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ITと宇宙ビジネス、子育て支援の「ネウボラ」で北海道の未来を創造

企業のDX化から宇宙ビジネスまでサポートするプロ

五嶋耀祥

五嶋耀祥 ごしまひな
五嶋耀祥 ごしまひな

#chapter1

連携とコミュニケーションを大切にしたコンサルティングで、DX化を後押し

 「私が重要視しているのは“連携”と“コミュニケーション”。発展的な対話でアイデアを引き出し、お客さまと力を合わせて創造的な未来をつくっていきます」
 
 そう話すのは、札幌市の「ハッピー・ファム」代表の五嶋耀祥さん。ITコンサルタントとして、ホームページ作成やSNS運用についてアドバイス。さらに、「DX(デジタルトランスフォーメーション)化が思うように進まない」と悩む地元・北海道の企業経営者に寄り添い、改革を後押しします。

 「仕事の効率や業績アップに向けて、業務分析やマーケティングを行い、実務に必要なハードウエアやシステム構築などに一貫して対応します。データの改ざんを防止するブロックチェーンの知見もありますので、データベースの管理環境も整えます」

 企業の規模や業種を問わず幅広くサポートし、宇宙関連ビジネスのコンサルティングへの展開も目指す五嶋さん。
 高専在学中には半導体研究、卒業後は社内SE(システムエンジニア)を経験したことからITテクノロジーに詳しいのが強み。経営者層と現場の間で新たな業務を創造・改善するSEとしての勤務で培った傾聴力や提案力で、クライアントの話をしっかり聞き、分かりやすく説明することを心掛けているそうです。

 「システムでも、対話を通じて仕様を定義するアジャイル開発が主流になり、精神医療でも患者や家族らと対話を重ねるオープンダイアローグが世界的に注目されています。さまざまな分野において、言葉を交わし意思疎通することが求められていますから、皆さまのお声に耳を傾け、事業の成長をお手伝いしていきたいですね」

#chapter2

伴走支援による経営改善や、衛星データ活用の仕組みづくりにもまい進

 「北海道にはDX化に着手できていない企業が多い」と語る五嶋さん。それぞれが抱える問題や要望に合わせ、対策を講じてきました。

 「道内に6拠点ある企業の顧客データベースや、サーバーを十数台使うような緊急通報システムなどの開発に携わってきました。また、ある福祉施設では、ワープロを使って作業していましたので、インターネット上で情報を共有できるクラウドサーバーによる社内ネットワークを整備し、利便性を高めました」

 クライアントの中には長期にわたって伴走し、DX化や経営改善を請け負う例も。
 「あるメーカーさまからは、『10年計画でわが社の面倒を見てほしい』との依頼があり、製造原価を下げるため生産フローを見直すほか、工程などを工夫することで管理アプリの改修費用を抑えることができました。今後は原価管理から一貫した棚卸しのシステムを築きたいですね」

 近年、北海道で盛り上がっているのが航空宇宙産業。広大な土地に研究施設や事業所が立地し、ノウハウの集約に向けた動きも盛んです。

 「子育て支援やDXの仕事を通じて、地域の広範な地理情報を活用すると仕事が効率的に進むことに気づき、それが衛星データの利用に興味を持ったことのきっかけでした」と話す五嶋さん。

 五嶋さんはプロジェクトを立ち上げ、仲間の外国籍企業経営者女性や宇宙航空研究開発機構(JAXA)職員と3人でJAXAや道内外航空宇宙産業との連携を進めるとともに、人工衛星のデータを活用する組織づくり、コンソーシアムにも参画しています。

 「宇宙関連事業は技術的な研究が進んでいる一方、いかにして収益を上げるかということについてはそれほど考えられていません。誰もが衛星データに触れ、二次利用できるようなプラットフォームを作りたいと考えています」

五嶋耀祥 ごしまひな

#chapter3

切れ目ない支援を行う「ネウボラ」と出会い、NPOを設立して普及活動に尽力

 社会課題の解決を目指す、社会起業家の顔も持つ五嶋さん。苫小牧工業高等専門学校で学んだことが、現在の取り組みの源になっていると言います。
 「当時は声優か漫画家になりたかったのですが、先生の勧めで入学しました。微分・積分や統計、物理など、専門性の高い勉強をこなしたことで、忍耐力や物事を達成する力が付きましたね」

 子どもたちの思考力や発想力を養うため、プログラミング教室を主宰するなど多方面で活動。2016年にNPO法人「北海道ネウボラ」を創設し、子どもの虐待を防ぐ「オレンジリボン運動」や、男性の育児休暇取得を推進してきました。
 「ネウボラとは、妊娠中から就学前まで切れ目なくワンストップで子育てを支援するフィンランドの制度です。親子が恩恵を受けるだけではなく、福祉や教育現場が協働するなど地域コミュニティーの活性化にもつながります」

 2019年にハッピー・ファムを設立。家族を支えるネウボラの理念は事業にも生かされ、札幌市の町内会連携事業の一環として、子どもや高齢者を見守るサポーターの養成講座を開催。過疎化が進む中、地域に貢献できる人材を育てています。

 五嶋さんは、NPOの名誉顧問に就任した今も、子育て・ファミリーの支援に関するシンポジウムや女性のキャリアに関する講演で全国を飛び回る日々が続いています。
 「ネウボラやオープンダイアローグの考え方を多くの人に広めると同時に、女性活躍やデジタル人材の育成にも力を入れていきたい」と意欲を見せます。

(取材年月:2024年1月)

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五嶋耀祥

企業のDX化から宇宙ビジネスまでサポートするプロ

五嶋耀祥プロ

企業支援

ハッピー・ファム合同会社

ITの戦略立案から構築まで一貫して行い、長期にわたる伴走型支援で経営効率の改善をサポート。人工衛星データの活用などの宇宙ビジネス、「ネウボラ」をベースとしたファミリー支援など多方面に活躍します。

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