『熨斗、いる?いらない?』令和の贈答マナーを考える本音座談会
目次
「しまった!お歳暮の手配を忘れてた…」
師走の慌ただしさの中で、うっかりお歳暮の準備を忘れてしまうこと、ありますよね。
年内に間に合わない、どうしよう…と焦っているあなたへ。大丈夫です。
お歳暮が遅れても、きちんと対処すれば失礼にはなりません。
今回は、お歳暮が年内に間に合わなかった時の正しい対処法をご紹介します。
お歳暮の正式な時期は「12月20日まで」
まず、お歳暮を贈る時期をおさらいしましょう。
一般的に、お歳暮は12月13日から12月20日までに届けるのがマナーとされています。
12月13日は「正月事始め」の日で、お正月の準備を始める日。そして、20日を過ぎると年越しの準備で慌ただしくなるため、この時期までに贈るのが理想です。
ただし、12月31日までに届けば、お歳暮として問題ありません。
25日を過ぎてしまっても、まだ諦める必要はありません。
【パターン1】12月31日までに間に合う場合
年内にギリギリ間に合いそうなら、すぐに手配しましょう。
この場合、熨斗の表書きは「お歳暮」または「御歳暮」のままで大丈夫です。
ただし、配送手配と同時に、電話かメールで一言お詫びを入れるのがマナーです。
「年末のお忙しい時期に申し訳ございません。本日、心ばかりの品をお送りいたしました。ご笑納いただければ幸いです」
この一言があるだけで、相手の印象はずいぶん変わります。
【パターン2】年明けになる場合:「御年賀」に変更
年内に間に合わず、年明けに届く場合は、熨斗の表書きを「御年賀」に変更します。
「御年賀」として贈れる期間
- 関東:1月7日(松の内)まで
- 関西:1月15日まで
この期間内に届くように手配しましょう。
ただし、相手が喪中の場合は「御年賀」は絶対にNGです。御年賀は新年のお祝いですから、喪中の方には失礼にあたります。
喪中の方には、次の「寒中御見舞」として贈りましょう。
【パターン3】松の内を過ぎる場合:「寒中御見舞」に変更
松の内(1月7日または1月15日)を過ぎてしまう場合は、「寒中御見舞」または「寒中御伺」として贈ります。
「寒中御見舞」として贈れる期間
松の内明け〜立春(2月4日頃)まで
「寒中御伺」は、より丁寧な表現です。目上の方や取引先には「御伺」を使うとよいでしょう。
遅れた時の挨拶状・お詫びの文例
お歳暮が遅れてしまった場合は、品物に添える挨拶状や、別途お送りするお詫び状で、遅れたことへのお詫びを伝えましょう。
【文例1:年内ギリギリの場合】
師走の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
本年は何かとお世話になり、誠にありがとうございました。
年末のお忙しい時期に恐縮ですが、心ばかりの品をお送りいたします。
ご笑納いただければ幸いです。
来年も変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
【文例2:御年賀として贈る場合】
新春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
年末のご挨拶が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。
遅ればせながら、心ばかりの品をお送りいたしました。
ご笑納いただければ幸いです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
【文例3:寒中御見舞として贈る場合】
寒中お見舞い申し上げます。
年末のご挨拶が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。
日頃の感謝の気持ちを込めて、心ばかりの品をお送りいたします。
まだまだ寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
来年から早めに準備するために
お歳暮が遅れてしまう原因の多くは、「つい後回しにしてしまう」こと。
来年からは、こんな工夫をしてみてはいかがでしょうか。
- 11月中に贈る相手リストを作る
- 12月初旬に一斉に手配する
- カレンダーやスマホにリマインダーを設定
早めに準備すれば、年末の慌ただしさからも解放されます。
まとめ:遅れても、きちんと対処すれば大丈夫
お歳暮が遅れてしまっても、慌てることはありません。
- 12月31日まで:「お歳暮」のまま贈る
- 1月7日(または15日)まで:「御年賀」に変更
- 2月4日まで:「寒中御見舞」に変更
時期に応じて表書きを変え、お詫びの一言を添えることで、きちんと感謝の気持ちは伝わります。
大切なのは、相手への思いやりです。遅れてしまったからといって、そのままにするのが一番よくありません。
「遅れてしまったけど、ちゃんと対処しよう」と思えたなら、それだけで誠意は十分伝わります。




