牛庭地区の「いきいき健康サロン」で講演
2025年1月22日、郡山駅前で大学受験を控えた若い女性が、飲酒運転の車にはねられて命を奪われるという痛ましい事故が発生しました。あの日からもう一年が経とうとしています。今も、当時の悲しみと無念さは消えることなく、多くの人々の心に深く刻まれています。再び同じような悲劇を繰り返してはならない――その思いを胸に、私は改めて「飲酒運転を根絶する」という強い決意を新たにしています。
飲酒運転は「一瞬の過ち」で済まされるものではありません。被害に遭われた方やその家族の人生を一変させる、取り返しのつかない犯罪行為です。法律や罰則が強化された現在でも、依然として飲酒運転による事故・違反は後を絶ちません。その背景には、アルコールのもつ強い依存性や、「自分は大丈夫だ」という錯覚があると考えています。アルコールは合法でありながら、人の判断力や自制心を奪い、社会に多くの悲しみをもたらす危険な側面を持っています。
私は警察官として勤務していた頃から、地域や事業所において飲酒運転撲滅講習を何度も実施し、一人でも多くの方に「飲酒運転の恐ろしさ」を伝える努力を重ねてきました。そして現在も、ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)の認定インストラクターとして、社会に対して飲酒運転防止の啓発活動を続けています。その活動の中で痛感するのは、「知っている」だけでは人の行動は変わらないということです。大切なのは、社会全体で「飲酒運転を絶対に許さない」という共通意識を築くこと。そして、飲酒による依存やコントロール障害で苦しむ人々を孤立させず、支え合う仕組みをつくることです。
お酒は本来、人生を豊かにするものであるはずです。しかし、それを適切にコントロールできなければ、悲劇を生み出す「刃」となります。「節度ある適度な飲酒」ができない場合には、勇気をもって断酒するという選択も尊い決断です。飲酒運転防止の取り組みは、叱責や罰則だけではなく、人と人との理解と支援の中で成り立つべきだと考えています。
郡山で起きたあの痛ましい事故を決して風化させず、犠牲となった命の尊さを無意味にしないためにも、私はこれからも飲酒運転撲滅に向けたインストラクターとしての活動を続けていきます。
「飲酒運転ゼロ」の社会を実現するために、一人ひとりが意識を変え、行動を変える。その小さな一歩の積み重ねこそが、悲しみの連鎖を断ち切る力になると信じています。



