日本の"お歳暮文化"から学ぶ、ギフトが持つ本当の意味

星野貴郎

星野貴郎

テーマ:ギフト

お歳暮のし

なぜ日本人は、年末になると贈り物をするのでしょうか?

お歳暮、という言葉は誰もが知っています。
でも、その本当の意味を知っている人は、どれくらいいるでしょうか。
今回は、日本が長い歴史の中で育んできた「お歳暮文化」から、ギフトが持つ本当の意味を読み解いていきます。

お歳暮の起源:神様へのお供え物から始まった


「御霊祭り」という行事


お歳暮の起源は、室町時代にまでさかのぼります。
その当時、日本には「御霊祭り(みたままつり)」という、年末から新年にかけて先祖の霊を迎える行事がありました。

歳神様への感謝


年の暮れには、「歳神様(としがみさま)」という生活を守護する神様が、各家庭を訪れると信じられていました。
人々は、この歳神様へのお供え物として、塩鮭、するめ、数の子、餅など、福を呼び日持ちするものを用意したのです。

「分かち合う」ことから始まった贈り物


このお供え物を、神様だけでなく人々でも分かち合う。
親族や、本家、ご近所に配る。この「共食(きょうしょく)」の文化が、お歳暮の始まりだと言われています。
つまり、お歳暮の原点は「神様の恵みを、人々で分かち合う」という精神にあったのです。

江戸時代:商人の「感謝の挨拶」へ


「歳暮回り」という習慣


江戸時代に入ると、お歳暮の意味が少し変わります。
当時、商売は「掛け売り」が主流でした。
夏と年末に、半年分の精算をする習慣があったのです。
この精算の際、商人が得意先へ、一年間の取引への感謝として贈り物を持参する。これが「歳暮回り」と呼ばれました。

ビジネスと感謝が結びついた


ここで大切なのは、単なる支払いではなく「感謝の気持ちを形にする」ことが重視されたという点です。
お金のやり取りだけでなく、人と人との関係を大切にする。
これが、日本のビジネス文化の基盤になったのです。

明治時代:一般市民へ広がる


百貨店の登場


明治時代、都市部に新しく生まれた百貨店が、お歳暮を大々的に取り扱い始めました。
新聞や雑誌で広告を打ち、「何を贈るべきか」という指標を提供したのです。

都市化と贈答文化


村社会から都市型社会へ。
人々の生活が変化する中で、新しい人間関係が生まれました。
職場の上司、取引先、恩師...。
お世話になった様々な人へ、感謝を伝える手段として、お歳暮が一般市民の間に広まっていったのです。

お歳暮が教えてくれる、ギフトの本質


では、この長い歴史を持つお歳暮文化から、私たちは何を学べるのでしょうか?

1. ギフトは「感謝」を形にするもの


お歳暮の根底には、常に「感謝」があります。
「今年一年、ありがとうございました」
「来年も、よろしくお願いします」
この気持ちを、言葉だけでなく形にして伝える。それがギフトの本質です。

2. ギフトは「関係性」を確認するもの


お歳暮は、一年に一度、相手との関係を確認する機会でもあります。
「私はあなたを大切に思っています」
「これからも、良い関係を続けたい」
贈り物は、この無言のメッセージを運ぶ役割を果たします。

3. ギフトは「相手を思う心」の表れ


お歳暮を選ぶとき、人は相手のことを考えます。
「あの人は何が好きだろう?」
「家族構成は?」
「どんなものが喜ばれるかな?」
この「相手のことを思う時間」そのものが、実は贈り物の価値なのです。

4. ギフトは「継続的な関係」を育むもの


お歳暮は、一年に一度の習慣です。
毎年繰り返されることで、関係性は深まり、信頼は積み重なっていきます。
一回きりではなく、続けること。そこに意味があるのです。

現代のビジネスギフトに通じるもの


お歳暮文化から学べることは、現代のビジネスギフト、つまりノベルティにもそのまま当てはまります。

ノベルティも「感謝」を伝えるもの


企業が配るノベルティは、お歳暮と同じ。
「いつもありがとうございます」
「これからもよろしくお願いします」
この感謝の気持ちを、形にしたものです。

ノベルティも「関係性」を育むもの


一度きりではなく、定期的に配ることで、関係性は深まります。
年末のカレンダー、周年記念の品...。こうした習慣が、企業と顧客の絆を強くするのです。
ノベルティも「相手を思う心」が大切
「どんなものなら喜ばれるか?」

この問いに真剣に向き合うことが、良いノベルティ選びの第一歩です。

お歳暮文化が今も残る理由


近年、「虚礼廃止」という言葉とともに、お歳暮の習慣は少しずつ減っているとも言われます。
でも、完全になくなることはないでしょう。なぜなら、お歳暮文化の根底にあるのは、日本人の「義理と人情」を大切にする心だからです。

「義理を重んじる」国民性


日本には、「お世話になったら、お返しをする」という文化が深く根付いています。
これは、返報性の原理とも通じる、人間の本能的な心理です。でも日本は特に、この「義理」を重視する文化なのです。

「形にして伝える」美学


日本人は、気持ちを言葉だけでなく「形」にすることを大切にします。
お中元、お歳暮、お年賀...。一年を通じて、様々な「形にした感謝」の機会があります。

「続けることで深まる」信頼


一度きりの付き合いではなく、長く続く関係を築く。
毎年の習慣として続けることで、信頼関係は揺るぎないものになっていきます。

まとめ:ギフトは、心を運ぶもの


お歳暮という、何百年も続く日本の文化。
その歴史をたどると、ギフトが持つ本当の意味が見えてきます。

ギフトは、ただの「物」ではありません。

それは、
感謝の気持ちを運ぶもの。
関係性を確認するもの。
相手を思う心の表れ。
そして、継続的な信頼を育むもの。

これは、お歳暮だけでなく、企業が配るノベルティにも、まったく同じことが言えます。

年末の挨拶回りで配るカレンダー。
展示会で渡すボールペン。
記念日に配る特別なギフト。

すべて、お歳暮と同じ精神を持っているのです。

名入れギフトJORIOは、この日本の贈答文化の伝統を受け継ぎながら、現代のビジネスに合わせたノベルティをご提案しています。

ただの販促品ではなく、「感謝を形にするもの」として。
一度きりではなく、「関係を育むもの」として。
心を込めたギフトは、必ず相手に届きます。

今年の年末、あなたは誰に感謝を伝えますか?
その気持ちを、形にして届けませんか?

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Mybestpro Members

星野貴郎
専門家

星野貴郎(名入れギフトの加工販売業)

株式会社ジョリオ JORIO Co., Ltd.

贈る喜び、受け取る喜び、お返しする喜びを繋げ、人と社会の関係構築に貢献する。赤ちゃんと同寸の神社仏閣御用材で作る「お身丈命名書」の販売。7月10日「名入れギフトの日」制定など文化活動に尽力。

星野貴郎プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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