頭痛が原因で抜け毛が増える?ストレスの影響による頭痛の症状について
いのうえ内科脳神経クリニックの井上です。
7月は多忙のためコラム・ブログが書けてませんでした。
8月になり少し余裕がでてきました。
頭痛の症状・原因につての第二回目を書いてみます。
【概要】
ストレスやちょっとした体の疲れが原因で起こる頭痛は、体を休めるのが、痛みの緩和につながります。
お風呂に入るのは、体を温めて気分転換もできる1つの方法です。
しかし
頭痛の種類によっては入浴しないほうがよいともいわれます。
頭痛とお風呂
日常生活で、ちょっとした頭痛をよく起こす人は、仕事などからくる精神的・肉体的ストレスを多く抱えています。
われわれは少なからずストレスに囲まれながら生きています。
これらにうまく対処できなくなると、体にさまざまな不調が現れますね。
中でも頭痛は、ひどい人だと寝込んでしまうほどつらく、そのために精神的ストレスに拍車がかり。
うつ病や胃潰瘍といった病気になる予兆であったりもします。
オーバーワークで体が疲れた時や精神的にツライ時、私たちはストレスを解消しようとします。
飲み会、カラオケ、スポーツなど、その方法は人それぞれです。
お風呂にゆっくり入るのもストレスを忘れてリラクゼーション効果を高める方法の1つですね。
お風呂の効果
お風呂に入るとどんな効果があるのか、物理的作用からみたメリットを紹介します。
温度
お風呂のお湯の温度により、人にもたらす効果には違いがあります。
24~34度
お風呂に入った時、最初に血圧は上昇しますが、お湯で体が温められると毛細血管が拡張し、血流が促進されるので血圧が下がります。
とくに高血圧症の人は、ぬるめのお湯にゆっくりとつかるのがオスメ。
34~38度
筋肉の緊張がほぐれ、副交感神経が働くのでリラクゼーション効果が高まります。
38~42度
日本人がもっとも好む温度といわれてます。
血流がアップします。
42度以上
新陳代謝が高まり、疲労物質の乳酸が排出されやすくなります。
筋肉の疲れが取れやすくなり、体も気分もすっきりした気持ちに。
水圧
お風呂につかるとお湯の水圧が体全体にかかるため、横隔膜が上に上がり肺の中の空気が押し出されます。
入浴中は、静脈やリンパ管も圧迫されていますが、お風呂から出れば水圧の負荷から解放されるので、体中に血液が一気に流れて体中の血流がアップします。
ただし
お風呂から急に出ると、脳貧血(のうひんけつ)をおこすときもあり注意が必要です。
浮力
人間の体は、水中では浮力によって体の筋肉や関節にかかる負荷が減少します。
普段痛くて体を動かすのがツライ時でも、お湯の中ではさほど痛みを感じないのはそのためです。
体が軽くなったと感じるので精神的にリラックスしやすくストレスが解消されやすく!
副交感神経が活発になるので、血液循環もアップ。
お風呂に入っているときは、水圧が体にかかっていますが、筋肉に負荷を与えるためでもあり、筋トレ効果が生まれます。
筋肉が鍛えられ、肩こりや腰痛の対策にもつながります。
頭痛の時は症状によってお風呂の入り方を変える
このようにお風呂に入ると血流が促されたり、体がぬくもりリラックスできたり、体にいいのです。
しかし
病気によっては入浴できないので注意してください。
軽い頭痛においても同様で、痛みの種類によっては長湯をすると頭痛が悪化してしまうときがあります。
頭痛には、主に片頭痛と緊張型頭痛の2種類があります。
この2つの頭痛では、緊張型頭痛の解消にお風呂は役立ちますが、片頭痛の場合は、入浴時に注意しなければならない点があります。
それぞれに頭痛において、お風呂に入り方や注意する点を紹介します。
緊張型頭痛の場合
この頭痛は、精神的ストレスや、長時間同じ姿勢を取り続けたために首や肩、背中など体の筋肉が硬直して血行が悪くなるため。
一日の疲れが出る午後から夕方にかけて起こりやすく、男女や年齢差に関係なく頭痛が起こります。
緊張型頭痛は、血液循環が悪くなり起こるため、お風呂に入るといった血流を上げる対策は、頭痛解消に役立ちます。
お風呂に入る以外に、ストレッチなどの運動や首や肩を蒸しタオルで温めるのも効果的です。
また精神的ストレスは、趣味を楽しんだり、睡眠を十分とると解消されやすくなります。
片頭痛の場合
片頭痛は、身体的・精神的ストレスにより、頭痛を起こす炎症物質(CGRPという蛋白が誘発します)が生まれます。
その結果
痛みを、つかさどる三叉神経を刺激
血管が拡張
痛みは、仕事が終わった後や週末というように、ストレスから解放された時にも血管が拡張するために起こるときも。
その他には、寝過ぎや寝不足、女性ホルモン分泌の変動、空腹感や疲労感・光や音の刺激に反応。
痛みは心臓の拍動のようにズキンズキンとした痛みで、吐き気や嘔吐、下痢症状を伴うときもあります。
光や音、におい、気圧など、周囲の環境の変化に敏感になって頭痛が生じるときもあります。
痛みには個人差があり、2~3日で治まる痛みが1カ月に1~2回起きる人、1週間に1回痛む人などその周期はさまざまです。
片頭痛は、血管が拡張して血液が一度に大量に流れるので、お風呂に入ると血管がさらに拡張させ痛みを増幅させる作用があります。
そのため
片頭痛が始まりそうな時は、温めて血行をよくするよりも、頭部を冷やして血流を抑制する方が痛みを和らげる効果があることが多いです。
いくつか対処法を紹介しましょう。
・こめかみを押す
・痛む部分を冷やす
・光や音などの刺激を避け、静かな暗い場所で休む
・カップ2杯程度をメドに、カフェインが含まれたコーヒー、紅茶、緑茶を飲む
・家電などの電気製品から出る電磁波も遠ざけるようにする(エビデンスはいまひとつ)
・ホルモンバランスを整えるために食生活を見なおす
あくまでもムリをせず、ツライときは頭痛専門医に相談してください。