Mybestpro Members

檜和田知之プロは中国新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

利益率改善への新しい視点 ~数字から見える経営改革のヒント

テーマ:経営

利益率14%の会社と8%の会社。表面の数字以外に決定的な違いがありました。それは、社長の時間の使い方です。

なぜ、利益率は社長の時間で決まるのか



高収益企業の社長は、驚くほど「定型的な報告」を受けていません。その代わりに、以下の3つの時間の使い方が特徴的です:

* 「この数字、おかしいな」と感じた時の分析時間
* 「今までと違う」取引先との商談時間
* 「うまくいかない」を語る社員との対話時間

常識との決別が収益を生む



多くの経営者は「材料費が上がるから値上げ」と考えます。しかし、実は逆です。

* 値上げを決断した経営者の8割が、想定以上の利益を確保できています
* その理由は「値上げ=取引の見直し」という隠れた効果
* 実は、この「見直し」こそが本質的な改善のきっかけとなっています

「できない」と言える社員が会社を変える



面白いことに、「できません」と報告する社員がいる会社の方が、収益改善のスピードが速い傾向にあります。

* 「できる」と即答する社員は、実は現状維持の番人
* 「できない」理由を語れる社員は、変化の可能性を見ている
* この「できない」を議論する時間が、実は最も価値のある経営判断の時間

意外な数字が語る真実



「忙しい時期」を作らない会社の方が、年間の利益率が高いというデータがあります。

* 繁忙期の売上増は、実は利益を圧迫
* 「閑散期」こそ、本質的な改善の機会
* 年間平準化に成功した会社は、平均で利益率が2.3ポイント向上

##

来期に向けた具体的なアクション



1. 毎月の定例報告は30分以内に制限する
2. 「できない」理由を語る会議を月1回設定する
3. 取引先別の限界利益率を再計算する

この3つから始めることで、経営判断の質が変わり始めます。

数字は嘘をつきません。ただし、その読み方を変えることで、全く新しい経営の視点が見えてきます。この視点の転換が、次の一手を決める重要な判断基準となるのです。

##

「当たり前」を疑う勇気が利益を生む



昨今の原材料高で、多くの経営者が「値上げ」に躊躇しています。しかし、実はこれは絶好の機会かもしれません。

取引先を減らすと利益が上がるメカニズム



一般的には「取引先は多い方が良い」と考えがちです。しかし、データは異なる事実を示しています:

* 取引先を20%削減した企業の75%で、利益率が向上
* 特に、下位2割の取引先との取引停止で、管理コストが平均35%減少
* 営業担当者の時間の質が向上し、重要顧客への提案が3倍に

「忙しい時期」を作らない経営の真髄



多くの企業が「繁忙期」を当然のものとして受け入れています。しかし:

* 繁忙期の売上増は、実は限界利益率を20%以上低下させている
* 「人手が足りない」は、実は商機を逃している証拠
* 年間平準化に成功した企業は、投資効率が1.5倍に向上

数字に隠された「成長の種」



経営者が見落としがちな、しかし重要な指標があります:

1. 従業員一人当たりの商談時間
* 実は「商談時間が短い」方が成約率が高い
* 長時間商談は、実は準備不足のサイン

2. クレーム対応の所要時間
* 対応時間の長い案件ほど、実は新規案件の可能性を秘めている
* クレーム対応こそ、商品開発のヒントの宝庫

3. 見積もり修正回数
* 修正回数の多い案件は、実は利益率が高い傾向
* 「手間がかかる」は、実は「価値がある」のサイン

利益を生む「新しい物差し」



従来の常識を疑い、新しい視点で経営を見直す。その際の重要な判断基準をご提案します:

1. 時間の投資効率
* 会議時間÷具体的なアクション数
* 報告時間÷経営判断の数
* 商談時間÷成約率の相関

2. 組織の成長指標
* 「できない理由」を語れる社員の増加率
* 取引先からの逆提案数の推移
* 社員発案の業務改善件数

次の一手を決める「3つの新基準」



#

1. 「比較の罠」から抜け出す



多くの経営者が「同業他社と比較」することに時間を使います。しかし、本当に必要な比較は:

* 「去年の自社」と「今の自社」
* 「成長している部門」と「停滞している部門」
* 「辞めない社員」と「辞める社員」の仕事内容

見えてくる意外な事実



* 売上が下がっている部門の方が、実は利益率が改善していることがある
* 残業の多い部門より、定時で帰る部門の方が顧客満足度が高い
* クレームの多い営業担当の方が、実はリピート率が高い

##

2. 「投資の順番」を変える



設備投資・システム投資の判断基準として、意外なポイントがあります:

###

最初に投資すべきは「時間を創出する分野」



* 「今すぐ必要」な設備よりも、「5年後に必要」な設備
* 「売上が上がる」システムよりも、「ミスが減る」システム
* 「新規開拓」よりも、「既存客の深耕」

投資判断の新しい物差し



* 「売上増加額」ではなく「経営者の空き時間創出量」
* 「コスト削減額」ではなく「社員の判断機会の増加数」
* 「生産性向上率」ではなく「顧客との会話時間の増加量」

3. 「変化の兆し」を読み取る新指標


一般的な経営指標とは異なる、変化の予兆を捉える指標があります:

社内の変化を示す指標



* 昼休みに雑談する社員の増加率
* 「前例がない」という言葉の減少率
* 部門を超えた相談頻度の変化

###

市場の変化を示す指標



* 既存顧客からの問い合わせ内容の変化
* クレームの質の変化(単純ミス ⇒ 新しい要望)
* 商談時の質問内容の変化

まとめ:明日からできる「3つの行動」



1. 朝一番の30分を「数字を見る時間」から「現場を歩く時間」に
2. 月次会議の議題を「実績報告」から「課題の本質探求」に
3. 商談の評価基準を「成約率」から「会話の質」に

この3つの変化から、新しい経営の視点が見えてきます。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

檜和田知之
専門家

檜和田知之(デジタル経営アドバイザー)

ワイズビズサポートナビ

27年間の経理・財務の実務経験で、経営者の視点に立って業務効率化を支援。クラウド会計やAIツールの導入支援で、コスト削減から収益改善までワンストップでサポートします。

檜和田知之プロは中国新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

デジタルツールを活用して経営改善を導くプロ

檜和田知之プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼