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COVID-19 後遺症について
みなさんこんにちは。
広島県で開業している山根クリニック院長山根基です。
主に内科や外科の一般診療を日々行っていますが、昨今は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で発熱外来の患者さんが非常に多くなりました。
同時にCOVID-19感染後の後遺症に悩まれている患者さんも複数おられます。
咳が続いている、けだるさが取れない、髪の毛が抜ける…などの症状をもっている方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はCOVID-19後遺症についてまとめました。
- COVID-19後遺症
- 後遺症を発症し易い人は?
- どんな症状が出るのか?
- 後遺症の治療とワクチン接種
COVID-19後遺症
COVID-19は2019年末から爆発的に感染が広がり、現在は多くの国に影響を与えています。
COVID-19が治癒した後も、味覚障害や嗅覚障害を訴える方が一定数いることから、COVID-19後遺症について注目が集まっていました。
現在、感染者数は4月27日で5億人を超えています(WHO発表)。
莫大な数の感染者数がいる中で味覚障害以外の後遺症も多く報告されるようになってきています。
複数の論文や研究をもとにどういう人が後遺症を発症し易いのか、その期間はどれくらいか、どのような症状が出現するのか、などをまとめてみました。
COVID-19後遺症の定義については詳細に定められたものは現時点ではありません。感染後4週以上継続する症状と定義する論文もあるようです。
後遺症を発症し易い人
結論から言うと一定の答えはありません。
報告によって異なる結果を出しているところもあります。いくつか参考になる報告をピックアップしてみました。
和歌山県から報告されているデータでは46%(163人中75人)に何らかの症状があったとされてます。
上のグラフからは有症状の割合が女性でやや高い(50%)ことがわかります。
年代別にみたグラフでは、各年代有症状者がおり、年齢にはあまり関係せず感染後後遺症が出現する可能性が示されています。
また海外から報告された論文では後遺症のリスク因子として4つの因子が挙げられています。
高齢
女性
肥満
発症から7日以内の症状の数が5以上
この論文では13.3%(4182人中558人)に感染後4週経過しても何らかの症状があったことが報告されています。
和歌山県の報告と異なり高齢になればなるほど、後遺症が出現し易くなることが報告されています。(18-49歳の9.9%から70歳以上の21.9%に上昇)
性差では、男性(9.5%)に比べ女性(14.9%)に多く後遺症を発症したが、高齢者群では差が認めらなかったことも報告されました。
またCOVID-19感染1週間以内の時点で5個以上の症状があった人は、そうでない人と比べ3.5倍程度で後遺症が発現し易いことも報告しています(OR=3.53 [2.76;4.50])。
このようにまとまった見解はまだありませんが、
後遺症は若い人にも発症するリスクがあり、COVID-19感染時の症状が強いほど後遺症が発症し易くなるようです。
どんな症状か
和歌山県のレポート再度引用させて頂きました。
最も多いのが嗅覚障害、次いで倦怠感、味覚障害、呼吸困難感と続いています。
海外から報告された論文では、最も多い症状が疲労(97.7%)と頭痛(91.2%)であり、次いで倦怠感、下気道症状、頭痛が続きました。それ以外に心臓症状(動悸、頻脈)(6.1%)、集中力・記憶力の低下(0.5%)、集中力や記憶力の問題(4.1%)、耳鳴りや耳の痛み(3.6%)、末梢神経障害症状(2%)といった症状も挙げられています。
また国立国際医療研究センターでのコロナ後遺症に関する疫学調査では、脱毛を24%に認めたという報告もあります。脱毛はCOVID-19発症から遅れて出現することが多く、COVID-19発症から平均58.6日で出現し、持続期間は平均76.4日という結果でした。
後遺症の治療とワクチンの有効性
現時点で後遺症に対する一定の治療法は見つかっていません。
主な治療は対症療法となり、治療期間も長くなる傾向があります。
それではコロナワクチンを接種した場合後遺症はどうなるのでしょうか。
ある報告では、ワクチン接種によって疲労感や脱毛などの後遺症が発症しにくくなるとされています。またワクチン接種で後遺症につながるリスクを減らす可能性があることもあわせて報告されています。
とは言え、一番の後遺症予防はCOVID-19にならないことです。
常日頃から感染予防を続けていきましょう!
当院では、COVID-19の診断治療だけでなく、後遺症の治療も行っております。
気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください!