「お歳暮、正直やめたい…」円満にやめるための3つのステップと挨拶文例

星野貴郎

星野貴郎

テーマ:マナー

お歳暮辞める時


「毎年のお歳暮、正直もう負担で…」
そう思いながらも、「やめたら失礼かな」「関係が悪くなったらどうしよう」と、ズルズル続けてしまっていませんか?
実は、お歳暮をやめること自体はマナー違反ではありません。
大切なのは、やめ方です。
いきなりやめると相手を心配させてしまいますが、段階を踏めば円満にフェードアウトできます。
今回は、お歳暮を気まずくならずにやめる方法と、実際に使える挨拶文例をご紹介します。

お歳暮をやめてもいいタイミングは?


まず知っておきたいのは、「お歳暮は最低3年は贈るのがマナー」ということ。
逆に言えば、3年以上贈り続けていれば、やめてもマナー違反にはなりません。
こんなタイミングなら、やめることを検討してもいいでしょう。

  • 転勤や退職で、相手と疎遠になった
  • 取引先との接点がなくなった
  • 結婚の仲人への贈答が3年を過ぎた
  • 経済的・精神的に負担が大きくなった
  • 高齢になり、贈り物の準備が難しくなった


「もう十分に感謝を伝えた」と感じるなら、思い切ってやめる方が、お互いにとって楽かもしれません。
一番失礼なのは、形だけの「虚礼」になってしまうことです。

NG!いきなりやめると相手が心配する


「今年から贈るのやめよう」と、何の前触れもなくパッタリやめてしまうのは、実はあまりよくありません。
毎年届いていたものが突然届かなくなると、相手は「何かあったのかしら?」「体調でも崩されたのでは?」と心配してしまいます。
でも、「お歳暮が届かないけれど、何かあったんですか?」とは、なかなか聞きにくいもの。
結果として、お互いに気まずい空気だけが残ってしまうんです。

【ステップ1】お中元をやめて、お歳暮だけにする


お中元とお歳暮の両方を贈っている場合は、まずお中元をやめるところから始めましょう。
お中元は「上半期の感謝」、お歳暮は「1年間の感謝」を伝えるもの。お歳暮の方が重視されるため、どちらか一方だけにするなら、お歳暮を残すのが正しいマナーです。
このとき、お中元の代わりに暑中見舞いのハガキを送っておけば、「元気にしています」という近況は伝わります。

【ステップ2】翌年のお歳暮は、金額を下げる


翌年のお歳暮は、例年より金額を抑えた品物を贈ります。
たとえば、これまで5,000円の品物を贈っていたなら、3,000円程度に調整します。
品物の内容や質が変われば、相手にも「そろそろ…かな」という気持ちが伝わります。ここで焦る必要はありません。段階的に変化させることが大切です。

【ステップ3】お歳暮をやめて、年末の挨拶状だけにする


翌年以降、お歳暮は贈らず、年末の挨拶状だけにします。
挨拶状であれば、お互いに負担が少なく、今後も良好な関係を続けられます。年賀状のやり取りだけでも、十分に「元気でいますよ」というメッセージは伝わるものです。

まとめると、こんな流れです:


  • 1年目:お中元をやめて暑中見舞いに、お歳暮は例年通り
  • 2年目:お歳暮の金額を下げる(5,000円→3,000円)
  • 3年目:お歳暮をやめて、年末の挨拶状だけ

この3年計画なら、自然にフェードアウトできます。

「来年からやめたい」ときの挨拶文例


もし、段階を踏まずに次回からすぐにやめたい場合は、今年のお歳暮に添える挨拶状で、辞退したい旨を伝えます。

【文例1:疎遠になった相手への挨拶状】



師走の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

日頃は何かとお心にかけていただき、誠にありがとうございます。

さて、このたびは結構なお品をお贈りいただき、恐縮しております。

つきましては、誠に勝手ながら、今後はお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。

今後とも変わらぬお付き合いをいただけますと幸いです。

まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。

【文例2:経済的理由でやめたい場合】



歳末の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、誠に勝手ながら、諸般の事情により、来年からのお歳暮は遠慮させていただきたく存じます。

長年にわたりお心にかけていただきましたこと、心より感謝申し上げます。

今後とも変わらぬご交誼のほど、よろしくお願い申し上げます。

略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。


ポイントは、「今後とも変わらぬお付き合いを」という一言を必ず添えること。
これがないと、「関係そのものを断ちたいのかな」と誤解されてしまう可能性があります。

相手からのお歳暮を断りたいときは?


逆に、「相手からお歳暮が届くけれど、受け取りたくない」という場合もあるでしょう。
会社の規則で受け取れない、喪中で控えたい、などの理由があるかもしれません。
このときは、一度受け取った上で、断り状を添えて返送するのがマナーです。
「受取拒否」という形にしてしまうと、相手の印象が非常に悪くなってしまいます。

【断り状の文例】



拝啓 歳末の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

このたびは結構なお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。

しかしながら、弊社の規定により、お取引先様からの贈答品はお受けできないことになっております。

誠に恐縮ではございますが、お品は返送させていただきますので、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

JORIOからの提案:「お歳暮」から「実用ギフト」へ


お歳暮をやめる代わりに、こんな選択肢はいかがでしょうか?
年末年始のタイミングで、名入れギフトを贈るという方法です。
たとえば、名入れカレンダーやタオル、ボールペンなど。「お歳暮」という形式ばった贈り物ではなく、「年末のご挨拶」として実用的なアイテムを贈る企業も増えています。
お互いに負担なく、感謝の気持ちを伝えられる方法です。

名入れギフトJORIOでは、予算やご希望に合わせた名入れギフトをご提案しています。
「お歳暮をやめたいけど、何か贈りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

まとめ:大切なのは「気持ち」


お歳暮は、感謝を伝えるための大切な習慣です。
でも、形だけの贈り物になってしまったり、負担が大きすぎたりするなら、無理に続ける必要はありません。
大切なのは、相手への思いやりと誠意です。
段階を踏んで丁寧にやめることで、今後も良好な関係を保つことができます。

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星野貴郎
専門家

星野貴郎(名入れギフトの加工販売業)

株式会社ジョリオ JORIO Co., Ltd.

贈る喜び、受け取る喜び、お返しする喜びを繋げ、人と社会の関係構築に貢献する。赤ちゃんと同寸の神社仏閣御用材で作る「お身丈命名書」の販売。7月10日「名入れギフトの日」制定など文化活動に尽力。

星野貴郎プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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