制御盤、PLC・制御ソフトウエア、計装機器、遠隔監視システムまで、生産設備を支える電気・制御分野を幅広く手掛けています。設計、製作、施工、試運転から、その後のメンテナンスまで一貫して対応できることが特徴です。
「設備は、電気工事、制御、計装、ソフトウエアなどが組み合わさって動いています。トラブルが発生したときも、一部分だけを見るのではなく、設備全体を見ながら原因を探し、解決方法を考えることが重要です」
札幌、東京にも拠点を展開し、食品工場を中心とした製造業やプラントメーカー、機械メーカーなどの設備を支援。遠隔監視システムの構築や、電気・制御設備の点検、保守、電気保安にも力を入れています。
故障後に対応する「事後保全」に加え、異常の兆候や老朽化を把握し、計画的に対策を講じる「予防保全」を重視。設備の状態や更新時期を整理し、顧客が数年先を見据えて設備投資を判断できる環境づくりを進めています。
#chapter2
同社の原点は、柴野さんの祖父が1946年に創業した「柴野電工社」です。2代目である父の時代には、電気工事に加え、設備設計や制御盤製作へと事業を拡大。2023年には、3代目となる柴野さんが代表に就任しました。
柴野さん自身も、入社後は電気工事の現場を経験し、その後、設計や施工管理など幅広い業務に携わってきました。
「設備の一部が故障しただけでも、生産ライン全体が止まることがあります。古い設備では、メーカーが製造を終了していて、交換部品そのものが手に入らないケースもあります」
こうした課題に対する強みが、既存設備の構成や仕組みを読み解く技術です。図面や仕様書が残っていない場合でも、現地で配線や回路、機器の動作を確認し、構成や制御内容を把握。既存設備をできるだけ生かしながら、代替機器の選定や制御盤の改修、更新方法を検討します。
実際に、製造が終了した制御装置を使用する施設から相談を受け、既存設備を調査した上で改修・更新を行った事例もあるといいます。約80年にわたり、さまざまなメーカーの機器や設備に向き合ってきた経験が、現在の技術力につながっています。
#chapter3
近年、国内の生産設備でも海外メーカー製のPLCや制御機器が増えています。同社では、国内メーカーだけでなく海外製品への対応力も高め、設備やメーカーを問わず、顧客の課題に適した方法を提案できる体制づくりを進めています。
さらに、工場で培ってきた電気・制御・監視技術を、農業をはじめとするさまざまな分野に応用することも視野に入れています。例えば農業施設では、温度や湿度をセンサーで計測し、その情報をもとに換気設備や暖房設備を自動制御することで、省力化や安定した生産につなげられるといいます。
製造現場でも、熟練者が経験や感覚で判断してきた作業を、センサーやデータを用いて数値化することで、技術の継承や品質の安定化につながる可能性があります。
「人口減少や人手不足が進む中、これからは人が設備に合わせるのではなく、設備やシステムによって人を支えることが、さらに重要になります」
電気を供給する設備から、生産設備を動かす制御、状態を把握する監視、安定稼働を支える保守・保安まで。柴野エンジニアリングは、約80年にわたり培ってきた技術に磨きをかけながら、「止まらない生産現場」を支えるインフラ企業を目指しています。
(取材年月:2026年9月)
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生産設備を「止めない」。電気・制御エンジニアリングのプロ
柴野渉プロ
電気・制御エンジニア
柴野エンジニアリング株式会社
電気設備の設計・施工から制御盤製作、制御ソフトウエアの開発、遠隔監視システムの構築、メンテナンスまで一貫して対応。現場の課題を捉え、必要な技術を組み合わせた提案で、生産設備の安定稼働を支えます。
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