昭和→平成→令和。企業ノベルティの変遷を振り返る

星野貴郎

星野貴郎

テーマ:ノベルティ

昭和平成令和


あなたの家に、企業のロゴが入ったボールペンやカレンダー、ありませんか?
そんな当たり前に存在するノベルティですが、実は時代とともに、その意味も役割も大きく変わってきました。
今回は、昭和・平成・令和と、3つの時代を通じて企業ノベルティがどう変化してきたのかを振り返ります。
ノベルティの歴史は、日本の経済や文化の歴史でもあるのです。

昭和時代:「当たる!もらえる!」キャンペーンの時代


昭和

テレビCMと懸賞の全盛期


昭和の時代(1980〜90年代)、ノベルティといえば「懸賞でもらえる限定品」でした。
テレビCMで「今なら〇〇プレゼント!」「応募者全員にもれなく!」というフレーズ、覚えていませんか?
みんなが同じテレビ番組を見ていた時代。
マスメディアの力が圧倒的に強かった時代です。
企業のロゴやキャラクターが入った限定品は、子どもたちにとって宝物でした。

「持っているだけで自慢できる」価値

当時のノベルティには、希少性がありました。

「あのキャンペーンに応募して当たった!」
「友達が持っていないものを、自分は持っている!」

そんな特別感が、ノベルティの価値だったのです。

銀行のキャラクター貯金箱、食品メーカーのオリジナルグッズ。
今でもコレクターアイテムとして高値で取引されているものもあります。

企業にとっての役割

企業にとって、昭和のノベルティは「キャンペーンを盛り上げる景品」でした。
テレビCMと連動したプレゼント企画で、商品の購入を促進する。そんなマーケティングの一環だったのです。

平成時代:「バラまき」と「希少性の喪失」


平成

ビジネスイベントの登場

平成に入ると、ノベルティの風景が一変します。
1990年前後、東京ビッグサイト、パシフィコ横浜、幕張メッセなど、大規模展示場が次々と誕生しました。
そして始まったのが、BtoB(企業間取引)の展示会ブームです。

「名刺交換でノベルティ」スタイルの確立

「名刺交換していただいた方に、こちらをどうぞ」
展示会ブースの前で、企業ロゴ入りのボールペンやクリアファイルを配る光景。
これが平成のノベルティの代名詞になりました。
でも、ここに大きな変化が起きていました。

希少性を失ったノベルティ

展示会に行けば、誰でももらえる。他の企業も同じようなものを配っている。
昭和にあった「特別感」「希少性」が、失われていったのです。

「おまけ」「ありきたり」のイメージ

この時期から、ノベルティに対するネガティブな印象も生まれました。

「ノベルティ=おまけ」
「もらっても嬉しくない」
「家に帰ったら捨てる」

大量に配られるようになったことで、ノベルティの価値が下がってしまったのです。

企業にとっての役割

平成のノベルティは「集客ツール」「名刺交換の促進材料」でした。
とにかく数を配って、多くの人にブースに来てもらう。そんな使い方が主流だったのです。

令和時代:「ブランディング」「SWAG」の時代へ


令和

デジタル時代だからこそ、リアルな「モノ」の価値

令和に入り、ノベルティの役割が再び大きく変わり始めています。
デジタルコミュニケーションが当たり前になった今、逆に「手に取れるモノ」の価値が見直されているのです。

キーワードは「SWAG」

海外、特にアメリカで広まった「SWAG(スワッグ)」という概念が、日本でも注目されています。
SWAGとは、単なる販促品ではなく、企業のブランドイメージを伝える、上質なギフトのこと。
ただ配るのではなく、「この会社らしさ」を表現する。
受け取った人が喜んで使いたくなる。そんなノベルティが、SWAGです。

「バラまき」から「選ばれたギフト」へ

令和のノベルティは、配布する相手を選びます。
全員に同じものを配るのではなく、取引先、従業員、特別な顧客など、相手に合わせて選ぶ時代です。

企業文化を伝えるツール

ノベルティを通じて、企業の価値観を伝える。
環境意識の高い企業なら、エコ素材のアイテムを。
革新的な企業なら、最新テクノロジーを使ったアイテムを。
伝統を大切にする企業なら、職人技が光るアイテムを。
ノベルティは、企業の姿勢を語る「無言のメッセージ」になったのです。

従業員向けSWAGの台頭

リモートワークが広がった令和時代、新しいトレンドも生まれました。
それが、従業員向けのSWAGです。
会社のロゴ入りアイテムを従業員に配ることで、帰属意識を高め、企業文化を共有する。離れていても「同じチームの一員」と感じてもらう。
SWAGは、外向けだけでなく、内向けのブランディングツールにもなっています。

品質重視の時代

令和のノベルティは、「安くてたくさん」ではなく「良いものを、大切な人に」。
少し予算をかけても、長く使ってもらえる品質の良いものを選ぶ。
その方が結果的に、宣伝効果も高いと考えられるようになりました。

時代が変わっても変わらないこと

こうして振り返ると、ノベルティの役割は大きく変わってきました。
でも、変わらないこともあります。 それは、「相手に喜んでもらいたい」という気持ちです。

昭和の懸賞も、平成の展示会配布も、令和のSWAGも、根っこにあるのは同じ。

「この企業を知ってほしい」
「感謝の気持ちを伝えたい」
「良い関係を築きたい」

そんな想いが、形を変えながら受け継がれているのです。

これからのノベルティ


では、これから先、ノベルティはどう変化していくのでしょうか?

おそらく、さらに「個別化」「パーソナライズ化」が進むでしょう。

AIやデータ分析を活用して、一人ひとりに最適なノベルティを選ぶ。
そんな時代が来るかもしれません。
でも、どんなに技術が進んでも、大切なのは「心」だと感じています。
相手のことを考え、喜んでもらえるものを選ぶ。
その気持ちがあれば、ノベルティは必ず相手の心に届きます。

まとめ:ノベルティは、時代の鏡


昭和から令和まで、企業ノベルティの変遷を振り返ってきました。

昭和:キャンペーンの景品
希少価値がある平成:展示会でのバラまき
希少性を失う令和:ブランディングツール、SWAG文化の台頭


ノベルティの歴史は、日本の経済、マーケティング、企業文化の変化を映す鏡でもあります。
名入れギフトJORIOは、時代の変化を捉えながら、企業の想いを形にするお手伝いをしています。
あなたの会社が伝えたいメッセージは何ですか?
どんな印象を、相手に残したいですか?
一緒に、令和の時代にふさわしいノベルティを作りましょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

星野貴郎
専門家

星野貴郎(名入れギフトの加工販売業)

株式会社ジョリオ JORIO Co., Ltd.

贈る喜び、受け取る喜び、お返しする喜びを繋げ、人と社会の関係構築に貢献する。赤ちゃんと同寸の神社仏閣御用材で作る「お身丈命名書」の販売。7月10日「名入れギフトの日」制定など文化活動に尽力。

星野貴郎プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

想いを届けるメッセンジャー「名入れギフト」のプロ

星野貴郎プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼