一次相続で安心しすぎると 起きてしまう落とし穴とは
生前贈与の最大の特徴は、相続と異なり「生きている間に財産を渡せる」という点です。これにより、相続税の負担を軽減する効果が期待できます。
ただし、贈与時には贈与税が課税されるため、特に不動産のような高額資産を贈与する場合には、制度の理解が欠かせません。たとえば、不動産の評価額計算には、建物の固定資産税評価額や、土地の路線価方式や倍率方式が用いられます。
不動産の生前贈与には、次のようなメリットがあります。不動産を引き継いでほしい人に確実に譲り渡すことで、相続時のトラブルを防止することができます。
また、不動産は保有する財産のなかで大きな割合を占めることが多く、相続税対策として非常に効果的です。特に、贈与した財産は贈与時の評価額で税金が計算されるため、将来価値が上昇する可能性のある物件を贈与することで、相続財産に加算される場合でも税額を抑えることができます。
さらに、賃貸マンションやアパートなどの収益物件を所有している場合、贈与すれば賃料収入は受贈者が得ることになるため、相続財産の増加を抑制できます。
一方、デメリットには次のようなものがあります。まず、贈与税の税率は高いため、高額な贈与税が発生する可能性があります。
また、登録免許税についても、相続の場合よりも贈与の場合のほうが税率が高いこと、相続では課税されない不動産取得税の負担もあります。さらに、暦年贈与の場合、相続開始前一定期間以内の贈与は、相続財産に加算され相続税の課税対象とされています。



