「客のことは十分わかっている」という思い込みからどう抜け出すか?
私は大手広告代理店傘下のコピーライター時代の20年間で、中四国の経営者、アスリート、芸術家など約1000人を取材しました。
取材してみて分かったのは、存在感を出している企業は「経営者の話が例外なく面白い」ということ。
これまでの経歴(たいていラクな道のりではない)、今のままではまずい変わらねばと思ったきっかけ、
商品やサービスを生み出すまでのスッタモンダ、販路開拓時のエピソード、これからのビジョンなど
まるで一編の小説かドラマのようにセンセーショナルなのです。
かといって、そのようなストーリーを語るすべての経営者が声や滑舌がいいわけでもない。
ただ「相手に伝えようと努力した」のがうかがえるのです。
難しい部分も素人に理解できるようちゃんとわかりやすく翻訳してくれる。
だから惹き込まれる。
この技術を有する者を、おそらく世間一般では「カリスマ」と呼んでいるのではないでしょうか。
そんなわけで、クライアントには私の考案した「ストーリースピーチ」のトレーニングもやってもらい
実際に効果を挙げています。
最近も、とある小売業の私のクライアントが経済誌の取材を受けることが決まったので
インタビューに向け、スピーチを練っているところです。
利益を上げるには「自社の商品やサービスが消費者にとって必要であることをわかりやすく伝える」こと。
人間の脳は複雑や雑音を嫌うのです。データ分析など見せられても疲れるだけ。
そうではない、ちゃんとした「語り方」を身につければ、売り方も格段にアップします。
次回は、私があるビジネス交流会で感じた、スピーチの2つのミスについてお話ししたいと思います。