住む人が笑顔で暮らせる家づくりを提案する建築のプロ
中島正晴
Mybestpro Interview
住む人が笑顔で暮らせる家づくりを提案する建築のプロ
中島正晴
#chapter1
和室の床の間に壺(つぼ)が置かれ、水琴窟(すいきんくつ)の音を優雅に鑑賞できる家。ダイニングテーブルのそばには飾り棚、居間収納の引き戸には額縁式の装飾スペースが設けられ、思い出の品や季節の室礼(しつらい)を楽しむことのできる家。ペットのネコちゃんが安心してひなたぼっこをしたり、遊んだりできる庭のある家。
インテリアコーディネーターとカラーコーディネーターの資格も持つ一級建築士・中島正晴さんの設計には、どこかに日々の暮らしを楽しむ仕掛けが取り入れられています。仕掛けのヒントは、建築主の方との対話を通じて、自然と浮かんでくる生活の情景から。趣味の時間を過ごしている、食卓を囲んで家族や友人たちがおしゃべりをしている、ペットとのんびり過ごしている……。建築主の方、あるいはその方の家族にとっての生活の楽しみは何なのか。そして、そこに何をプラスしたら、もっと笑顔になってもらえるのだろうか、より豊かな生活を送ってもらえるのだろうか。住まう人の心に寄り添った時、仕掛けのアイデアがひらめきます。
31歳の時に有限会社 中島建築設計事務所を立ち上げ、主に個人住宅の新築・増改築を手掛けている中島さん。「小規模のリフォームでも、できるだけその人その人の生活の楽しみを生かしたい」と話します。例えば水回りの改修工事を頼まれた場合、普通ならば単純に設備工事として処理しますが、「どうせ手をかけるのなら、予算内で水回りを囲う壁に何か仕掛けを……」と考えるのが中島さんの仕事の流儀です。
#chapter2
中島さんが、仕掛けと同様にこだわっているのが採光。小学校から大学まで暮らした家は、光のことをあまり考えずに増築を重ねたせいで、居間や食堂に太陽の光が差さない家に。増築の度に家全体がどんどん薄暗くなっていったといいます。
両親、兄弟、祖父母の6人家族で明るい家庭ながら、とにかく家の中が暗い。日当たりの悪い家に帰るのが、憂欝(うつ)になったこともあるとのこと。そういう住環境で育った影響で、ずっと「太陽の光がいっぱいに差す明るい家」に対するあこがれがあり、大学の建築科に通う頃から「明るい家を設計したい」という思いを持ち続けるようになったそうです。
「明るい家イコール大きな窓」と考えがちですが、窓の面積に頼らずに光を取り入れることも可能。防犯上、大きな窓を取りたくないという要望に応じて、縦長の細い窓を数カ所に設け、効率的な採光を行った施工例もあります。現在の事務所は、自宅があった土地に建てられた自社ビルで、中島さんの設計。自然光に恵まれた明るいオフィスには、かつての暗い家の面影は全くありません。
#chapter3
建築士について意外と知られていないのが、「工事監理」の仕事。工事が設計通りの材料や方法で実施されているかどうかをチェックする業務で、個人住宅の新築ならば、完成までに10回以上足を運ぶのが普通です。中島さんは設計プランのOKが出ると、複数の工務店から見積もりを取って、ユーザーに提示。工事が始まると自分自身で徹底的に工事監理を行います。明るく誠実な人柄と、個人事務所ならではの顔が見える対応は信頼感抜群。個人住宅の小さなリフォームから受けているので、気軽にご相談を。
設計仲間と作った「住監協ネット」というグループの活動や、北海道建築士事務所協会からの紹介で、建築不具合の相談にも対応してきた中島さん。住宅の調査も、得意分野の一つです。耐震補強リフォームについても経験豊富。現在は、1981年の新耐震設計法とその後の改正が基準になっていますが、それ以前に建てられた住宅の多くが、その基準の50%以下のレベル。リフォームをする時には、常に耐震補強のことを頭に入れているそうです。
「明るい家、家族が仲良く楽しんで暮らせる家を心がけるとともに、だれでも気軽に通える地域の町医者のような建築家になりたいですね」と中島さんは、穏やかな笑顔で言葉を結びました。
(取材年月:2012年12月)
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Profile
住む人が笑顔で暮らせる家づくりを提案する建築のプロ
中島正晴プロ
一級建築士
有限会社 中島建築設計事務所
住む人が生活を楽しめる家づくりを重視。インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの資格も持ち、遊び心のある仕掛けを取り入れた感性豊かな設計を提案。住宅調査や耐震補強リフォームも得意としている。
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