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磐越道マイクロバス事故から考える運送の安全と法令遵守の重要性
2026年5月6日、福島県郡山市の磐越自動車道で発生したマイクロバス事故は、私たちに運送の安全管理と法令遵守の重要性を改めて突きつけました。ソフトテニス部の遠征で福島県富岡町を目指していた新潟県の北越高校の生徒を乗せたマイクロバスが、道路左側のクッションドラムに衝突し、ガードレールを巻き込みながら進行した結果、最後尾席に乗車していた稲垣尋斗さん(17歳)が車外に放出され、尊い命が失われました。同乗していた学生20人も重軽傷を負う重大事故となりました。
この事故の法的問題点
今回の事故で見過ごせないのは、「運転手付きレンタカー」という運送形態です。レンタカー事業者が運転手を手配してマイクロバスを提供する行為は、道路運送法上の「旅客自動車運送事業」に該当する可能性が高く、適切な許可なく行えば違法行為となります。学校側とバス会社、双方に法的な認識の甘さがあったと言わざるを得ません。
「法の不知は罰する」という法諺があります。法を知らなかった、違法性を認識していなかったという弁明は、責任を免れる理由にはなりません。特に人命を預かる運送事業においては、事業者も利用者も、適用される法令を正しく理解し遵守する責任があります。今回の事故で重大な結果を招いた違法行為について、学校もバス会社も相応の責任を負うべきです。
軽井沢スキーバス事故の教訓
私が運行管理者(旅客)の資格を取得したきっかけは、2016年に発生した軽井沢スキーバス事故でした。大学生15名が犠牲となったこの事故では、「運行管理がなっていなかったことが原因の一つ」と指摘されました。この報道に接し、運行管理の実態を知りたいと考え、資格取得を決意しました。
学習を通じて痛感したのは、運行管理の重要性と運行管理者の責任の重さです。運行管理者は、運転者の健康状態の把握、適切な休息の確保、車両の日常点検の確認、運行経路の安全確認など、多岐にわたる業務を担います。これらは全て、乗客の命を守るための重要な業務です。人命を預かるということの意味を、改めて考えさせられました。
どうすればこの事故は防げたのか
今回の事故を振り返り、防止策を考えることが私たちの責務です。
適法な運送事業者の選定: 学校は、道路運送法に基づく一般貸切旅客自動車運送事業の許可を持つ正規のバス会社を選定すべきでした。安全管理体制が整備され、運行管理者が配置されている事業者を選ぶことが、安全確保の第一歩です。
運行管理の徹底: 正規のバス会社であれば、運行管理者による運転者の健康チェック、適性確認、運行指示が行われます。今回の事故では、68歳の運転手が制限速度80キロの区間を90〜100キロで走行していたことが明らかになっています。適切な運行管理があれば、このような危険運転を未然に防ぐ仕組みが機能していたはずです。
シートベルト着用の徹底: 最後尾に座っていた生徒がガードレールに押し出されるように車外に放出されたという状況から、シートベルトの着用状況も検証が必要です。バス乗車時のシートベルト着用は法律で義務付けられており、その徹底が命を守る可能性があります。
学校側の安全教育: 学校は、生徒の安全を守る責任者として、利用する運送事業者が適法な許可を持っているか確認する必要があります。また、安全な運送サービスとは何かを理解し、適切な業者選定を行う体制を構築すべきです。
二度と同じ悲劇を繰り返さないために
行政書士として、また運行管理者資格を持つ者として、私は今回の事故から得られる教訓を広く共有し、同様の事故を防ぐための対策推進を訴えたいと思います。
学校や団体が貸切バスを利用する際は、必ず一般貸切旅客自動車運送事業の許可を持つ正規の事業者を選定してください。価格の安さだけで判断せず、安全管理体制、運行管理者の配置、車両の整備状況、運転者の労務管理などを確認することが重要です。
運送事業者は、法令遵守を徹底し、運行管理を確実に実施する責任があります。人命を預かる仕事であることを常に意識し、安全を最優先にした運営を行わなければなりません。 そして私たち社会全体が、運送の安全について関心を持ち、適法で安全なサービスが選ばれる環境を作っていく必要があります。 稲垣尋斗さんのご冥福を心よりお祈りするとともに、この事故を決して忘れず、安全な運送サービスの実現に向けて、それぞれの立場でできることを考え、実行していきましょう。



