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あいさつのもう一つの意味

副島勲

副島勲

テーマ:人と人をつなぐあいさつ

 あいさつは、コミュニケーションの基本中の基本。声の張り、笑顔、目線などなど、相手との距離感を近くするためには必要な事だと思っています。相手とつながらなければコミュケーションは成り立ちませんから。

 私は、見知らぬ人とあいさつを交わし、そこからつながり、広がり、商売がうまくいくようになった経験がたくさんあります。今でも、「見知らぬ人との距離感を縮めるスキルをもっともっと高めたい」そう日頃から思っております。

 とはいうものの、見知らぬ人とあいさつを交わしたいと思っても、日頃の生活の中で、目的もなく初対面の人とあいさつをする機会はそうそうないものです。

 そこで、私は毎日の日課である散歩中に出会う見知らぬ人にあいさつすることを心掛けました。

 ただ、始めたころは、知らない人にあいさつをしても、なかなか距離感が縮まりませんでした。

 時には「この人怪しい!」「なんなの!」と不審者扱いにされてしまい、かえってあいさつをさせて頂いた方との距離を遠ざけてしまうことも多かったのです。まだまだ、修行が足らんと悩んだものです。

そんなとき、こんな出来事がありました。

 ある朝の散歩中に、日本人の二人の老婦人を見かけ挨拶をしました。
  私   :「おはようございます」
  老婦人 :「あなたはいいですね」
 年上であろうと思われる方の老婦人が、私が予想していなかった言葉を返してくれました。
  私   :「エッ」
 私は、キョトンとしました。そんな私を、微笑みながら見て、言葉を続けられました。
  老婦人 :「私は、妹のために3日前にアメリカから日本に帰国しました。アメリカでは、
        相手にあいさつするのは、『私はあなたの敵ではありませんよ』という意思表示
        なんですよ」
 そして老婦人は、続けられました。
  老婦人 :「おはようございます」

 この出来事があってから、私のあいさつに対する考え方が変わりました。あいさつをするためには、まず自分の心構えが大切なんだと気づかされました。
 「私は、あなたの敵ではありませんよ」
 距離感を縮めるためとかお互いに気持ちよくとかを意識する前に、まずは相手に安心感や信頼感を持ってもらえるそんなあいさつの仕方をしようと心掛けるようになりました。
 おかげで、今は「この人怪しい!」「なんなの!」と不審がられることがなくなり、名も知らぬ多くの方とのつながりができています。感謝感謝です。

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副島勲
専門家

副島勲(人材教育支援)

一般社団法人ヒューマンハーバーそんとく塾

服役経験者への就労・教育・宿泊の三位一体の取り組みをユヌス・ソーシャル・ビジネスで実現。その中で人と組織が変われる「心のスポンジ作りプログラム」を開発。人財育成・社員教育・組織強化で成果を上げている。

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