「不満」は組織の改善や成長のタネになる!
パワハラ対策コンサルタントの咲良美登理です。
有資格者のカウンセラーが客観的な視点で対応する「従業員悩み相談サービス」を提供しています。パワハラ対策、心理的安全性の高い職場づくりなどオーダーメイドの企業研修でも実績があり、中立の立場で企業と従業員の橋渡し役となり職場環境の改善をサポートしていきます。
スメルハラスメントは、パワハラ・セクハラと同じようにハラスメントのひとつ
体臭や口臭、香水、柔軟剤などの強いにおいが原因で周囲に不快感を与える行為である「スメルハラスメント」。パワハラやセクハラと同じように、スメルハラスメントも職場で問題となるハラスメントの一つです。
においの問題は非常に繊細で扱いが難しく、私も「におい」問題で悩んでいるハラスメント担当部門の方から、「どのように注意したらよいのかわからない」など、ご相談をいただくことがあります。
スメルハラスメントには次の2つの側面があります。
1.「におい」の発生源の方が周りの就業環境を悪化させること
2.その発生源の方に注意することで発生源の方を傷つけ就業意欲を低下させてしまうこと
つまり、必ずしも、においの発生源の方がスメルハラスメントの行為者になるわけではありません。従業員から同僚のにおいについて相談を受け本人に注意した総務、人事や上司が、スメルハラスメントの行為者になる可能性もあるのです。
とはいえ、対応が難しいからと放置するわけにはいきません。会社には安全配慮義務、職場環境配慮義務があるため、においがきつくて既に周囲の従業員の体調が悪くなっているなど具体的な影響があるのであれば、何かしら対策をする必要があります。
スメルハラスメント対応、4つのステップ
スメルハラスメントの対応はケースバイケースなのですが、私だったら…ということで、4つのステップに分けてお伝えいたします。
◆STEP1 においの程度を確認
においに敏感な人が相談をしている場合、周囲が気になっていない可能性もあります。ハラスメント担当者は、においの発生源の方の近くに行って確認してみましょう。あわせて、いくつかの部署に話を聞くという体裁で、その方の近くの席の従業員に、何か困っていることはないかとヒアリングするのも良いですね。
においが気になっている方がハラスメント相談窓口に相談した方だけならば、何かしらの理由を付けて席替えをし、相談者とにおいの発生源とされる方の席を離せば解決できるでしょう。
◆STEP2 空気清浄機など機器を使って環境改善
席替えで改善できないようであれば、「空気清浄機」や「サーキュレーター」を使って環境改善を試みることも有効です。ただし、発生源の近くだけに設置することは嫌がらせになりかねないため、職場全体に対して設置することが望ましいでしょう。
◆STEP3 においの分類
STEP2でもにおいの問題が改善されない場合、においの種類を分類し、対応方法を考えます。例えば、香水や柔軟剤などのにおい、不衛生な状態から発生するにおい、さまざまな病気から発生するにおいに分類できるでしょう。
◆STEP4 におい別の対応、相手にどう伝えるか
においに関する注意を伝える際は慎重に行うべきです。においを指摘すること自体が非常にデリケートな問題であり、配慮を欠いた伝え方をするとトラブルが起こる可能性があります。
事前に社内で、におい対策を含む身だしなみの教育や啓蒙活動を行っておく、香料や化学物質に敏感な人がいる可能性も考慮し、「香害」や「化学物質過敏症」への理解を深めてくなどが有効です。
こちらの記事で、身だしなみケアなどのセミナーの詳細、可能な限り傷つけずに伝える方法、伝える際に気をつけるべきポイントを解説していますので、ぜひご覧ください。
職場の「におい(臭い)」問題!スメルハラスメントの対応法