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檜和田知之プロは中国新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

会社の借金で眠れない…9割が知らない個人保証の外し方

テーマ:トピック








社長、今夜は眠れていますか?

会社の借入金についた、ご自身の「個人保証」。万が一のことがあれば、家族や自分の全財産を失いかねない…。その重圧は、経験した者でなければ分からない、本当に孤独な戦いだと思います。

こんにちは。ワイズビズサポートナビの檜和田知之です。私は27年間、広島の中小企業で経理部長として、多くの社長のそんな眠れない夜に寄り添ってきました。

「このプレッシャーから、いつか解放される日は来るんだろうか…」

ええ、来ます。その個人保証、実は「ある条件」をクリアすれば外せる可能性があることをご存知でしたか?

この記事では、小手先のテクニックではありません。金融機関から「この会社なら、社長個人の保証がなくても大丈夫だ」と心から信頼され、**個人保証という重荷を堂々と下ろすための、本質的な方法**を解説します。

【結論】社長の個人保証は外せます。ただし、必要なのは「金融機


まず結論からお伝えします。国も「経営者保証に関するガイドライン」 を定め、安易に個人保証を求めない流れを推奨しています。つまり、社長の個人保証は外せるのです。

しかし、そのためには「外してください」とお願いするだけでは不十分。金融機関から「この会社は大丈夫だ」と太鼓判を押してもらえるような、強い財務体質への「体質改善」が不可欠なのです。

なぜ金融機関は、いまだに社長の個人保証を求めるのか?



「国のガイドラインがあるのに、なぜ銀行は保証を外してくれないんだ?」そう思いますよね。

私が経理部長として数々の銀行と交渉してきた経験から言うと、銀行が社長の個人保証を求めるのには、大きく3つの「不安」があるからです。

1. 「会社の財布と社長の財布が一緒」に見える不安(公私混同)
社長個人へのお金の貸し借り(役員貸付金)があったり、プライベートな支出が経費になっていたりしませんか? 銀行は、会社と個人の資産が明確に分離されていない状態を非常に嫌います。

2. 「会社の健康状態がよく分からない」不安(どんぶり勘定)
最新の試算表が出てくるのが遅い。資金繰りの見通しを聞いても、明確な数字で答えられない。「利益は出とるはずなんじゃが…」では、銀行は安心してお金を貸せません。

3. 「将来、本当に返済できるか分からない」不安(成長戦略の欠如)
今の業績が良くても、3年後、5年後に会社がどうなっているのか、具体的な計画やビジョンが見えないと、「将来性」に賭けることができないのです。

つまり、個人保証とは、これら銀行の「不安」を、社長個人が「人質」となってカバーしている状態だと言えます。

個人保証を外すための「3つの鉄則」


では、どうすれば銀行の「不安」を「安心」に変えられるのか。
国の「経営者保証ガイドライン」の要点を、中小企業がすぐに実践できる「3つの鉄則」にまとめてみました。

鉄則1:公私混同の徹底分離 ― 「社長個人の財布」と「会社の金庫」を完全に分ける
これは大前提です。まずは、役員貸付金・借入金を解消する計画を立てることから始めましょう。そして、会社の経費と個人の支出は、1円たりとも混ぜない。この規律ある姿勢が、信頼の第一歩です。

鉄則2:財務基盤の強化 ― 「どんぶり勘定」から脱却し、利益を出せる筋肉質な体質を作る
私がいつも経営者の方にお伝えするのは、「最低でも**3ヶ月先までの資金繰り予測表**を作りましょう」ということです。これがあれば、いつ資金が不足しそうか事前に分かり、先手を打てます。羅針盤も海図もない航海から、未来を見通せる航海へと変わるのです。

鉄則3:積極的な情報開示 ― 銀行を「審査する側」から「共に走るパートナー」に変える
多くの社長は、銀行から「資料を出してください」と言われてから、しぶしぶ提出します。これを逆転させましょう。こちらから毎月、試算表や資金繰り表を持って行き、「今月はこうでした。来月はこうなる見込みです」と報告するのです。
業績が良い時も悪い時も、正直に報告し続けることで、銀行との間に少しずつ信頼関係が生まれます。それはもう「審査する側とされる側」ではなく、会社の未来を一緒に考える「パートナー」の関係です。

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もし、広島の食品加工会社の2代目社長が本気でを外そうとしたら



※この事例は、読者の皆様の理解を深めるために、これまでの経験を基に作成したフィクションです。

広島で佃煮の製造卸を行う「タナカフーズ」の田中社長(45歳)。先代から引き継いだ会社の業績は安定していましたが、近年の原材料高騰で資金繰りは常に自転車操業でした。「利益は出とるはずなのに、なんで金が残らんのじゃ…」。月末が近づくたびに眠れない夜を過ごし、会社の借入金についている自身の個人保証が、重くのしかかっていました。

ある日、思い切って私のような外部の専門家に相談した田中社長は、まず「3つの鉄則」に取り組むことにしました。

最初に作ったのは「3ヶ月先までの資金繰り予測表」。すると、長年の取引先からの入金サイクルが、仕入れの支払いサイクルより異常に長いことが一目瞭然になりました。「原因はこれか…!」

次に、その資金繰り表と月次試算表を持って、毎月メインバンクに通い続けました。最初は訝しげだった担当者も、田中社長の誠実な報告と、数字に基づいた経営改善への意欲に、次第に態度が変わっていきます。「社長、こんな補助金が出ましたよ」と、向こうから情報をくれるようにさえなりました。

そして1年後。新工場設立のための設備投資で、追加融資を申し込んだ時のことです。支店長からこう言われました。

「田中社長、この1年、素晴らしい経営努力で財務が非常にクリアになりました。当行としても、タナカフーズさんの将来性を高く評価しています。今回の融資は、個人保証なしで進めましょう」

その言葉を聞いた瞬間、田中社長の肩から、10年以上も彼を苦しめてきた重荷が、スッと消えていくのを感じました。その夜、何年ぶりかに、朝まで一度も起きずに熟睡できたそうです。

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もう一人で悩まないでください。行動だけが、未来を変えます。



社長、個人保証を外す道は、決して簡単ではありません。しかし、この記事で解説した「3つの鉄則」を愚直に実行すれば、道は必ず開けます。

1. 会社と個人のお金を完全に分ける
2. 資金繰りを「見える化」し、利益体質を作る
3. 銀行に自ら情報を開示し、パートナー関係を築く

これらを社長一人の力で進めるのは、本当に大変なことです。日々の業務に追われる中で、正確な資料を作り、銀行と対等に交渉するのは至難の業でしょう。

社長がやるべき本来の仕事は、経理作業や資金繰りの心配ではありません。会社の未来を創ることです。

面倒な資料作成や銀行との交渉は、私たちのような数字と現場に強い専門家に任せてください。

眠れない夜を、会社の希望ある未来を構索する時間に、一緒に変えていきませんか。

個人保証でお悩みの経営者様へ。当社の『もう一人の経理部長プラン』なら、そのお悩みを解決できます。まずはHPをご覧ください。

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檜和田知之
専門家

檜和田知之(デジタル経営アドバイザー)

ワイズビズサポートナビ

税理士の数字言語と経営者の現場言語を翻訳し、IT苦手でも安心の伴走型サポート。経理業務を63%削減し本業集中の時間を創出。広島・呉の中小企業に特化した実践的な経営改善を実現します。

檜和田知之プロは中国新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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