従来型経営モデルを超えて:広島発、中小企業の新たな挑戦
目次
はじめに:2代目経営者として立ちはだかる「板挟みの壁」

皆さん、こんにちは。ワイズビズサポートナビの檜和田知之です。
広島の街を歩くと、今でも父に連れられて訪れた活気ある工場地帯の記憶がよみがえります。あの頃は町工場の機械音が響き、職人たちの真剣な眼差しに憧れたものでした。そんな私が27年間、経理の現場で様々な中小企業の数字と向き合ってきた中で、特に心に残るのは「2代目社長」の皆さんの悩みです。
「父の代からの伝統を守りたい。でも、時代の変化にも対応しないと...」
「従業員を守る責任がある。でも、このままでは先細りになってしまう...」
このような板挟み状態、私はこれまでに何度も目の当たりにしてきました。特に広島・呉の製造業では、この悩みを抱える方が多いのではないでしょうか。
今日は、そんな2代目経営者の皆さんに、私自身の経験と広島の地で学んだ知恵を元に、意思決定を強化する5つのポイントをお伝えします。決して「こうすべき」という押し付けではなく、同じ目線で一緒に考えるヒントになれば嬉しいです。
ポイント1:「数字」と「現場」の架け橋を作る
私がこれまで多くの経営者様と接してきて気づいたことがあります。それは、経営判断で迷う原因の多くが「数字」と「現場」の断絶にあるということです。
例えば、ある広島の金属加工会社の社長さんは、毎月税理士から届く試算表を見ても「これが自分の工場の現実なのか」と実感が湧かなかったそうです。確かに、数字だけを見ても、それが現場のどの部分を表しているのか理解するのは難しいですよね。
私が提案したのは、まず「月次報告書」を現場の言葉に翻訳することでした。例えば「材料費が前月比15%増」という数字を「A製品の歩留まりが悪化している可能性がある」という現場で行動できる情報に変えるのです。
具体的には、以下の3つのステップをお勧めしています:
1. 日々の現場データ(生産数、不良率など)と財務数字を紐づける仕組みを作る
2. 毎月の数字を「なぜそうなったか」現場リーダーと一緒に振り返る時間を持つ
3. 次月の「行動計画」を数字目標に変換して共有する
この「翻訳作業」を続けるうちに、数字が語る意味が自然と理解できるようになり、より自信を持った意思決定ができるようになるのです。私自身、広島の中小企業の経理として働いていた時、この方法で社長の意思決定速度が格段に上がるのを目の当たりにしました。
ポイント2:小さな一歩から始める変革の技術
「大きな変革が必要だとわかっていても、失敗したらどうしよう...」
この不安、よくわかります。私が大阪の貿易会社でAI導入を担当した時も同じ不安がありました。そこで効果的だったのが「スモールステップ戦略」です。
例えば、ある呉市の製造業では、全社的なDX推進に二の足を踏んでいました。そこで提案したのは、まず「請求書の電子化」という小さな一歩からスタートすることでした。何でもいいので、効果がすぐに見えやすい部分から始めるのです。
導入1ヶ月で「請求書を探し回る時間がなくなった」という小さな成功体験が生まれました。この成功が自信となり、次は「在庫管理の電子化」へと進むことができたのです。
私は常々思うのですが、広島の経営者の皆さんは真面目で責任感が強い方が多い。だからこそ、「間違った決断をしたらどうしよう」という不安も強くなりがちです。でも、小さな一歩なら、たとえ間違っても軌道修正は容易です。
私のクライアントには「3ヶ月ルール」をお勧めしています。新しい取り組みを始める際は、3ヶ月という期限と、明確な評価基準を決めておくのです。こうすることで、心理的な安全性が生まれ、一歩を踏み出しやすくなります。
ポイント3:「父親の時代」と「今」をつなぐ意思決定法
よく2代目社長から「父は反対するんです」という言葉を聞きます。先代の経営者は、自分の時代の成功体験に基づいて判断するのは当然のこと。でも、時代は確実に変わっています。
広島市内のある鉄工所では、先代社長と現社長の考え方の違いが社内に緊張感を生んでいました。そこで私が提案したのは「過去と未来のブリッジ会議」。先代が大切にしてきた価値観や原則を書き出し、それを今の時代にどう適用するかを議論する場です。
例えば「品質にこだわる」という先代の哲学は、現代では「デジタル技術を使った品質管理の徹底」として進化させる。この「翻訳作業」で、先代の知恵を否定せず活かしながら、新しい取り組みを進められるのです。
私自身、今まで7社の会社を見てきた経験から、「伝統と革新」の両立の難しさを知っています。しかし、その両方を尊重する姿勢こそが、周囲の信頼を得る鍵だと確信しています。広島の地では特に、歴史を重んじる風土がありますから、この「翻訳」のプロセスが非常に重要なのです。
ポイント4:従業員の心をつかむ巻き込み型アプローチ
「ベテラン社員たちがついてきてくれるだろうか...」
この不安は、特に製造業の2代目社長から多く聞かれます。私が大切にしているのは「巻き込み型」の意思決定プロセスです。
呉市のある機械メーカーでは、新システム導入に対して現場の反発が予想されました。そこで実施したのが「改善提案コンテスト」。現場社員自身から「こうすれば効率が上がる」というアイデアを募り、その中から実現可能なものを経営側が選ぶ形にしたのです。
驚いたことに、最初は反対していたベテラン社員から「自分たちの知恵が活かされる」と前向きな反応が返ってきました。彼らの経験を尊重する姿勢が、変革への抵抗感を和らげたのです。
私がいつも心がけているのは「決定プロセスに参加した人は責任も持つ」という原則です。意思決定に関わった人は、その結果に対してもコミットメントが生まれます。特に広島の製造業は、職人気質の方が多いので、その誇りを尊重した巻き込み方が効果的だと実感しています。
ポイント5:広島の地域性を活かした経営判断術
広島・呉という地域には、独自の強みがあります。歴史ある製造業の集積地であり、「匠の技」を誇る企業が多いこの地域では、単なる効率化や原価削減だけでは先細りになってしまうでしょう。
私が関わった広島市内のある鋳物工場では、「地元の強みを活かす」という視点で経営判断を見直しました。具体的には、地域内の企業間ネットワークを活用し、単独では受けられなかった大型案件を共同で受注する体制を構築したのです。
また、呉の造船技術の伝統を活かし、特殊な金属加工技術を観光資源として活用する取り組みも始まっています。「工場見学ツアー」は、新たな収益源となるだけでなく、従業員の誇りも高めています。
私は呉で生まれ育ち、かつての賑わいを知っています。この地域を再び活気づけるには、広島・呉ならではの文化や歴史、技術を活かした独自性のある経営判断が必要です。他地域の成功事例をそのまま持ってくるのではなく、この地に根付いた判断をすることが、長期的な成功につながると確信しています。
まとめ:伴走者としてのワイズビズサポートナビ
2代目経営者の皆さんが日々向き合っている「伝統と革新の両立」。これは決して対立するものではなく、むしろ組み合わせることで大きな力を生み出すものだと私は信じています。
私がワイズビズサポートナビを立ち上げた理由は、広島・呉の製造業をはじめとする中小企業の皆さんが、この「両立」に悩む姿を見てきたからです。27年間の経理実務経験と、デジタル技術を組み合わせることで、皆さんの経営判断をサポートしたいと考えています。
私たちが提供するのは「上から目線」のアドバイスではなく、同じ視点で一緒に考え、歩む「伴走型」のサポート。数字を「現場の言葉」に翻訳し、小さな一歩から始める変革を支え、地域の特性を活かした独自の経営判断をお手伝いします。
もし今、経営判断で悩まれているなら、ぜひお気軽にご相談ください。30分の無料相談では、貴社の状況をお伺いした上で、具体的な改善策をご提案いたします。
伝統を守りながら新たな道を切り拓く。その挑戦を、私たちは全力でサポートします。
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