明るく働ける職場づくりと労務管理のプロ鈴木慎太郎

明るく働ける職場づくりと労務管理のプロ

鈴木慎太郎

経営者の「よろず相談所」として信頼される労務のスペシャリスト

　経営者と働く人の幸せを目指し、労務管理の健全化に奮闘する「浜通り社会保険労務士法人」の代表・鈴木慎太郎さん。給与計算や人事制度の構築、採用支援などを一手に引き受ける、労務のスペシャリストです。社員の雇用や人材開発・教育訓練などに関する助成金にも精通し、煩雑な申請手続きをワンストップで対応できるのも強み。他士業とのネットワークも広いことから「よろず相談所」と称されるほど、「困ったことがあれば鈴木さんに」と頼りにされる存在です。

　「近年はネットの影響で労働者の権利意識も高まり、労使トラブルの相談が急増しています。意図せず労働法に違反しているケースも少なくなく、会社を守るための就業規則整備などの必要性が改めて問われています。大事なのはトラブルを未然に防ぐこと。専門家として法令順守に基づく企業改善をしっかりアドバイスしていきます」と力強く話します。

　経営者の心情に寄り添いながらも、公正な視点を忘れず「会社の未来に向けて適切な労働環境かどうか」を見極めて提言することを心がけている鈴木さん。一緒に仕事をした人からは「熱い心の持ち主」といった言葉も寄せられているとか。

　「人」を大切にする真摯な姿勢から、数多くの顧問企業の信頼を集めており、顧客や他士業からの紹介が多数であることからも、鈴木さんの実直な人柄がうかがえます。

震災復興を目指し故郷の南相馬市で開業。自らの経験を原動力に職場改善に取り組む

　鈴木さんが多くの労働問題に心を尽くすのには、深い理由があります。

　大学卒業後は大手生命保険会社に就職。優秀な成績をおさめ、本社勤務へと栄転しますが、連日深夜に及ぶ激務が続き、心身に支障をきたして31歳で退職します。自身の経験を振り返り、「この先、絶対に自分と同じ苦しみを味わう労働者は出したくない。世の中の働き方を変えて労働者を救いたい」。それが社労士への一歩となりました。

　その後は新聞配達をしながら猛勉強。当初は仙台での開業を考えていましたが、2011年3月、東日本大震災が発生。故郷の南相馬市が大きな被害を受け、「地元復興のために尽くさなければ」と帰郷を決意したのです。被災地ではNPO法人の労務管理などに携わり、復興に寄与してきました。

　人と真っすぐに向き合う鈴木さんの人間力は、あらゆる場面で真価を発揮しています。ある顧問先では全社員と面談を実施。社員が心を開き、「お客さまより社内優先」「自分の業務に価値を見いだせない」など、モチベーションに大きな問題があることがわかりました。そこで鈴木さんは、「働きがいが持てる健やかな会社づくり」を社長に提言。福利厚生を整え、人材教育のプロを呼んで研修を行うなど、根気強く改革に取り組んだ結果、社員から「新たな仕事のやり方を提案したい」「会社のために何とかしよう」と目に見えて意識の変化があり、離職率も減少したといいます。

　「企業の成長は、どれだけ社員と真剣に向き合うかが大事。自分の信念が報われた出来事でした」と鈴木さん。「社員さんの『会社が変わって働きやすくなった』という声ほどうれしいものはありません」と笑顔を見せます。

企業価値を高める「健康経営」を支援していきたい

　人材難が深刻な中小企業を救うべく、鈴木さんはさまざまな取り組みを進めています。
一つは「採用支援」。ハローワークでの勤務経験がある職員が、徹底した市場調査とヒアリングで求める人物像を明確にし、求人票の作成をサポート。掲載企業からは「応募数と定着率が格段に上がった」と大変喜ばれているそうです。

　もう一つは、2020年に始まった「社労士診断認証制度」。働き方改革に取り組む企業を社労士が診断し、認定マークで証明するというものです。「これからは働き方の健全性が企業価値となる時代。企業努力を『見える化』できれば、求職者への大きなPRとなります。弊所には、第一種衛生管理者や産業カウンセラー、キャリアコンサルタントなどの有資格者も在籍しており、あらゆる観点から働きやすい環境づくりをバックアップすることが可能です。業種によっては独自の労働基準もあるので、私たちプロがきちんと整備し、忙しい経営者に代わりサポートしていきたいです」

　「働くすべての人に、職業人としても1人の家庭人としても幸せになってほしい」。鈴木さんの言葉からは、ビジネスの枠を超えた人としての温かさを感じます。こうした前向きな人間性が経営者や働く人の心を勇気づけ、組織を発展させていくのでしょう。

　今後は企業の「健康経営」の支援にも力を注ぎ、週4日正社員など多様な働き方を提言したいと鈴木さん。福島県社会保険労務士会では理事を務め、セミナーやラジオでも精力的に情報を発信しています。

　「経営者が本気で社員の〝働きがい〟に向き合えば、会社は必ず変わります。いずれは、社労士全体で手を取り合って日本の働き方を変えていきたい。この仕事は自分の使命であり、生涯をかけて果たすべき役目だと思っています」

（取材年月：2021年4月）

働くすべての人の幸せを願う社会保険労務士。本気で会社を変えたい経営者をサポートします

経営者の「よろず相談所」として信頼される労務のスペシャリスト

震災復興を目指し故郷の南相馬市で開業。自らの経験を原動力に職場改善に取り組む

企業価値を高める「健康経営」を支援していきたい

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