自然と向き合う時間

山に入ると、都会では感じにくい“自然の声”が聞こえてきます。
風の流れ、樹木の影、岩肌の湿り気、そして雲の動き。
それらはすべて、建築にとって大切な「環境との対話」を思い出させてくれます。
建築を考えるとき、私たちはつい「形」や「性能」に意識を向けがちです。
しかし自然の中では、もっと原始的で本質的な感覚
――たとえば「光がどう差し込むか」「風がどう抜けるか」「雨がどんな音を奏でるか」――
が、空間の心地よさを決めていると気づきます。
山を歩くことは、自然を感じ、建築を見つめ直す時間です。
土、風、空、木、雨――それらのリズムと調和する建築を、これからもつくっていきたいと思います。



