久しぶりの笑顔が咲いた日
旅は、行き先や観光地の数ではなく、「どんな気持ちで過ごしたか」で記憶に残ります。
私たちは、お客様一人ひとりの“旅への想い”を大切にしています。
たとえば、家族に感謝を伝えたい旅。社員の絆を深めたい研修旅行。人生の節目を祝う記念の旅。
それぞれに込められた想いを丁寧にヒアリングし、想像を超えるプランに仕立てていく——それが私たちの仕事です。
るお客様から、こんなご相談をいただきました。
「母の体調が心配で、遠出は難しいかもしれません。でも、家族みんなで思い出をつくりたいんです」
お話を伺うと、お母様は車椅子を利用されていて、長距離移動や宿泊にも配慮が必要でした。
そこで私たちは、移動の負担を最小限にしながら、無理なく楽しめるプランを一緒に考えました。
ゆっくりと景色を眺められるルート。バリアフリー対応の宿。お母様の好物を取り入れた食事メニュー。
「できる・できない」ではなく、「どうすれば叶えられるか」を軸に準備を進めました。
当日、子どもたちがお母様の車椅子を押しながら歩く姿は、とても微笑ましいものでした。
家族で一緒に笑い、語り合い、写真を撮り合う姿。
その旅は、お母様にとっても、家族にとっても、かけがえのない時間になったそうです。
旅の後、お客様からご連絡をいただきました。
「あの旅行が、母との最後の時間になりました。
でも、家族全員が一緒に過ごせたこと、母の笑顔を見られたこと、本当に良かったと思っています。
最後の思い出に“旅”があってよかった。心から感謝しています。」
その言葉をいただいたとき、改めて感じました。
私たちの仕事は、単に手配をすることではなく、“人の想いを形にする”ことなのだと。
地図の上だけでは描けない、“心の中の目的地”があります。
そこにたどり着くための時間を、一緒に創り上げていくこと。
それが、私たちの使命であり、旅づくりの原点です。



