家は完成してからが本番 暮らしとともに育つ家の話

家づくりの相談を受けていると、
「何をどう伝えればいいのか分からない」
と不安に思う方がとても多いです。
でも実は、
最初から答えを持っている必要はまったくありません。
むしろ、最初から完璧なイメージを持っている方のほうが少ない。
家づくりは “好き” を探すところから始まるものだからです。
たとえば、会話の中でふと出てくる
・朝の光が気持ちよかった旅先の宿
・風が抜ける縁側の心地よさ
・木の香りが落ち着くカフェ
・雨の音が静かに響く空間
こうした小さな感覚こそ、
その人らしい暮らしをつくるヒントになります。
私は打ち合わせの中で、
「本当はどんな時間が好きなのか」
「どんな景色を見ると落ち着くのか」
を一緒に探していくことを大切にしています。
間取りや設備の話は、そのあとで十分です。
家づくりは、
“正解を当てる作業” ではありません。
まだ言葉になっていない気持ちや、小さな“好き”を拾い集めながら
それを少しずつ“暮らしの形”へと育てていくプロセスです。
あなたの中にある感覚は、はっきりしていなくて大丈夫。
その曖昧さの中にこそ、家づくりのヒントが隠れています。
焦らず、ひとつずつ。
あなたらしい暮らしを一緒に探していけたら嬉しく思います。



