コンサル料金高すぎ…広島の社長が見つけた解決策
月末の資金繰りで眠れない夜
「また今月も綱渡りか...」
パソコンの画面に映る預金残高を見ながら、私はため息をついた。売上は年商2億8000万円。外から見れば順調な製造業の会社。でも実際は、月末の支払いができるかどうか、毎月ヒヤヒヤしていた。
広島で金属加工業を営んで15年。従業員は25名。みんな家族のような存在だ。でも、このままでは彼らの生活を守れない。そんな不安が日に日に大きくなっていた。
「社長、大丈夫ですか？」
経理担当の山田さんが心配そうに声をかけてくれた。彼女も薄々気づいているのだろう。うちの会社が危険な状態にあることを。
転機は意外な質問から
そんな時、取引先の社長から経営改善コンサルティングの話を聞いた。正直、コンサルなんて大企業のものだと思っていた。でも「まずは話だけでも」と勧められ、半信半疑で会ってみることにした。
「社長、失礼ですが、キャッシュフロー計算書は作っていますか？」
初対面のコンサルタント・田中さんの最初の質問に、私は言葉を失った。
「売上と利益は毎月チェックしていますが...」
「なるほど。では、在庫はどのくらいありますか？売掛金の回収サイクルは？」
次々と投げかけられる質問に、私はほとんど答えられなかった。15年も経営していて、こんな基本的なことも把握していなかったのか。
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目からウロコの改善策
田中さんと一緒に会社の数字を徹底的に分析した結果、驚くべき事実が判明した。
まず在庫。「これは在庫じゃなくて、単なる不良資産ですね」と田中さんは倉庫の片隅に積まれた材料を指差した。確かに、3年以上動いていない在庫が800万円分もあった。
次に取引条件。仕入れは現金で即日払い、売上の回収は60日後。この差が資金繰りを圧迫していた。
「これを改善するだけで、月300万円のキャッシュが生まれますよ」
半信半疑だったが、実際にやってみると本当だった。不要在庫を処分し、主要取引先と支払いサイクルの交渉を行った。最初は「今まで通りで」と渋られたが、誠意を持って説明すると、意外にも理解してもらえた。
さらに、利益率の低い製品の生産を縮小し、付加価値の高い製品に注力。これだけで営業利益率が5％から8％に改善した。
3ヶ月後の朝
コンサルティングを始めて3ヶ月後の朝。いつものように資金繰り表を開いた。でも、この日は違った。
「あれ？来月の支払い、全然余裕じゃないか」
初めて、資金繰りに追われない朝を迎えた。その年の冬、3年ぶりにボーナスを支給できた。山田さんが涙ぐんでいたのを今でも覚えている。
経営改善は、やはり一人では難しい。客観的な視点と専門知識を持つプロの存在は、想像以上に大きかった。今では新しい設備投資の計画も立てられるようになった。
もし今、資金繰りで悩んでいる経営者の方がいたら、一度プロに相談してみることをお勧めしたい。私のように、思わぬ突破口が見つかるかもしれない。
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