頭痛の前兆?目の前にキラキラした光が見える閃輝暗点
いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
お盆休みはみなさまいかがお過ごしでしょうか?
まことに勝手ながら、当院は8月11日(日)から8月16日(金)まで休ませていただいております。
本日、8月12日からはマツダスタジアム巨人戦が三日間あり
広島市民としてはなんとしてもという気持ちです。
本日は、頭痛と抜け毛ということで書いてみました。
【概要】
頭痛の主な原因に、精神的・身体的ストレス。
ストレス性の頭痛は、頭痛だけでなく嘔吐や下痢、そして抜け毛といった症状となって現れます。
ここでは、頭痛と抜け毛について説明します。
「頭痛」と「抜け毛」 共通の原因は「ストレス」
日常生活の中でよく頭痛を起こす人と、抜け毛が多くなり薄毛になってきた人には、その原因に共通点があります。
この2つのトラブルが起こる原因には、「ストレス」がおおきく関わっています。
ストレスの中でも、職場の人間関係がうまくいかない、仕事の目標達成ができないといった精神的ストレスは誰もが持っているものです。
仕事をしていなくても、子どもの進路や高齢の親の介護など、心配の種は山ほどあり。
このような精神的ストレスは、体にさまざまな影響を及ぼしています。
その中に頭痛があります。
ストレス性が関連する頭痛は、群発頭痛や片頭痛や緊張型頭痛などです。
不定期に断続的に起きる特徴があります。
痛み方は、頭がズキンズキン痛む、締め付けられたように痛むなど、人により異なります。
ストレスは自律神経の働きを阻害する
ストレスは、まず私たちの自律神経を乱し、その影響で体のあちこちに不調が出始めます。
自律神経とは人間の意志で動かせないもので、主に体内の内臓器官の働きをコントロールしています。
食事をすれば、自然と胃や腸が食べ物を消化するのはこの自律神経の働きによるものです。
この自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれており、それぞれが体の部位に応じて働きかけて体全体をコントロールしバランスを保つ。
ところが
ストレスがかかると交感神経が活発になりすぎて体のバランスが崩れ始め。
この状態が長く続けば、体調を崩してしまいます。
鎮痛薬を飲めばすぐ治る程度の頭痛をよく起こす人は、このように自律神経のバランスが崩れていることが頭痛の主な原因だと考えられています。
自律神経の乱れから頭痛や抜け毛を起こすまで
頭痛の時は、自律神経の交感神経が優位になり、血管が収縮し血流不全を起こします。
血液が全身に届かなくなると体が「冷え」を感じるようになり、体の疲れや老廃物が体内にとどまりやすくなるので、体が硬直して痛みを感じるようになります。
頭痛、腰痛、肩こりはこのような体の変化が症状となって現れたものです。
体が冷えると、頭痛や肩こり以外にも「髪の毛が抜けやすくなる」人もいます。これは、ストレスで優位になった交感神経のために、血流が低下して髪の毛を作り出すのに必要な栄養分が毛根まで届かないからです。
もともと人間の髪の毛は、毎日抜け落ちて新しい髪の毛に生え変わっていますが、栄養分が不足すれば抜け落ちた後に、新しい髪の毛が生えにくくなってきます。
「しばらく見ない間に、薄毛になったな」というような人は、このような経緯で少しずつ髪の毛の量が減った人たちかもしれません。
男性の場合はホルモンバランスの乱れが抜け毛の原因にも?
男性では、体の冷え以外の別な理由でも抜け毛が起こります。男性ホルモンの1つに、「テストステロン」があります。
女性も少量は分泌されているホルモンです。
このホルモンは20代をピークに減少していくのですが、ストレスが原因で、その分泌量がさらに減ることが。
そして
このホルモンは、5αリダクターゼという酵素と結びつきやすくなり、ジヒドロテストロンを生成します。
このジヒドロテストロンは、毛髪を作り出す毛母細胞の働きを低下させてしまい、薄毛や抜け毛を引き起こします。
AGA(進行性男性型脱毛症)の原因としても知られているホルモンです。
加齢に伴い男性に薄毛や抜け毛が目立つ理由は、このジヒドロテストロンの働きも大きな原因と考えられています。
頭痛や抜け毛の予防対策は?
血行不良からくる栄養不足と、男性ホルモン減少のために頭痛や抜け毛が起こっている時、これらの症状を少しでも抑えるには次のような方法があります。
(1)ストレス解消
自律神経を乱す原因となるストレス解消に努めます。
仕事が原因のストレスでは、仕事を辞めてストレスを解消することはできないので、旅行や音楽・映画鑑賞・スポーツなどの趣味を持ち、気分転換する時間を作りましょう。
友達と会って話すことや、エステやリラックスサロンでケアを受けるのもいいでしょう。
(2)睡眠時間を十分にとる
仕事が忙しくて寝不足気味の人でも、寝る時間はできるだけ固定してください。
睡眠中は成長ホルモンが分泌されているので、抜け毛対策に有効です。
(3)生活リズムを整える
仕事が大変でも、起床時間や食事の時間、寝る時間はできるだけ不規則にならないようにしてください。
これらの時間を固定すれば、リズムを整えやすくなります。
(4)バランスの取れた食生活
生活習慣病と同様に、抜け毛対策においては栄養不足の解消が大切なので、バランスのよい食事を心がけましょう。亜鉛や鉄のミネラル類、大豆イソフラボンは頭痛解消や薄毛対策に有効です。
(5)適度な休憩
オフィスワークは、「一日のほとんどをパソコンの画面を見続けて仕事をしている」という人も少なくないでしょう。
1時間ごとに席から離れて、上半身のストレッチをすればよい気分転換ができます。
体をほぐして血流を上げることを意識して、定期的に休憩をとりましょう。
*頭痛体操・肩こり体操など有効です。
(6)育毛剤の利用、医療機関を受診する
抜け毛対策には、市販の育毛剤や毛髪にダメージを与えにくいシャンプーなどを使う方法もあります。
また、医師の診察を受ける方法もあります。
抜け毛は、皮膚科でも相談にのってもらえます。
頭痛は、頭痛外来や頭痛学会で認定されたお医者さんに相談してみましょう。