
SNSなどを見ていると家づくりをしている若い世代の方の投稿を目にします。
中々に勉強されていて私たち不動産業者でも敵わないぐらいに知識を身につけご自身の間取りや設備、ハウスメーカーさんの情報を共有されています。
家づくりを考えている方にとっては非常にためになりますしありがたい情報ですよね。
しかし、ちょっと待ってみませんか。
家づくりにおいて大切なものって何でしょうか。
家族構成・ライフスタイル・趣味・憧れ・・・
色々ありますよね。
家を作る・買うという行為は人生において非常に大きな出来事です。おそらく大多数の人にとっては一生に一度の買い物でしょう。
そう考えた場合、一番大切になってくるのは今ではなく将来のことではないかと私は思います。
まず、不動産は環境を買う。ということです。
一度購入してしまえば簡単には移動できないのが不動産です。
近隣にスーパーや病院など住みやすい環境が整っていると助かりますね。
現地には必ず訪れるようにして、周辺も歩いてみましょう。
ペットを飼われるかたは近くに公園などあると便利です。
住宅についても挙げていきましょう。
例えば、夫婦・子供二人の4人家族だった場合。
広いリビングにアイランドキッチン、水回りの導線が回遊式で、天井が高くて吹き抜けがあって、中二階にキッズスペースがあってキッチンから子どもたちが過ごす姿が見えて、庭には広々したウッドデッキがあってバーベキューパーティーをして、各々のプライベート空間を確保した4LDKのおしゃれな住宅。
理想ですよね。誰もが住んでみたい理想。
もちろん、これもいいですよね。毎日が楽しく、早く帰りたくなる家。
しかし、あえて私は現実的なことを。
見る人によってはあまり夢の無い話だなと感じることを書いてみようかと思います。
これは私が今までの経験の中で住宅の売却や購入を相談されたりするなかで多い意見ですので参考程度にお考えください。
また、賃貸派は否定しません。それも有益なライフスタイルですがここでは購入&建築の話をします。
まず、家族構成ですが家づくりをしようと考えている時、家族構成は何人でしょうか。また、お子さんは何人で何歳でしょうか。
郡山市など地方都市において大半の場合は大学進学や就職を機会に実家を離れるお子さんが多い傾向にあります。
そして、実家を継いで欲しいと願う親世代が7割弱に対し、将来実家に戻ると考えている子どもは3割強と親子間の考え方にギャップがあります。
これは全国統計なので多くの地方都市では更にギャップは大きくなるのではないでしょうか。
これは色々な要因があるかと思いますが、日本人特有の「新築神話」も大きな理由でしょう。
実際に近年社会問題として取り扱われる「空家問題」なんていうものはここから発生しています。
そう考えると多くの家庭では新築後15~20年前後で夫婦二人での生活になる可能性が高いわけです。
その時、使わない部屋やスペースが沢山あっては勿体ないですよね。
続いて自分自身の問題。
人間誰しも老いは必ず来るものです。元気な方も多いのですが、70代くらいから足腰が悪いなんて声も多く聞こえます。
私も多く相談されるのが、2階に上がるのが億劫である。2階は物置状態だと。
最近の住宅は1階にリビングと水回りだけで寝室は2階以上にという間取りが多く存在します。
この場合、本当に足を悪くしてしまうと住み続けることが困難になってしまいます。
廊下やトイレ、お風呂に手摺を付けておくや廊下を車いすでも移動できるように余裕をもった寸法にするなど老後の生活も考えておくといいでしょう。
住み替えや建て直しができれば良いのですが現実は難しいです。
理想を形にしたい気持ちは非常に良くわかりますが、最悪の事態も想定しておくのも大切です。
次に気になるのはメンテナンスの部分です。
階数や屋根の形状、素材や設備などによって築後20年から30年に発生するメンテナンス費用が変動します。
どうあっても永遠に劣化しない住宅設備はありません。もちろん水回り(キッチン・トイレ・バス)は丁寧に大切に使えば長持ちすることもありますが不具合はでてきます。
某ハウスメーカーさんなどは独自の規格や商材を使用しているため建築したメーカー以外ではリフォームや修理もできないなんて話もたまに聞きます。
そうすると、地元工務店さんやリフォーム会社さんに依頼するよりも多額の費用が必要になることもありますので建築計画時にメーカーさんに聞いておくことをお薦めします。
外壁材や屋根材なども同様ですし、同じ材料が廃番になってしまうこともありますので特殊なデザインや素材を使いたいときは要注意です。
また、外壁や屋根のリフォームには足場が必須です。当然ながら平家より2階、3階建ての方が足場代は高額になりますし、立地や隣地などの環境によっても変化します。
床暖房なども修繕が大変だったりします。
こだわりの設備に関しては必ず修繕や交換の手法や費用を確認しておくといいと思います。
新築するからこそ、将来のことを最初からプランニングしておくことが大切です。
次は、資産として考えた自宅です。
序盤に書いたように7割近いパターンで自宅の継ぎ手がいないという現実です。
その場合、①売却する(解体する?) ②お子さんが建て替える ③賃貸住宅にする ④空き家にある
このような可能性がありますが築後40年以上が経過してしまうと①②④が濃厚です。
②も地元でお仕事していればいいですが、県外に出られている場合は難しいです。
そうなると一番多いのは①売却する となります。
売却する場合は現状で売却するか更地ににして土地として売却するかとなります。
リフォーム可能な状態であれば問題ありませんが、そこに多額の費用を要するときは更地売却が求められます。
更地にするとしても解体費用が必要です。ここも費用相場は変動しますので注意が必要です。
資産として不動産を考えた場合はとにかく立地と地域の発展性が大切です。
家づくりを考える際に、その不動産(土地)がどんな立地なのか、付加価値(学校・病院・商業施設など)がある地域かなど将来の出口も想定しておくと完璧です。
・・・難しいですよね。ぜひとも不動産屋さんにご相談ください。
ここまで色々と書いてきましたが、マイホームの建築というのは建てることがゴールではなく、建ててからがスタートだったりしますので様々な住宅イベントに備えておくことが大切です。
ライフスタイルや築古になったら売却したり建替えしたらいいという意見もありますが、なかなか簡単にはできないのが現実です。
私個人の理想は、メンテナンスも考えると地元で長く続いている工務店さんでシンプルな平家住宅、切妻屋根で軒をしっかり出す。外壁材などは一般的なシンプルなもの、バリアフリーで通路や開口部にも余裕があり、各部屋+パントリーなどの収納を充実させ、間取りはリビングが20畳強、洋室8・6・6の3LDK。
これが夫婦2人~4人家族までの理想の住宅かなと思っています。
まぁ、不動産業者のくせに本当に夢が無いと思われるかもしれませんが多くのお客様の買いたい・売りたい・相談したいに携わってきた中での結論ですね。
もちろん各ハウスメーカーさんの展示場などを見せていただくと本当に良い家でうっとりと憧れてしまいます。
こんな家に住んでみたいなと心が躍ります。これは本当です。
なので、理想を詰め込み憧れのメーカーさんで建築することもめちゃくちゃ大切ですしテンションが上がります。
要はメリット・デメリットを知ったうえで将来起こるだろうライフイベントをしっかりと理解し備えることが大切ということを一番言いたいのです。
備えあれば憂いなし。
長くなりましたがお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になったり、考えるきっかけになれば幸いです。
セカンドオピニオンとしてお近くの不動産屋さんにご相談いただくのも良いかと思います。
家づくりを考える
テーマ:家づくり
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川村憲司(不動産コンサルタント/不動産管理)
西武エステートシステム株式会社
地域に根ざした不動産会社として、売買や賃貸の成立だけを目的とせず、相談者や家族の将来まで見据えた判断を重視。必要に応じて専門家とも連携、結論を急がず選択肢を整理して、納得できる決断に伴走します
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