暮らしに調和する家具デザインとインテリア提案のプロ
酒井辰也
Mybestpro Interview
暮らしに調和する家具デザインとインテリア提案のプロ
酒井辰也
#chapter1
自然素材ならではの個性や優しい風合いを生かし、時と共に美しさが増す家具で心地よい暮らしを提案するのは、札幌市の「ARCHIBLEU(アルシーブル)」代表の酒井辰也さん。オリジナルやオーダーメイドの家具を手掛けています。
「新築やリフォームの際に、テレビボードやカウンター、キッチン、戸棚、洗面台などの造作家具、ダイニングセットやソファといった置き家具をトータルでプランニングしています。現状の住まいでご不便を感じている点や、ナチュラル、スタイリッシュなどお好みのテイスト、家族構成もお伺いし、利便性と意匠性を両立します」
ハウスメーカーや工務店を中心に、個人からのオファーにも対応。図面や施工例をもとに打ち合わせを重ね、必要に応じて自宅を訪問し、生活動線や収納量も確認します。
「キッチンなら、フライパンや鍋、調味料をどのくらい持っているかまでヒアリングします。収納は、見えなくても物の居場所を把握できる方もいれば、物が見えていた方が使いやすい方もいるので、一人一人の性格や使い勝手も考慮した上でデザインします」
固定の造作家具にするか、移動できる置き家具にするかも将来の暮らしを踏まえて判断。設備と収納の役割が重ならないかなども確認しながら設計します。素材選びではサンプルを見せて特性などを伝え、3DやCGも使いながら完成形を丁寧にすり合わせます。
「何もかもオーダーにすればいいとは思っていません。こだわりたい場所には予算をかけ、既製品で十分なところはうまく取り入れる。適材適所で、ストレスなく暮らせる空間をお届けしたいですね」
#chapter2
酒井さんは2007年に札幌デザイナー学院のプロダクトデザイン学科を卒業し、家具の製作会社へ入社。デザインをはじめ、現場管理や販売業務に従事します。
「20年近くオーダー家具に携わってきたので、『ないなら諦める』という発想がないんです。望むものがなければ作ればいい。どうすればお客さまのご希望をかなえることができるのかを考えるのがベースになっています」
試行錯誤を通じて知見を蓄え、ハウスメーカーや大工職人などから、造作家具の納まりや強度について助言を求められることもあります。既製品がスペースに収まらない場合も、寸法や構造を検討しながら解決策を探ります。
家具のデザインや設計は酒井さんが担当し、製作は道内の協力工場へ依頼。納品や取り付けの際は自ら現場へ足を運び、配置を整えます。引き渡し後も修理やサイズ変更に応じ、末永く愛用できるようサポートしています。
「すべてを木で仕上げるとぼやけてしまうこともあるので、テーブルやイスの脚をアイアンにしたり、天板をセラミックや大理石にしたり、メリハリをつけるとともに、熱や傷に強いといった実用性も意識しています。シンプルで機能的なデザインとバランスの取れた素材の使い方は、自分の得意分野だと自負しています」
長く経験を積む中で、「自分のやりたいことを形にしたい」という思いが強まり、2025年3月に独立してショップを開業。家具だけでなく、アートやアパレルも含めた暮らしの提案へと活動の幅を広げています。
#chapter3
家具や空間づくりを通して、北海道の魅力を伝えるのも酒井さんのテーマ。中でも注目しているのが、北海道産の白樺(シラカバ)です。明るくやわらかな色合いと滑らかな質感が特徴で、木部はカップや器のような食器に、樹皮はカゴ・バスケットといった工芸品に用いられ、自身もテーブルやミラーなどのインテリアに活用。使い込むほどにあめ色に変化し、経年美化を楽しめるそう。
「北海道には質の良い素材があり、作り手もたくさんいます。道内の作家さんとも一緒に仕事をしながら北海道らしい品を発信し、地元の人に使ってもらいたいと考えています」
店内には、自らが選び抜いた絵画、雑貨、衣服をそろえ、支笏火山の大噴火による火砕流が冷え固まった札幌軟石や和紙をあしらった作品も展開。商品を置く位置や照明のしつらえも工夫し、ショールームのような雰囲気です。
「家具と合わせて雑貨やアートや服も細やかに演出することで、レイアウトといった空間の使い方や、お気に入りのアイテムの見せ方を具体的にイメージしてもらえたらと思っています。店全体でコーディネートのヒントを打ち出し、参考にしていただけたら幸いです」
酒井さんは、オフィスやエントランスなどのプロデュースにも注力。働きやすい環境や、企業のコンセプトを伝える上質な空間を創出したいと言います。
「理想は、昔ながらの街の電気屋さんのように、困ったときに気兼ねなく相談できる存在です。見学がてら、気軽に立ち寄っていただけたらうれしいですね」
(取材年月:2026年9月)
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Profile
暮らしに調和する家具デザインとインテリア提案のプロ
酒井辰也プロ
家具・インテリアデザイナー
合同会社ARCHIBLEU
好みのインテリアや家族構成、生活動線、収納量などを丁寧に聞き取り、造作家具と置き家具を一体でプランニング。既製品も適材適所に組み合わせ、使いやすさと統一感を両立した空間づくりを提案します。
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