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徹底した防犯対策で、暮らしの安全を支える

徹底した調査と豊富な知識で、安全を支える防犯のプロ

座親雅夫

座親雅夫 ざおやまさお
座親雅夫 ざおやまさお

#chapter1

犯人の目線で現場をチェック  防犯設備を駆使して犯罪を防ぐ

 「防犯の基本は現場を知ることから。現場をくまなく調べ、最もふさわしい設備を提案したい」と話すのは、防犯業界で20年以上のキャリアを持つ座親雅夫さん。「Security(防犯・安全)」と「Research(調査・研究)」の頭文字をとった「SR防犯設備事務所」を2016年に設立し、代表取締役を務めています。

 座親さんは福岡県筑紫野市を中心に活動。住宅やオフィスの防犯対策コンサルティング、商業施設に向けた万引防止のアドバイス、防犯をテーマにした講演などを行っています。

 「防犯というと、警備サービスをイメージする人が多いかもしれません。警備会社は異常が発生した際、その場に駆け付けて状況を確認したり、警察に通報したり、事後対応が主な業務となります。一方、私たちのような設備会社はカメラやセンサーなど、さまざまな技術を駆使して、犯罪を未然に防ぎます」

 コンサルティングの依頼を受けると、まず現地に足を運び、建物や敷地の内部、周辺環境などを徹底的に調査。「『ここなら入れそうだな』と、犯人の目線になってチェックしていく」と言います。点検項目は、窓の位置や素材、鍵の構造、周囲からの見通し、侵入の足掛かりとなる物が置かれていないかなど多岐にわたります。

 「自分の目で確かめた上で、防犯カメラを使った遠隔監視システムや、侵入者を察知すると音や光でまわりに知らせるセンサーを設置したり、強度の高い鍵や窓ガラスへ交換したりと、予算や状況にあわせて施策を考え、トータルに提案します。取り付け作業に立ち合うほか、施工後の保守管理もサポートします」

#chapter2

暮らしの安らぎを奪う犯罪 社会全体の防犯意識を高めることが重要

 日本は比較的治安がいいためか、一人一人の防犯意識は決して高いとは言えません。鍵をかけ忘れたまま出掛けて空き巣に入られたり、かばんを車の中に置きっぱなしにして車上荒らしにあったり、「ちょっとくらいなら大丈夫」という気の緩みが犯罪を招くケースは少なくないです。

 「アメリカで防犯設備の見本市を視察したことがありますが、海外では『自分の身は自分で守る』という自己防衛意識が強いです。例えば女性の一人暮らしの場合、玄関の鍵は3つ以上つけるのが当たり前です。被害にあわないためにも、日本の社会全体で、安全に対する認識を改める必要があります」

 住宅や施設における犯罪を想定し、予防策などを講じる「総合防犯設備士」でもある座親さんは、福岡県から委託を受けてセミナーを開催。地域の人に防犯対策の重要性を訴えてきました。また、福岡県警と協同で街頭に防犯カメラを設置したり、地域の人が安全に暮らせるようにアドバイスをしたりと、地域ぐるみで犯罪を防ぐ「地域防犯」の仕組みづくりにも取り組んでいます。

  「犯罪の恐ろしさは物品を壊されたり、貴重品を盗まれたりといった金銭的なダメージだけではありません。平穏な暮らしや心の安らぎまで奪っていきます」と力を込める座親さん。自宅に何者かが侵入したという恐怖から不眠症になったり、家にいられなくなって引っ越しを余儀なくされたり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされる被害者をたくさん見てきたと話します。

座親雅夫 ざおやまさお

#chapter3

防犯設備を賢く使って、みんなが安心して暮らせる社会に

 近年は高齢者の見守りも兼ねて、防犯設備を導入する人が増えているそうです。例えば、一人暮らしの親の家に防犯カメラを設置し、離れて暮らす子どもがスマートフォンアプリでその映像を見ることで、「ちゃんと洗濯物が干してある」など、安否確認ができます。また、安価で性能のいいカメラが多く登場してきたため、以前と比べ防犯設備をとり入れるハードルは下がってきたと言えます。

 2000年前後には特殊な工具をカギ穴に差し込んで開錠するピッキングの被害が急増し、社会問題に。その後、ピッキングを防止する鍵が普及したこともあり、被害は減少していきました。「犯罪は私たちの小さな行動で防ぐことができます」と座親さん。目に付く場所に防犯カメラやセンサー付きの照明を設置することも効果的だとアドバイスします。

 警察庁の発表によると2020年の侵入犯罪の認知件数は5万5525件。前年と比べて減ってはいるものの、依然として高い頻度で発生しています。さらに、「近年は長引く不況の影響などで、体感治安は悪化している」と警鐘を鳴らします。

 かつては地域の人同士のつながりが強く、見知らぬ人が入ってきたら声を掛けるなどして自警に努めていました。しかし、今では「隣に暮らす人の顔を知らない」ということも珍しくありません。

 「今は自分の身は自分で守る時代です。防犯設備を賢く使って、みんなが安心して暮らせる社会をつくりたい。そのために、できる限りの働きかけを続けていきます」

(取材年月:2021年10月)

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座親雅夫

徹底した調査と豊富な知識で、安全を支える防犯のプロ

座親雅夫プロ

総合防犯設備士

株式会社SR防犯設備事務所

防犯業界歴25年。徹底した現場調査と豊富な知識で、設備導入から保守点検まで、住宅・オフィスの防犯対策をトータルにサポート。総合防犯設備士の資格を有し、防犯対策に関する講演なども行う。

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