子供の身長、そのままに「お身丈命名書」
毎年秋に開催される小倉城竹あかり。
(小倉城竹あかり公式サイトをみる)
幻想的な光を灯した約2万本の竹は、イベント後、ただ廃棄されるのではなく、新たな形で生まれ変わります。
その一つが、野上神仏具店が販売する「竹線香」です。
竹あかりで使われた竹を粉砕し、線香として再生する。
この取り組みは、SDGsの観点からも注目されています。
そして今回、この竹線香に「名入れ」をさせていただく機会がありました。
竹を線香にする、前例のない挑戦
実は、この竹線香が生まれるまでには、野上神仏具店の専務取締役・野上哲平さんの並々ならぬ努力がありました。
「竹を砕いて線香にしたい」と相談すると、お線香屋さんからは「竹は無理。細かくしてもパラパラになるから」と断られたそうです。
竹の繊維は硬すぎて、炭化させないと加工が難しく、かなり高度な技術が必要でした。
竹そのものを素材にしたお香がこれまで存在しなかったのは、そこに理由があったのです。
それでも諦めず探し続け、ようやく地元北九州で竹を粉末化できる会社を見つけました。
しかし、そこからも試行錯誤の連続。
粉末の粒子が大きすぎると崩れてしまう。
竹を多く配合したいが、つなぎを増やしすぎると竹本来の香りを損なう。
そのバランスを見つけるまで、成形に1年、香りづくりに1年、容器製造に1年。
100種類ものサンプルを作り、合計3年の歳月を経て、ようやく完成したのが「小倉竹の香」でした。
hououtyan. 『「小倉城 竹あかり」の竹灯籠をリサイクル竹を原料にした国内初のお香「小倉竹の香」を販売』. 魚町銀天街SDGs.com.
https://sdgs.uomachi.or.jp/archives/1917,(2023.03.15). より引用。
供養の品に、想いを刻む

そんな想いが込められた竹線香に、今回「名入れ」をさせていただきました。
ご依頼くださったのは、私の父です。
亡くなった方へのお供えとして、竹線香に名入れをしました。
レーザー彫刻で竹に文字を刻むと、自然な風合いを残しながら、くっきりと美しい仕上がりになります。
竹は木と近い素材なので、弊社でも扱い慣れている素材です。
野上さんが3年かけて形にした竹線香に、私たちの技術で想いを刻む。
供養の品に名前を入れることは、故人への想いを形にする一つの方法です。
地域とのつながり、家族の想い
小倉城竹あかりは、ジョリオにとってもご縁のあるイベントです。
開催当初はボランティアとして参加し、ここ2年間は草月流ブースの製作をお手伝いしています。
竹あかりの竹が、誰かの諦めない想いで線香になり、その線香に名入れをして、大切な人への供養の品になる。地域の取り組みと、作り手の情熱と、私たちの技術と、家族の想いが一つにつながった瞬間でした。
竹線香について
竹線香は、今年の竹あかり開催中に販売され、好評のうちに完売したそうです。
もし興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、野上神仏具店へぜひお問い合わせしてみてください。
供養の品、記念の品、大切な想いを込めた品への名入れ。
ジョリオでは、お客様の「想い」を形にするお手伝いをしています。
どんな小さなご相談でも、お気軽にお声がけください。




