後継者不在の中小企業の75%が廃業なのに?DXで切り拓く事業承継の新常識
]■はじめに
はじめまして。呉市でデジタル経営アドバイザーを務めております檜和田と申します。
大手食品メーカーを始めの27年にわたる経理・財務の実務経験と、ERPシステム導入による業務改革プロジェクトの経験や業務改善の活かし、現在は広島・呉市の中小企業様のデジタル化支援に携わっています。
休日は愛犬のデカチワワとダックスフンドの散歩が日課です。どんどん寂れていく生まれ育ったこの街を歩きながら、「デジタルの力でもっと元気にしたい」そんな想いを胸に、地域の企業様のお手伝いをさせていただいています。このコラムでは、地元企業の経営者の皆様に、すぐに実践できる具体的な経営改善のヒントをお届けしていきたいと思います。
■2024年を振り返って
さて、2024年もあとわずかとなりました。今年は特に、ChatGPTをはじめとするAIツールの登場により、ビジネス環境が大きく変化した一年でした。本日は、PEST分析の枠組みを使って、この1年を振り返りながら、来年に向けた展望をお伝えしたいと思います。
2024年のビジネス環境分析
【政治的要因(Political)】
▼ 法改正と規制強化の波
- 個人情報保護法改正(2024年4月施行)でデータ管理体制の強化が必須に
- インボイス制度の本格運用で、経理業務の見直しを迫られる企業が続出
- 働き方改革関連法の中小企業への猶予期間終了で、早急な対応が必要
▼ 中小企業支援策
- IT導入補助金の継続と要件緩和
- 事業再構築補助金による業態転換支援
- デジタル化促進支援の拡充
【経済的要因(Economic)】
▼ インフレと金利環境
- 世界的なインフレ圧力による原材料費の高騰
- 日銀の金融政策修正による資金調達コストの上昇懸念
- 円安基調による輸入コスト増加
▼ 地域経済の実態
- 広島県の企業倒産件数が前年比増加(中国地方上半期倒産件数前年同期比38.4%増加、ほとんどが広島県)
- 人件費の上昇圧力が中小企業の収益を圧迫
- 原材料高騰による価格転嫁の課題
【社会的要因(Social)】
▼ 深刻化する人材不足
- 呉市の生産年齢人口は約53.7%と深刻な状況に直面
- 地域の中小企業における技術継承の課題が顕在化
- 特に製造業やIT分野での人材確保が困難に
- 多様な働き方の導入が企業の競争力に直結
- 業務効率化による生産性向上の必要性
- 人材確保のための職場環境整備が急務
【技術的要因(Technological)】
- ChatGPT登場から2年、日本の利用率はアメリカの4分の1(日本:20.4% vs アメリカ:80%以上)
- クラウド会計の普及率:日本の中小企業14~20% vs アメリカ50%以上
■ デジタル格差の現状と対策
【日米のデジタル格差要因】
経営者の意識の違い
- 米国:デジタル化を競争力の源泉と認識
- 日本:コストセンターとしての認識が依然強い
投資への姿勢
- [箇条書き]米国:積極的な先行投資
- 日本:確実な効果が見えるまで様子見の傾向
人材育成の違い
- 米国:デジタルスキル教育を企業の責務と認識
- 日本:個人の自己啓発に依存する傾向
■ 2025年に向けた展望
【直面する課題と機会】
▼ 大阪・関西万博の影響
- デジタル技術の社会実装が加速
- 新たなビジネスモデルの台頭
- 地方企業のDX対応の必要性増大
▼ AI活用による格差拡大の懸念
- デジタル技術の社会実装が加速
- 新たなビジネスモデルの台頭
- 地方企業のDX対応の必要性増大
早期導入企業と未対応企業の生産性格差が顕在化
カスタマーサービスの質の差が売上に直結
人材採用における優位性の二極化
■ 経営者が今すぐ始めるべき対策
【具体的アクションプラン】
デジタル化の現状診断
- 自社の業務プロセスの可視化
- 非効率な業務の洗い出し
- 優先度の高い課題の特定
段階的な導入計画の策定
小さな成功体験を積み重ねる
- 投資対効果を重視した選択
- 従業員の受容度に配慮
- 従業員の受容度に配慮
[小見出し]人材育成の取り組み
- 社内勉強会の定期開催
- 外部研修の活用
- デジタル推進担当の育成
■ おわりに
広島・呉市の中小企業を取り巻く環境は、確かに厳しさを増しています。しかし、デジタル技術の適切な活用は、この逆風を追い風に変える可能性を秘めています。
特に重要なのは、「待ち」の姿勢から「攻め」の姿勢への転換です。
たとえ小さな一歩からでも、デジタル化への取り組みを始めることが、企業の未来を左右する重要な決断となるでしょう。
私たちワイズビズサポートナビは、地域の中小企業の皆様のデジタル化支援を通じて、この街の活性化に貢献していきたいと考えています。まずは気軽にご相談ください。
共に、デジタル時代の新たな可能性を探っていきましょう。
■ 参考情報
最後に、中小企業経営者の皆様に役立つ年末年始の振り返りに活用できるウェブサイトをご紹介します。
「【経営者必見】長期・中期・短期をつなげる、年末年始の振り返りフレームワーク」
実践的な経営計画立案の手法が詳しく解説されています
URL: note.com/dandantimemanage/n/na31892e50c10
「経営課題の抽出や解決に役立つフレームワーク10選」
様々な分析手法を用いた課題解決のアプローチを紹介
URL: financenavi.jp/basic-knowledge/management_issues_framework/
これらのサイトは無料で閲覧可能です。ぜひ年末年始の経営計画策定にお役立てください。