子どもの学力を向上させる教育のプロ
田中正徳
Mybestpro Interview
子どもの学力を向上させる教育のプロ
田中正徳
#chapter1
小・中学生の子どもを持つ親なら、一度は考える子どもの塾通い。最近は、インターネットの普及と共に、「好きな時間に学べる」「塾に比べて費用がかからない」などの理由で、インターネットを利用した学習塾が普及してきました。
中洲川端の博多リバレインに本部を置く「ショウイン」は、1980年の創業当時から行う個別指導のスタイルにいち早くインターネット学習システムを導入。吉田松陰が主催した松下村塾の教育方法を手本にした「ショウイン式」の学習方法で、現在は小・中学生を対象に、全国170カ所以上で通塾型の「松陰塾」と、WEB電話を使って自宅で学ぶオンライン家庭教師「webショウイン」を運営しています。
「ショウイン式」の特徴は、「わかるところから始め、わかるまで進ませず、わかるまで繰り返す」などパソコンを使った自立学習と、子どものやる気を引き出すコーチングを柱にしたものです。その理由について、代表の田中正徳さんは、「子どもが自ら考え、実際に書いたり、覚えたりしたものでなければ、学力は身に付きません。だから、間違った問題を繰り返し解くことが重要なのです」と力説します。これは文部科学省が2020年度の次期学習指導要領で取り入れるアクティブ・ラーニング(AL)を先取りした指導方法なのです。
「実は、最初の10年間はひたすら個別指導に力を入れたのですが、生徒が受け身になりがちで、時間的な制約などもあり、思うように成果が上がりませんでした。そこで、コンピューター学習の利点である自動採点や、繰り返し機能を活用したインターネット教材の開発に取り組み、改良を重ねて現在のシステムが完成しました。ただ、どんなにシステムが整っても、教師がフォローすべき部分はあります。そこを教育コーチングの資格を取得したスタッフが導いていきます」
#chapter2
ショウインの学習システムには、30年以上にわたる田中さんの指導経験のノウハウが蓄積されています。パソコンに収録された問題は、小学1年~中学3年の5教科の全単元を網羅した12万問題。学年を超えていつでも復習できるようにインターネット上で公開されています。
各単元の理解度は、出題される問題の正解数でチェック。算数なら、5問中3問以上正解できなければ、不合格となり、同じ解き方でも数値が異なる問題を合格するまで解いていきます。ここで重視するのが、間違った問題をノートに書くという作業。画面上に表示された問題文と解き方を一字一句書きとり、何が書かれているのか、子ども自身の頭で考え、理解していくのですが、この“読む”“書く”“考える”行為が、子どもたちに「なるほど」「そうだったのか」という気づきを与え、自信につながっています。
「勉強は自分との戦いです、コーチング指導の先生の励ましや共に学ぶ友人たちの存在を意識させながらコミュニケーションの場に引き出す“コミュニケーションスダディ”は、子どもたちが楽しく勉強を続けるには有効」と田中さんは語ります。
#chapter3
では、「パソコンは自立学習するためのツール。それをサポートするのが教師の役目」と言う田中さんが、積極的に取り入れている教育コーチングの手法とは?
そのベースになっているのが、「人は育とうとする生き物である」「人は自分の中に答えを持っている」「人はそれぞれである」という人に対する信念です。この信念に基づいて「傾聴」「質問」「承認」の姿勢で、学習者のやる気と能力を引き出し、自立を支援していこうというのが、基本的な考え方。つまり、「~させる」「~しなければならない」ではなく、「~する」「~できる」よう支援すること。
「私たちは、宿題を忘れた生徒に、『どうしてしなかったの?』ではなく、『何が宿題を邪魔したの?』と問いかけます。すると、生徒から『テレビを見ていた』『ゲームが面白くて宿題を忘れていた』などの答えが返ってきます。このとき、生徒は自分の中に原因があったことに気づき、反省をします。つまり、再び同じような状況になったとき、自分がどうすべきかを生徒自身が悟るようになるのです」
「また、問題を解けない生徒がいれば、『ヒントを読んでごらん』『ノートに書いてごらん』とやさしく語りかけます。そして、問題が解けたら、『よく頑張ったね』『次やってみようか』と背中を押します。これは生徒への接し方の一例ですが、教育の現場で、人を育てる私たちにとってとても大切な姿勢です。アクティブ・ラーニング(AL)手法の『ショウイン式』、ますます私たちの真価が問われるときだと思っています」
(2012年10月取材)
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Profile
子どもの学力を向上させる教育のプロ
田中正徳プロ
塾講師
株式会社 ショウイン
小・中学生を対象に自立学習教材「Showinシステム(自社開発)」、英検対策に「旺文社英検®ネットドリル」、漢字教育に「moji蔵」を活用。教育コーチングを組み合わせて最大の学習効果を生む。
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